甲状腺科のお仕事
甲状腺の病気には、主に甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症があります。甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過度に分泌されるため、全身の代謝が過度に高まる症状であるのに対し、甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌量が少ないために、全身の代謝が低下する症状になります。バセドウ病、橋本病などが代表的な病気です。
治療に使う薬は、甲状腺ホルモンが低下した時に用いる甲状腺ホルモン薬と、亢進した時に用いる抗甲状腺薬の2種類があります。
甲状腺科で働く看護師の声
甲状腺の疾患にみられる症状は、他の疾患でもみられるごく普通の症状です。たとえば甲状腺機能亢進症では、いらいらする、体重の減少、動悸、手指の震え、などがあげられます。また、甲状腺機能低下症は、顔や手のむくみ、体重の増加、居眠りをする、だるい、首が腫れてくる、などといった症状がみられます。
そのため、精神科をはじめいろいろな診療科を受診してからようやく甲状腺科を受診する患者さんが大半を占めています。なかなか病気が改善しない中「もしかしたら…」と半信半疑で来られる方や、なかなか治らずどうしようもなく、藁にもすがる思いで来られる方々など、患者さんの精神的負担はかなりのものになります。
この診療科では、そのような患者さんに対応する高いコミュニケーションスキルだけでなく、他の疾患でもよくみられる症状からできるだけ正確に患者さの体調を観察するスキルも求められます。甲状腺科を受診する方々の疾患は甲状腺科ならではのものなので、勤務開始時は勉強もかなり必要になってきます。
つぶしのきく勤務先を希望される方には不向きかもしれませんが、いろいろ学ばせて頂く機会もたくさんあり、やりがいのあるお仕事だと思います(^^)
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。