看護師が面接を受けた際に、必ずされる定番の質問が存在します。このページでは、質問の意図、回答例、注意点を詳しくまとめました。ぜひ面接前の事前準備にお役立てください。
採用担当者が面接で必ず見るポイント
まずは、採用担当者が面接の際に応募者について必ず見ているポイントをご紹介します。
1.身だしなみ
服装やヘアスタイルなどの身だしなみは、応募者の第一印象に直結します。面接時の服装はスーツが基本ですが、シワやシミはないか必ずチェックしましょう。髪型も朝起きたままのボサボサの状態では印象を下げますから、ある程度きちんと見えるよう整えて、長ければ後ろで束ねるなどしてまとめましょう。お化粧は派手にならないことが基本ですが、地味ならよいというわけではありません。まったくのスッピンは避け、表情が明るく見えるナチュラルメイクがベストでしょう。
また、身だしなみで見逃しがちな部分といえば「靴」です。足元を見るという言葉がありますが、靴が汚いと他がどんなに整えられていてもマイナスになると言われるほど、足元の身だしなみは大切。泥などはきちんと落とし、傷んでいない靴を履いて面接に臨みましょう。
2.返事や受け答えがはきはきとできているか
何を尋ねても歯切れが悪く、ぼそぼそと話すだけではイメージアップにつながりません。過剰に明るくふるまう必要はありませんが、質問を受ける都度はっきり返事をして笑顔で受け答えしましょう。看護師にはコミュニケーション能力が求められますから、人とのコミュニケーションに対して積極的になれるかどうかが受け答えで判断されます。
3.相手の顔を見て誠実に応対ができるか
面接での質疑応答では、質問している面接官の顔をしっかり見て回答しましょう。顔がしっかり上がっていて、上目遣いにならないよう気を付けるのがポイント。「相手の目を見て」ともよく言われますが、人と話すときに緊張して目を凝視しすぎると圧力を感じて怖いといわれることもあります。基本的には、相手の目を中心とした顔全体を真っすぐ見て、表情をソフトに保つとよいでしょう。
面接の一連の流れはどうなっているの?
1.病院に着くタイミング
時間に余裕を持って、少し現場で待機できるくらいの時間に到着できるようにしましょう。具体的には、面接開始の15分ほど前には着いているとよいでしょう。
2.面接室に入るまで
職員の人と顔を合わせたら挨拶をしながら、面接室に案内される際にも「本日はよろしくお願いいたします」と案内係の方に挨拶します。面接室に入ったらまず、「面接にお伺いしました、○○と申します。本日はご多忙の折お時間を頂戴し、恐れ入ります。どうぞよろしくお願いいたします」などと挨拶をして一礼します。また、用意されている椅子にはすぐ腰掛けないようにしましょう。「おかけください」などと声を掛けられてから「失礼します」と言って着席します。
3.質疑応答による面接
多くの場合は始めに履歴書の内容を確認しながら、その内容に対して質問を受けます。「前職をなぜ辞めたか」「看護に対する考え方」「ご自身の長所・短所」「志望の動機」などを主に聞かれるでしょう。これらの質問をする理由は「長く活躍してくれるか」「本院の戦力となってくれるか」などをその回答から判断するためです。応募先の理念に合う、前向きな回答ができればベストでしょう。
4.職場見学
面接のあとには、職場見学を用意しているケースが多いでしょう。もし見学が事前申込制であれば、必ず申し込んで積極性をアピールしましょう。だらしなく見えないよう姿勢を正しながら職場を回り、挨拶などを忘れず明るい表情で臨んでくださいね。もちろん、職場の雰囲気やご自身が働く場合の環境などを、しっかりチェックしておきましょう。
面接が終わったら、案内係の方にもお礼をきちんと告げ、最後まで明るい表情で礼儀正しく面接を乗り切ってください。
面接時に必ずされる質問を予習しておく
転職において最も重要なのが面接。この結果次第で、採用の合否が決まるといっても言い過ぎではありません。面接を成功させるためには、採用担当者からの質問に対し、適切な回答をすることが重要です。
面接における質問は、その回答を通じて、採用担当者に直接自分自身をアピールするチャンスですが、裏を返せば、著しく心証を悪くしてしまう可能性をも孕んでいます。
このページでは、必ずといってよいほどされる質問を5つピックアップし、それぞれの質問の意図、求められている回答、回答する際の注意点などを解説していきます。ぜひ面接前の事前準備にお役立てください。
当院でやりたいことを教えてください。
これは志望動機の回答と、内容的には近くなります。これまで看護師として培ってきた経験・知識・スキルを活かし、新しい職場で何ができるのか、さらに長期的な視点で、将来的にどのような貢献をしていけるかをできるだけ具体的に説明しましょう。
ただし、採用担当者が満足する回答をするには、応募先の医療機関が掲げる理念や目標を踏まえ、入植後に期待されていること、求められている役割などをイメージした上で回答が用意できるとベストです。
逆に、採用担当者があなたに求めていないことを、独りよがりな視点で「やりたいこと」として回答してしまうと、自己中心的な人と思われてしまう可能性もあります。もし将来的に携わりたい業務がある場合などは「すぐにではなくとも、私自身の努力や頑張り次第で、将来的に○○の業務に携われる可能性がありますか?」というように質問してみましょう。
あなたの看護観を教えてください。
これは看護師さんならではの質問。これは「看護師をめざしたきっかけ・理由」「看護師として何を大切にしているか」を知るための質問です。すなわち、この質問を通じて、あなたの仕事(看護)に対する考えがわかります。
一つ目の「看護師をめざしたきっかけ・理由」については、ありのままを説明して問題ありませんが、重要なのは、現在までの過程(プロセス)において、実際の仕事とイメージとのギャップ、苦労したことや挫折したこと、そしてそれらをどのように乗り越えて今に至るのかといったストーリーです。これによって、困難に直面した際にどのように行動する人間なのかを、具体的かつ分かりやすく伝えることができます。
また二つ目の「看護師として何を大切にしているか」は、具体的なエピソードを交えながら伝えると説得力が出るだけなく、あなたがどんな人間なのかも伝わります。また将来的に、どのような看護師をめざしていて、その実現のためにこれまで取り組みや努力をしてきたかまで回答できれば100点です。
前職(現職)を辞めようと思った理由を教えてください(退職理由)
こちらも必ず聞かれる質問のひとつです。質問の意図としては、入職した際、同じような理由で辞めてしまうことがないかの確認です。これは正直に回答して問題ないケースとNGなケースに分かれます。
とくに問題ないケースは、旦那さんの転勤、結婚や妊娠等、外的要因によって、やむを得ず退職した場合です。こちらはマイナスに働くことはありませんので、正直に回答してください。
一方、人間関係の悩み、給与や待遇面の不満、体調不良など、ネガティブな退職理由については、たとえ事実であったとしても、採用担当者の心証を悪くするだけでなく、同じ理由でまた退職してしまうかもしれないという懸念材料にもなります。事前に質問されることがわかっているので、志望動機に絡めて、前向きでポジティブな理由を用意しておきましょう。
これまでに携わってきた業務について教えてください。
これはこれまでの業務経験の確認。履歴書に書かれている職歴について、実際に携わってきた業務内容の説明を求められています。つまり職務経歴書の内容を説明するイメージです。
時系列に沿って、在籍期間、経験した診療科、業務詳細を簡潔に説明しましょう。その際、自分自身が率先して行なった取り組み、マネジメントや後輩の指導等にも触れ、併せてその取り組みによって得られた成果、業務を通じて学んだことなども分かりやすく伝えられると、良いアピールになります。また過去の失敗や業務上の課題に対して、どのように取り組んできたのかを説明するのも効果的です。
質問への回答を通じて自分自身をアピールできるチャンスなので、ただ淡々と業務内容だけを説明するのはもったいないです。
面接でのNGポイントをチェック!
ここまでは、「面接ではこうすべき」というおすすめポイントをご紹介してきましたが、「面接でやってはいけないこと」もいくつかあります。ここでは、看護師の面接ですべきではないNGポイントについてご紹介します。
1.待機中にスマホを触ったり、だらしなく座ったりするなど
面接室に入る前に待ち時間があっても、スマホをいじってダラダラするなどの行動はNGです。足を組んで猫背で座っていたり、大きくため息をついたりしていても見られているかもしれません。
2.面接時の質問の回答がイエスとノーだけ
面接中、質疑応答が数多くありますが「はい」「いいえ」だけで回答しようとするのはNGです。回答に加えてご自身の考えをしっかり述べられるよう、事前に「これを聞かれたらこう答える」と準備しておくようにしましょう。
3.面接終了後の態度も見られています
面接が終わってすぐに「面接終わった!」などとその場でSNSに書き込むなどの行動ももちろんNG。守秘義務なども大きく関わってくる看護の世界で、プライベートを不用意に公開する人はあまり採用したいと思われません。また、関係者の目の届くところで飲食をしたり、整えた身だしなみをさっそく着崩して帰ったりするなどの行動も避けましょう。
4.基本中の基本は「時間厳守」
当然のことですが、時間はしっかり守って面接会場に出向きましょう。やむを得ない理由(電車の遅延など)で遅れる場合は、事情をきちんと電話連絡にて説明してください。たとえやむを得ない事情があっても、遅れるとわかっていてすぐ連絡ができない人は印象を下げてしまいます。
面接でのNGポイントをチェック!
備えあれば憂いなし。上記の5つは、必ずされるといってもいいくらいスタンダードな質問なので、この5つの質問に対する回答をしっかり用意しておくだけで、多くの部分をカバーできるはずです。
また心理的にも、しっかり準備をしているという安心感があるため、緊張や不安を軽減する効果もあり、落ち着いて面接に臨むことができます。
質問の意図を理解し、適切な回答ができるように事前準備をして面接に臨めば、結果は後からついてくるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。