消化器科の仕事内容
消化器疾患の患者の年齢層は、20~80歳代後半と幅広く、おもに胃潰瘍や胆石症、胃腸炎、肝臓病といったさまざまな消化器系の疾患を扱います。
消化器科の看護婦の役割は、内科・外科によっても変わってきます。内科の場合は、医師の診療補助がメインとなるため、疾患や症状についての理解が求められます。また検査に重点を置く現場では、検査に特化した知識も不可欠となります。そういった意味では、他科と比べて、患者さんの状態変化に臨機応変に対処するための幅広い知識や経験が必要と言えます。一方外科の場合も、当然内科同様、疾患や症状の知識は必要となりますが、どちらかというと処置の割合が多く、患者さんのお世話をするケースが多くなります。
いずれにせよ患者さんの状態をしっかり把握し、患者さんが快適に過ごせるようサポートすることは、内科・外科にかかわらず、消化器科の看護師にとって重要な要素となります。とくに消化器系疾患の患者さんは、日常生活に深く関わることが多いため、治療が困難な患者さんなどについては、身体的ケアはもちろん、精神的苦痛や不安に対する心の支えとなれるようケアすることが大切です。
消化器科で働く看護師の声
看護学校を卒業後、1年間のオペ室勤務を経て、今の消化器科へ異動となりました。最初は様々な患者さんへの対応、それに伴って求められる看護の幅の広さに戸惑うことが多かったのをよく覚えています。たとえば食事すら摂取できない患者さんの場合、血圧を測る際にかける圧だけでも相当な痛みを伴うので、苦痛を与えてしまう検査に抵抗を感じてしまう場面もありました。
何より大切だと感じたのは、患者さんのご家族との関わり方です。ある重篤な疾患をもち長期にわたって治療をしている患者さんを担当したときのことです。ふとしたきっかけでご家族の方のお話を聞く機会があったのですが、堰を切ったように、これまで溜めこんでいた思いを話してくださいました。そして別れ際に「ありがとうございました。とても気持ちが楽になりました」と、深々と頭を下げられたとき、ご家族とのコミュニケーション、ご家族に対するケアの大切さを肌で実感したのです。こうした経験の一つひとつが、私の看護師としての成長の糧となっている気がします。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。