看護師に限った話ではありませんが、アルバイトとして働くには、まず事前に履歴書を提出し、採用担当者と面接を行ない、勤務先と雇用契約を結んだ上で勤務を開始します。当然条件のいいお仕事や、人気のお仕事になると、1名の採用枠に対して複数の看護師から応募がくることも珍しくありません。つまりアルバイトとして働くためには、まず採用してもらう必要があります。
このページでは、アルバイト面接の際の定番の質問のひとつである「志望動機」について、具体的な回答例をご紹介したいと思います。
採用に向け、履歴書や面接での内容もよく考えよう
ただ稼ぎたいという理由では評価されにくい
看護師アルバイトを探している方が、働きたいと考える理由が「生活のため」や「家庭の事情」などであるのは、決して間違ってはいませんしある意味本筋でしょう。しかし、それを率直に志望動機として伝えてしまうことは応募先へのアピールポイントに乏しく、当たり前すぎて採用にはつながりにくいもの。
「数ある求人の中で、なぜその応募先を選択したのか」という応募者側の意図が伝わりやすく、先方に対して説得力を持つ志望動機を考えてみましょう。
履歴書と面接での回答内容にも留意しよう
履歴書で書類選考を行ってから面接に進んだ場合、その履歴書の内容を確認しながら面接を行うケースがほとんどです。そのため、履歴書に書かれた志望動機と面接で回答した内容があまりに異なるものでは不審に思われる可能性も。履歴書に書いた内容はコピーを取るか、データで保存しておくなど控えを用意し、面接に進んだときに整合性のある回答ができるよう準備しておきましょう。
志望動機はどう書く? どう答える?
履歴書の「志望動機」欄の書き方
それでは、具体的な志望動機はどのような内容が看護師求人への応募にふさわしいのでしょうか。ここでは、看護師の転職事例として多いケースをいくつか取りあげ、志望動機の書き方をご紹介します。
【1.異なる診療科目への転職応募の場合】
たとえば、外科手術の看護を行っていた方がリハビリテーション中心の医療機関に応募したとします。その場合は「これまで手術にかかわる看護業務に携わり大変やりがいを感じてきましたが、手術を終えた患者さんを数多くお見送りするたび、その後の回復までお手伝いできればと考えるようになりました」などとすれば、前職から診療科目を変えて転職を試みる意図に説得力が加わってきます。
【2.ご家族の都合での転居にともなう転職の場合】
次は、旦那さんの転勤やUターンなどにともなって、都市部のクリニックから地方の総合病院へ転職を試みる場合の志望動機の伝え方です。「家族の都合で転居することを機に、さまざまな診療体制を整えどんな患者さんにでも対応できる医療に携わりたいと考えています。前職のクリニックでは、患者さん1人ひとりとのコミュニケーションを大切にしてきました。貴院で総合診療にかかわっていく中でも、この心がけを大切に職務にあたっていきたいです」などとしてみましょう。やむをえず引っ越しをするという事情がありながらも、ポジティブな転職をしたいと考えている点をアピールするとよいです。
【3.看護師としてのブランクがある場合】
しばらく看護師として働いてこなかった方が復職をめざす場合は、看護師という職業への思い入れを込めた志望動機とすることがポイント。「看護職を離れ、しばらく育児に専念する毎日の中で多くの人を看護してきた経験が心の支えになっていました。各家庭の生活と医療のリンクが両者の質の向上につながると考えるようになり、患者さんのご家族やご家庭への配慮も行き届いている貴院での職場復帰ができればと思っています」のように、ブランクをネガティブにとらえずその間も看護や医療について考え続けてきたことをアピールしましょう。
面接時に転職理由を聞かれたときの答え方
履歴書の志望動機欄とは異なり、面接の場合は聞かれたことに回答する必要も出てきます。なかでも多い質問といえば、「前職を離れ、ここを志望する理由」でしょう。ここでは、離職する理由別に面接時の答え方についてご紹介します。
【1.給与が低すぎて前職を辞める場合】
「前職では精一杯業務に取り組んでまいりましたが、より業務に対する評価を正当に行っていただける職場で働きたいと思うようになり、貴院への転職を考えるに至りました」のように、不満があったことは率直に伝えなくても、成果に見合う評価を得たいという意図を明確にできている回答内容にしましょう。
【2.人間関係がうまくいかず前職を辞める場合】
「周囲の人とうまくやれなかった」とはっきり伝えてしまうと、「改善に向けて自発的に行動しなかった」と取られてしまいます。「前職の業務や待遇には満足していましたが、もっと周囲の人との協力・協調を大切にすることで仕事の質を高められる場を求めるようになりました」など、人間関係の向上によってスキルアップしたいという前向きな意図を強調しましょう。
志望動機の例文・回答NG集
「通勤が楽なので志望しました」「前職より残業や夜勤が少ないので」など、業務に直接関係のない要素だけを挙げるのはNG。「そこさえクリアになればどの職場でもよい」と取られてしまい、よい印象を持ってもらえません。
また、一見謙虚かつ意欲的に見える「○○を学びたい」「△△を身につけたい」という内容も、転職理由にはあまり適しません。転職を考える時点ですでに看護師としてはプロですから、その自覚に乏しいと思われてしまう可能性があります。
また「前職の業務レベルが低く、いわゆる『ヌルい』職場だった」という場合も、それをはっきり伝えてしまうのはNGです。「経験を積むにつれ、責任ある仕事を任せてくれる職場を探したいと考えた」「医療行為の機会が少なくなり、もっと実践的な看護に携わりたいと思った」など、自分がどうしたいのかという具体的な目的に言い換えるとよいでしょう。
文面・内容以外での対策ポイント
対面した印象や身だしなみ・立ち居振る舞いも大切
もちろん、志望動機がうまく伝わっただけですぐ採用につながるわけではありません。面接イコール初対面ですから、第一印象は大切です。服装や身だしなみにとどまらず、表情や所作などにも「人を看る」ことにふさわしいと思ってもらえるよう気を配りましょう。
「看護師用求人サイト」で、採用につながるコツを学ぼう
看護師のアルバイトに関する情報の収集源として有効なのが「看護師専用求人サイト」の活用です。新聞やハローワークには出ないレア求人情報がいち早くキャッチできるだけでなく、面接対策や履歴書の書き方など採用につながる有用なコンテンツも多数掲載されているのがポイント。日々更新されるコラムなども参考にしながら、採用されるコツを身につけて応募・面接に臨みましょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。