【派遣看護師とは?】正看護師との違い、メリット・デメリットを徹底解説
派遣看護師とは、派遣会社を通じて医療機関等に派遣される看護師のこと。
正職員の看護師とは異なる雇用形態で、さまざまな職場で柔軟な働き方を実現できる点が特徴です。
この記事では、派遣看護師の働き方や仕事内容、正看護師との違い、派遣看護師として働くうえでのメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
派遣看護師とは
派遣看護師とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣会社を通じて病院やクリニック、介護施設などさまざまな医療機関に派遣される看護師のことを指します。
派遣看護師と正職員の看護師では、雇用形態に違いがあります。
派遣看護師の雇用形態
正職員の看護師の場合、看護師は直接医療機関等と雇用契約を結び、その職場に就業します。しかし、派遣看護師は、派遣会社と雇用契約を結びます。
そして、派遣会社が紹介した派遣先で就業し、給料は派遣会社から支払われます。
派遣会社は、看護師と医療機関を仲介し、労働条件や勤務期間の調整をサポートします。
これにより、看護師は自身の希望に合った派遣先を見つけやすくなり、派遣会社からのサポートを受けながら安心して働くことができるのです。
「派遣が不安定」なのはなぜ?
派遣の働き方に興味はあるけれど、「契約更新がされなかったり、派遣切りされたりして雇用が不安定なのでは……」と、不安に感じている人も少なくないのでは。
正職員の場合、契約の更新や期間満了による終了がない「無期雇用」がほとんど。しかし、派遣看護師として働く際には、一般的に「契約期間」があります。
派遣先の医療機関等にもよりますが、契約期間はだいたい1~6か月程度。また、特定のプロジェクトや季節的な需要に合わせて、より短期間の契約となることもあります。
この契約期間があることが、「派遣は雇用の安定性がない」といわれるゆえんなのです。
契約期間、更新の仕組み
派遣看護師として働く際、契約期間は定められているものの、契約を更新して働き続けることも可能です(※同じ職場で3年まで)。更新を前提としている求人は多くあります。
更新の際は、派遣先と看護師自身、そして派遣会社の合意が必要です。
更新のタイミングで労働条件や勤務内容の再確認が行なわれ、必要に応じて契約内容(勤務内容や時給)が見直されることもあります。
継続的な勤務を希望する場合は、早めに派遣会社に「更新希望」の旨を伝え、今後のキャリアについて相談するようにしましょう。
契約期間に関連する注意点やポイント
契約期間や更新の有無については、求人情報であらかじめわかります。更新が前提としてあるのか、就業前に派遣会社に確認しましょう。
また、契約期間については、自身のキャリアプランやライフスタイルに合った無理のない期間の仕事を選ぶことが大切です。
なお、更新せずに契約期間を終了する時は、契約期間終了前に派遣会社から次の派遣先の提案が行なわれます。契約期間中に派遣先の環境に適応できない場合や、業務内容に不満がある場合は、次の派遣先を早く決めるためにも、前もって派遣会社に相談して対策するといいでしょう。
契約期限があることは、看護師にとっては割り切って仕事をすることができ、プライベートを優先させた自由な働き方ができるともいえます。しかし、雇用の継続性に対する不安は避けられません。
無期雇用を好む場合は、次で紹介する「常用型派遣(無期雇用)」や、派遣を経て正職員登用が前提の「紹介予定派遣」という働き方もあるので、チェックしてみましょう。
派遣看護師の働き方
派遣看護師の働き方は、一般的な勤務形態である「登録型派遣」のほかに、「常用型派遣」「紹介予定派遣」があります。
ここでは、それぞれの特徴や、どんな人が向いているかについて、詳しく解説します。
登録型派遣/メリット・デメリット・向いている人
「登録型派遣」とは、派遣看護師が派遣会社に事前に登録し、医療機関等の職場に派遣される仕組みのこと。
時給であることが多く、就業した時間に対して給料が発生します。派遣看護師に給料を支払うのは派遣会社です。
登録型派遣には以下のようなメリットとデメリットがあります。
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メリット
- ①派遣看護師が希望する勤務条件や勤務地を登録できる。希望するシフトや仕事内容を選択できるため、ライフスタイルに合わせた働き方が可能。
②派遣会社が派遣先との調整を行なうため、看護師自身が派遣先を探したり応募書類を用意したりする手間が省ける。
③さまざまな医療機関で働くことで、豊富な経験とスキルを身につけることができる。
④派遣会社によるサポートが充実しており、契約やトラブル時に安心できる。
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デメリット
- ①契約期間が有期のため、継続的な雇用が保証されない雇用の不安定さがある。
②正職員の看護師と比べて昇給やボーナスがない場合が多い。
③教育や研修の機会がないことが多い。
④派遣先が頻繁に変わるため、毎回新しい環境に適応する必要がある。
登録型派遣は働き方の柔軟性が高く、プライベートと両立できたり、多様な経験を積めたりする点で多くの看護師に支持されています。一方で、雇用の安定性や待遇面でのデメリットがあるため、課題が残ります。
自身のライフスタイルやキャリアプランに合わせて、メリットとデメリットを十分に考慮したうえで選択することが重要です。
例えば、「夜勤をしたくない」「プライベートの時間を確保したい」という希望がある人は、登録型派遣のメリットのほうがデメリットよりも重要に感じられるのではないでしょうか。
そのほか、登録型派遣のメリット・デメリットはこちらの記事も参考に。
常用型派遣/メリット・デメリット・向いている人
「常用型派遣」は、派遣元企業の正社員として雇用され、その派遣会社から医療機関等の職場に派遣される雇用形態です。
常用型派遣は基本的には無期雇用ですが、契約内容によっては有期雇用の場合もあります。
常用型派遣には以下のようなメリットとデメリットがあります。
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メリット
- ①登録型派遣よりも雇用が安定する傾向にある(派遣先が変わった場合、ブランクの期間も給料が出る)。
②派遣会社が派遣先との調整を行なうため、看護師自身が派遣先を探したり応募書類を用意したりする手間が省ける。
③正職員と同等の待遇で働ける(各種福利厚生やボーナス、退職金制度などがある)。
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デメリット
- ①基本的に指示された派遣先に行くことになる。
②派遣元企業の正社員ではあるものの、派遣先の正職員の看護師よりも責任がある仕事を任されにくく、キャリアアップしにくい。
③基本的には派遣先で働くため、自社への帰属意識があまり持てない。
「常用型派遣」は、派遣ではあるけれど、安定雇用を求める人に向いている働き方です。
しかし、登録型派遣のように「今年は子育てが忙しいから週3日だけ働きたい」といったプライベートを優先した希望を通すのは難しくなるでしょう。
紹介予定派遣/メリット・デメリット・向いている人
「紹介予定派遣」とは、派遣期間後に正職員として直接採用されることを前提とした雇用形態です。
医療機関等の派遣先と看護師双方が合意すれば、あらかじめ定められていた派遣期間終了後、派遣先に正職員として雇用されます。
紹介予定派遣には以下のようなメリットとデメリットがあります。
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メリット
- ①正職員として応募して試用期間があるのではなく、派遣として就業するため、応募過程がスムーズ。
②派遣期間中に、実際の業務内容や職場の雰囲気を確認できる。
③派遣会社からのアドバイスやフォローといったサポートがある。
④合わなかった場合、派遣期間のみで終了しやすい。
④未経験でも挑戦できるケースがある。
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デメリット
- ①派遣期間後に正社員として採用される保証がない。
②派遣期間と直接雇用後で、契約条件が変わる可能性がある。
「紹介予定派遣」は、自分に合う職場が見つかれば正職員として長く働きたいと考える看護師に向いている働き方といえるでしょう。
なお、紹介予定派遣は案件数に限りがあります。希望とする職になかなか出合えないことも考えられるので、早めに派遣会社に登録をして、良さそうな求人が出たタイミングですぐにエントリーできるよう、準備しておくことをおすすめします。
派遣看護師の仕事内容
続いて、派遣看護師の仕事内容について解説します。
派遣看護師の職場は、主に病院やクリニック、介護施設、保育園、健診センターなどがあります。
各勤務先での具体的な仕事内容について詳しく説明します。
病院やクリニック
病院やクリニックでの派遣看護師の業務は多岐にわたります。主な業務内容は患者さんへの看護で、バイタルサインの測定や投薬管理など、専門的な知識と技術が求められます。
さらに、患者さんやそのご家族とのコミュニケーションを図りながら、適切なサポートを提供するための高いコミュニケーション能力や迅速な判断力も求められます。
これらの業務を円滑に遂行するためには、最新の医療知識や継続的なスキルアップが不可欠です。
✔磨けるスキル
大規模病院:幅広い専門科目があり、さまざまな分野での経験を積むことができます。
クリニック:小規模な医療機関で、患者とのコミュニケーションが密になるため、対人スキルの向上に役立ちます。
※勤務エリア、条件などを変えて探してみましょう。登録完了後マイページにて非公開求人が見られます。
介護施設
介護施設での派遣看護師の主な業務内容は、高齢者の体調の観察や薬の管理、衛生管理、リハビリのサポートなどです。
これらの社会福祉特有の業務には、高齢者だけではなくその家族など、異なる世代とのコミュニケーション能力や柔軟な対応力が必要です。
✔磨けるスキル
介護施設:高齢者のケアを専門とする施設で、介護と看護の両面から経験を積むことができます。
※勤務エリア、条件などを変えて探してみましょう。登録完了後マイページにて非公開求人が見られます。
保育園
保育園での派遣看護師の主な業務内容は、子どもの健康チェックや体調不良時の対応、応急処置、衛生管理などです。
小児医療の知識や経験、感染症対策の知識、アレルギーの知識といった、子どもの健康管理に対する知識やスキルが必要です。また、子どもや保護者とのコミュニケーション能力、子どもたちの小さな変化をキャッチする観察力も求められます。
子どもと一緒に遊んだり、子どもと関わることが好きな人が向いているでしょう。子どもたちの成長をサポートすることで、やりがいを感じられるはず。
✔磨けるスキル
保育園:観察力、コミュニケーション能力を高め、自ら判断して行動する経験を積むことができます。
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健診センター
健診センター(検診センター)で派遣看護師が担当する業務は、準備、問診サポート、測定、検査の補助、検診結果の確認などがあります。
実際の検査では、血液検査や尿検査、視力検査などの各種検査の補助を行なうため、さまざまな検査機器の操作に習熟していることが求められます。
また、検査結果の確認も重要な業務の一つです。患者に対して検査結果をわかりやすく説明し、必要に応じて生活習慣の改善提案などを行ないます。そのため、健康診断の目的や意義を理解していることも重要です。
✔磨けるスキル
健診センター:細やかな注意力や迅速な対応力、正確なコミュニケーションスキルの向上に役立ちます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
派遣ナースとしての働き方について解説しました。看護師が派遣で働くと、シフトや職種の柔軟性を持ちながらも多様な経験を積むことができる点が大きな魅力です。一方で、雇用の安定性や待遇面においては正職員よりも劣るため、デメリットがあることも事実。
派遣看護師として働くことが合うか合わないかは、それぞれのライフステージや価値観によって異なります。また、求人案件によって職場環境や契約内容が変わるので、自分に合う派遣のお仕事を探すことが大切です。
派遣の求人はスピーディーに日々入れ替わるので、派遣看護師として働くことに関心があるなら、気になった段階で派遣会社に登録をし、お仕事をチェックしはじめましょう。
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。
