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看護師の転職で失敗しないためのコツとは 転職に失敗する看護師の3つの行動パターンとその対策も

看護師は元々転職する人の多い職業と言われます。常に人手不足で求人数も多いため、転職先の選択肢が豊富にある点が理由の1つとして挙げられます。

しかし、転職する看護師さんのすべてが転職活動を成功させられるとは限らず、中にはせっかく転職したのに「転職してかえって失敗した」と感じる方も少なくありません。

できれば転職活動をうまく乗り切り、次の職場では満足して末永く働き続けたいですね。
優秀な看護師さんでも、転職活動時の行動パターン一つで後から「失敗した……」と感じてしまう可能性もありますから要注意です。

そこでこの記事では、看護師の転職で失敗してしまった方の事例を取りあげつつ、転職での失敗を防ぐコツについてもご紹介します。

実際に転職した看護師さんの失敗事例

以前私は、総合病院の急性期病棟で勤務していたのですが、仕事内容がハードで、夜勤の回数もそれなりに多く、心身ともに疲れ果ててしまいました。
OLになった友人がうらやましくもあり、思い切って転職を決意しました。

転職が初めてだったこともあり、どう行動していいかわからず、ネットで検索にヒットした人材紹介会社に登録し、転職活動をスタートしました。

もともと明確なキャリアパスがあって転職活動したわけではなかったので、「日勤のみでとにかく楽な職場」という、漠然とした希望を人材紹介会社の担当の方に伝えました。

いくつか紹介されたお仕事の中から、とりあえず今住んでいるマンションから一番近いクリニックを選んだのですが、面接・採用ととんとん拍子に話が進んでいき、検討もほどほどになんとなく転職を決めてしまいました。
今思えば転職する前に、仕事内容の詳細や、雇用条件をしっかり確認し、もっと慎重に行動すべきだったと思います。

実際に新しい職場で働き始めて最初の1~2か月は、夜勤がなくなり仕事内容も楽になったため満足していたのですが、しばらくたつと看護業務以外の雑用仕事が多いこと、前の職場で培ってきた手技やスキルを活かせる場面が思った以上に少ないことなどに、物足りなさや不満を感じるようになり、半年が過ぎた頃には、将来的なキャリアアップに対する不安が大きくなっていました。

また、新しい仕事は日勤のみの勤務なので、年収が下がるのは覚悟していましたが、給与だけでなく、賞与や各種手当も大幅に減ってしまい、年収ベースで120万円以上のダウンとなりました。

それ以外にも、転職したクリニックは、看護師スタッフの数が少ないため、体調を崩した時なども休みにくく、希望休も出せなかったため、かえって不自由さを感じる部分も多くなり、転職から1年後、結局クリニックを退職し、また病棟看護師に戻りました。

私の最初の転職は大失敗でしたが、それは私自身の転職に対する意識の低さに起因しています。
事前の準備やリサーチも不十分で、転職前に確認すべきことをしないままに、なんとなく転職先を決めてしまったことが失敗の原因でした。

「自分の中で妥協できる条件・譲れない条件はなんなのか?」「転職することで何がどのように変わるのか?」「新しい職場で働くことで、何が得られるのか?」「将来自分がどうなりたいのか?」など、自分自身に自問自答しながら、頭の中を整理した上で、転職活動を行なうべきだったと、今さらながら反省しています。

行動パターン1 事前のリサーチ・確認不足

転職の失敗で多いのが、事前の確認不足による転職後のミスマッチです。

前の職場では当たり前だった福利厚生や手当などが、新しい職場でも同様にあるとは限りません。
イメージしていた仕事内容と実際の仕事内容が違った…なんてこともよくあります。
転職に失敗した看護師さんにお話しを聞くと、確認不足によるミスマッチがほとんどです。

新しい転職先の詳細、雇用条件などは必ず事前に確認すること。
これをきちんと行なうだけで、かなりミスマッチを防ぐことができます。

おもな確認事項としては、具体的な仕事内容(詳細)、給与(年収)、各種手当、残業時間、福利厚生、勤務シフト、看護体制、夜勤の回数、オンコールの有無、休日休暇、教育体制、キャリアアップ制度、職場の雰囲気、上司の人柄など。
気になることや知っておきたいことは事前にしっかり確認しておきましょう。

面接の際に直接確認しにくい内容もあると思いますので、人材紹介会社を利用している場合は、その担当者に確認しましょう。

行動パターン2 情報収集の不足

転職活動は、情報収集にそれなりの時間と労力がかかりますが、それらを惜しんだために、結果的に転職に失敗してしまう看護師さんは少なくありません。

「急がば回れ」ということわざがあるように、転職を成功させる上でやるべきことができていないと、転職活動が長引きます。
それだけでなく、転職に失敗し再転職することになれば、さらに時間を大きくロスすることになってしまいます。

インターネットが発達している現在、自分自身で新しい転職先についての情報を収集することはさほど難しくないので、手間暇を惜しまずにしっかり情報を集め、判断材料を増やしておきましょう。

また人材紹介会社を利用している場合は、配属先の上司の人柄や職場の雰囲気など、実際に勤務してみるまでわからない情報を担当者が把握していることもあるので、細かい部分まで質問をぶつけてみましょう。

行動パターン3 転職理由が「職場への不満」のみ

転職の失敗で意外と多いのが、具体的な自分の希望がはっきりしないまま、「今の職場への不満」だけを理由に転職してしまうケースです。

人材紹介会社にざっくりとした希望を伝え、紹介されたお仕事先でなんとなく面接を受け、そのまま転職を決めてしまった看護師さんの多くは、仮に転職によって目先の不満が解消できても、また新たに生まれた不満を理由に転職しています。

新しい勤務先においては、大なり小なり不満はつきもの。
、何の不満もない職場に転職するのは現実的に不可能です。

当然、転職することによってメリット・デメリットがそれぞれあるので、それらを踏まえて「新しい職場でどのように働き、将来何を実現したいのか」を明確にしておくことがとても重要です。
まずは箇条書きでもよいので、現状の自分の希望や不満を可視化し、自分が働く上でどのような条件を重視したいのか、優先順位を整理しておくとよいでしょう。

転職活動で押さえておきたい「成功するコツ」

看護師さんが転職活動で失敗してしまうパターンをおもに3つ挙げましたが、ここではそれを踏まえて「転職活動に成功する秘訣」をご紹介します。

「イメージしていた職場と違った」という程度なら慣れることで克服できるかもしれませんが、ブラックな職場につかまってしまうことはできるだけ避けたいものです。
ブラックな職場を避けるコツも押さえ、働きやすい職場への転職をかなえましょう。

1.しっかり準備をする

行き当たりばったりで慌てて転職活動をするのは禁物です。
通常、転職活動では準備期間を3か月ほど設けることが理想的と言われますが、看護師の場合は応募から採用までが速い傾向があるため、転職活動期間は「1か月~1か月半」が目安とされています。

しかし、余裕を持って臨むに越したことはありません。
「なぜ転職するのか」「どんな条件を優先して転職したいか」などを具体的にまとめる期間を設け、落ち着いて物事が判断できる状況を整えた上で転職活動を開始しましょう。

2.相談できる人を作っておく

相談できる相手がいると、ご自身の観点とは違った視点での意見がもらえるので、柔軟な判断をしながらの転職活動につながります。

仲の良い同僚や他の職場にいる看護師仲間などでも良いのですが、思い切って転職のプロに相談するという方法も良いでしょう。
看護師専門の転職エージェントでは、一人ひとりの応募者に担当者を設けて転職に関する相談を受けています。
看護業界を熟知していますから、ご自身に合った職場などのチョイスまであれこれ手助けしてもらえるでしょう。

次からは、ブラックな職場かどうかを求人情報などで見極めるためのコツもご紹介します。

3.求人広告で注目すべきこと

「どの求人サイトや求人情報誌にも、同じ職場の求人が出ている」「いつ求人検索をしても、同じ病院の求人広告がある」など……。

すべてに当てはまるわけではありませんが、そのような職場は注意深く見ておく必要があるでしょう。
誰かが採用されてもすぐ辞めてしまうなど、職場への定着率が低く、常に人手が足りておらず労働環境にも難が生じている可能性があります。

また、院内のベッドが少ないのに募集人員がとても多い病院も、勤めるとかなり過酷な労働環境である可能性があるでしょう。
応募する前にその応募先の病院の情報をよく見て、ベッド数や職員数などをきちんと確認すると応募先の状況が推測できる場合があります。

4.職場見学で現場を見るときのコツ

事前に職場見学の機会を設けることも、ブラックな職場につかまらないコツの一つです。

職場見学では、まず院内の衛生状況を確かめることが大切。
きちんと掃除や整理整頓が行き届いているかを見るだけでも、働きやすさを推測できます。
きちんと清掃・整理整頓されていれば、職場やスタッフに余裕があり入職しても働きやすいと思えるでしょう。

看護師の身だしなみや清潔感などにも、同時に注目しておきましょう。

また、見学の際に担当者がきちんとついて親切に説明をしてくれる職場を選ぶことがおすすめです。
見学の段階から基本的に放っておかれてしまうような職場なら、その時点でもう出向きたいとも思わないかもしれませんが……。

5.面接時のコツ

面接を受けるときにしっかり聞いておくべきことは、「給与について」や「超過勤務について」でしょう。

この2点が求人情報とあきらかに異なるようなら要注意ですし、特に給与の記載は手当などを含むか含まないかを求人情報の段階からチェックし、面接での給与提示の際にも再確認しましょう。
超過勤務についても、質問した際にはっきり答えてくれない職場は避けたほうがよいかもしれません。

まとめ

看護師さんが転職する理由はさまざまですが、新しい職場において、自分が求める希望を実現できるのか?あるいは現在の不満が解消されるのかを、しっかり見極める必要があります。
これができていない看護師さんは、転職に失敗する可能性が高くなります。

看護師さんの転職には、準備と事前確認が重要です。
準備段階では「自分が転職する理由」と「転職して何を優先的に解決したいか」をはっきりさせ、その優先事項からブレない転職先を探すことが成功のポイント。
「せっかく転職したのに、なぜ状況が変わらないのだろう?」と悩んでしまわないよう、今回挙げたコツを参考にしつつ転職活動にお役立てください。

この記事を書いた人は
スーパーナース編集部

スーパーナース編集部

看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。

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