リンデロン-VG軟膏
【適応】
細菌感染を伴うか、そのおそれのある湿疹や皮膚炎。
主薬のステロイドにより、短期間で炎症をしずめます。
【薬効薬理】
炎症をとるステロイドの“ベタメタゾン”と、細菌をおさえる抗生物質の“ゲンタマイシン”が配合されています。
ステロイドは強力な抗炎症作用がありますが、免疫力を落とし細菌に感染しやすい状態を作ります。抗生物質のゲンタマイシンは、そのような状態における細菌感染を防ぐ働きをします。
【注意する人】
・ウイルスや真菌(カビ)などによる皮膚感染症には原則用いません。
特に、単純疱疹(口唇・顔面ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、性器ヘルペス)、水痘(水ぼうそう)、帯状疱疹などは禁忌です。
また、重いやけどや皮膚潰瘍、切り傷には不向きです。
これらにステロイドを用いると、かえって症状が悪化したり、治りが遅くなるおそれがあります。
・高齢の人は皮膚代謝が遅く薬剤の残留時間が長いので、薬が効きやすく副作用もでやすいです。
オイラックス
【適応】
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)、皮膚そう痒症、小児ストロフルス、虫さされ、乾癬
【薬効薬理】
腫れや赤みをとるステロイドの“ヒドロコルチゾン”と、かゆみをおさえる“クロタミトン”が配合されています。ステロイド外用薬としては弱い方です。
【注意する人】
細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症への使用は、感染症を悪化させることがあります。
ゲンタシン軟膏
【適応】
細菌が原因の化膿性皮膚病。にきびにも効果があります。
黄色ブドウ球菌などグラム陽性菌、緑膿菌などのグラム陰性菌に抗菌力があります。
【薬効薬理】
主成分は、アミノグリコシド系の抗生物質です。細菌のタンパク合成を阻害し、殺菌作用があります。
プロスタンディン軟膏
【適応】
褥瘡などの皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍、術後潰瘍)
【薬効薬理】
患部の血流を改善し血管の新生を促進する作用があり、壊死した皮膚を覆う新しい肉芽や表皮ができるのを助けます。これらの作用により、皮膚の再生が早くなり、傷の治りが良くなります。
【注意する人】
重症心不全の方には、心不全を増強させる恐れがあります。
出血(頭蓋内出血、出血性眼疾患、消化管出血、喀血等)している方には、出血を助長する恐れがあります。
アクトシン軟膏
【適応】
褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)
【薬効薬理】
主成分であるブクラデシンナトリウムは、血管新生促進作用があり、新しい肉芽や表皮ができるのを助けます。
アズノール軟膏
【適応】
湿疹、熱傷・その他の疾患によるびらん及び潰瘍
【薬効薬理】
植物に由来する非ステロイド性の軟膏です。患部を保護し、抗炎症作用、抗アレルギー作用があります。これらの作用により、皮膚の再生を助け、傷の治りをよくします。
非ステロイド性のため、消炎作用は穏やかで比較的軽い症状に適します。
亜鉛華軟膏(サトウザルベ)
【適応】
下記の皮膚疾患の収れん・消炎・保護・緩和な防腐
外傷、熱傷、凍傷、湿疹・皮膚炎、肛門そう痒症、白癬
その他の皮膚疾患によるびらん・潰瘍・湿潤面
【薬効薬理】
酸化亜鉛が消炎、保護、緩和な防腐並びに浸出液吸収性を持ち、更に皮膚軟化性及び皮膚密着性があります。これらの作用により、痂皮を軟化し、肉芽形成・表皮形成を促進させて皮膚疾患を速やかに改善させます。
ヒルロイド
【適応】
皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症
凍瘡
肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防
血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)
血栓性静脈炎(痔核を含む)
外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎
筋性斜頸(乳児期)
【薬効薬理】
ヒルロイドは、皮膚の乾燥を防ぐ保湿効果が高いお薬として記憶されている方も多いと思いますが、血液が固まるのを防ぐ作用や、血行を良くして鬱血を改善し傷の治りをよくする作用があるので、打ち身や捻挫、血栓性静脈炎、痔核などの治療にも用います。
もちろん、皮膚のかさつき、しもやけ、角皮症などに有効です。アトピー性皮膚炎のスキンケアに用いることもあります。
【注意する人】
(1)出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)のある方には、血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがあります。
(2)僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される方には、血液凝固抑制作用を有し、出血を助長する恐れがあります。
ワセリン
アレルギー反応を起こしにくいのが特徴で、
軟膏基剤として、他の薬剤を混和するのに用います。
炭化水素類なので、化学反応を起こしにくく安定した基剤となります。
また、スキンケアに皮膚保護剤として用います。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
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