看護学生が患者さんに対してやりがちな失敗とNG行為を解説!
看護実習生は看護師の卵のようなもの。
成長中の学生ですが、看護実習の場はとても厳しく「看護学生だから」という言い訳ではすまないNG行為がいくつかあります。
そこで、看護学生が看護実習でやってはいけないこと8選を、【学生やりがち】【行動】【マナー】【患者さん】の4つのカテゴリーに分けてまとめました。
【学生やりがち】【行動】【マナー】編に続いて、最後となるこの記事【患者さん】編では、大問題に発展しかねないNG行為もあり、重要度はとても高いです。
先輩看護師が看護学生だった時の体験談や、失敗しないための対策も具体的に紹介しているので、看護実習を無事に乗り切るためにぜひ参考にしてください。
NG⑦ 患者さんにため語
看護実習でやってはいけないことの7つ目は、患者さんになれなれしい言葉やため口で話しかけることです。
看護学生は、患者さんから学ばせていただいている立場です。
親しさを表現したつもり、相手に合わせたつもりであっても、カジュアルすぎる言葉遣いはNGです。
また、「あー」「ふーん」「へー」というあいまいな返答もNG。「はい」「わかりました」といったようにハッキリとした言葉で話しましょう。
失敗談「周りもやっているし、ため口→師長から大目玉」
- Sさん 30代前半 大学病院 循環器内科病棟勤務
- 実習先の病院では、一部の看護師さんが患者さんへため口で話している光景をよく見かけていました。だから、なんとなくため口OKなのかな……なんて思っていました。
徐々に看護実習に慣れてきたこともあり、毎回ではないのですが、無意識のうちに患者さんにため口で話してしまうことも増えてきていました。
そんなタイミングで、突然、実習先の病棟の師長さんからかなり厳しく注意されてしまいました……。
今考えると実習させていただいている学生なのに、ため口で話すなんてありえないと理解できるのですが。当時は、看護師さんもため口だからいいよね〜と軽く考えてしまっていました。世間知らずというか、甘かったなと思います。今思い出しても恥ずかしい黒歴史です。
対策
患者さんに対して失礼な言動をしたりため語で話しかけたりしないように、持っておくべき意識や対策を紹介します。
✔ 人に見られている意識を持つ
実習先では、看護実習生はいろいろな人に見られています。実習指導者や患者さんだけではなく、患者さんの家族、医師、そのほかの医療職者、スタッフなど。実習中は常に誰かに見られている意識で臨みましょう。そうすれば自然と言葉遣いに気をつけるはずです。
✔ 丁寧な言葉を使う
ため口や若者言葉、略語で話さないようにしましょう。相手がどんな年代か性別かなどは関係なく、接するすべての人に敬意を持つ謙虚な姿勢でいるといいでしょう。
✔ 患者さんは聞こえている
看護学生は、認知症の方や、脳外科などで意識レベルが低い患者さんに対してはつい「聞こえていない」と思って接してしまうことがあります。しかし、患者さんが自ら言葉を発せられない場合でもちゃんと聞こえていることが多いと考えられています。
患者さんからの反応がなくても聞こえていると思って、医療従事者として恥ずかしくない発言をしましょう。
成功談「言葉遣いを丁寧にしていたら、態度がいいと褒められた」
- Aさん 40代 耳鼻科クリニック勤務
- 秘書としての社会人経験がある、同じグループのTさんは言葉遣いが本当に丁寧でした。
なので、私はひそかにTさんの言葉遣いをお手本にしていました。同じグループのメンバーもTさんに影響を受けていました。
おかげで、私たちまで実習先で「実習態度がいい」と褒められていました!
NG⑧ 患者さんの話を病院の外でする
看護実習でやってはいけないことの8つ目は、患者さんの話を病院の外でしてしまうこと。
看護実習の帰り道、看護学生仲間と雑談したくなるかもしれません。しかし、道路や交通機関の中、カフェなどで患者さんの話をするのはNGです。
診療上知り得た情報は、患者さんの同意がない場合口外してはいけません。これは、医療従事者の義務です。
看護学生仲間で情報共有をしているつもりで、病院の外で実習先の患者さんのプライバシーに関わることを話してしまっては大問題です。
病院が責任をとることになったり、看護実習を受けられなくなったり、法的に裁かれことになったりと、深刻な事態に発展するおそれもあります。
会話だけではなく、資料やメモについても同様に注意が必要です。
院外ではうかつにバッグから取り出したり、広げたりしないようにしましょう。紛失したり他人に見られたりしないよう、取り扱いには十分に気をつけましょう。
失敗談「院外で仲間と実習ネタで盛り上がり、通報された」
- Tさん 30代後半 美容クリニック勤務
- 実習の後に、同じグループの数人で夜ご飯を食べに行くことになりました。そこでは、実習のグチや患者さん、実習先の看護師さんのこと、イメケン研修医の話などなど……。頭では「話してはいけない」と理解していたつもりでしたが、ついつい実習ネタで盛り上がってしまいました。
そんなことも忘れていた数日後、学校で先生から注意喚起が‼
どうやら食事をしたレストランに、実習先の病院の看護師がいたらしいのです。看護学校に連絡が入り、看護実習生が外で患者さんの話をしていたとお叱りの連絡があったそう。
思えば、患者さんの個人名などは話してはいなかったのですが、知っている人が聞けばわかってしまう内容もあったと思います。
注意喚起ですんだものの、「分かっていたつもりでは通用しない」「学生気分でいると大変なことになる」と痛感した出来事でした。
対策
うっかり患者さんの個人情報を漏洩させたり、プライバシーに関わることを口外してしまわないよう、注意すべきポイントや対策を紹介します。
✔ 資料やメモをなくさない
実習の記録のファイルやメモ帳も立派な個人情報になります。うっかりと置き忘れてしまったり、ポケットから落としたり、なくしたりすることがないように気をつけましょう。どれだけ疲れていても、自分の持ち物はきちんと管理しましょう。
✔ SNSに注意
病院でのことや実習のことをSNSにアップしないようにしましょう。「自分的にはOK」だと思っても実はNGということも!最悪、実習を受けられなくなることも考えられます。
SNSは、慎重すぎるぐらいで十分。「見る専門にして、発信しない」と決めるのも賢い選択です。
✔ お酒に気をつける
夜の食事会や飲み会は要注意。お酒は判断力が低下します。アルコールは控えるか、飲む量をぐっと抑えましょう。
✔ 自分自身が制御する存在になる
患者さんの話を外でしてはダメだということは、看護実習生なら知っているはず。しかし、盛り上がるとついつい……ということが起きてしまいます。
そこで、自分から話さないのはもちろんのこと、誰かが話そうものならSTOPをかける存在になるぐらいの強い気持ちでいましょう。
成功談「実習停止のリスクを避けるべく、SNSは見る専に」
- Sさん 30代前半 大学病院 循環器内科病棟勤務
- 実習前の授業で、以前SNSで実習中の出来事をつぶやいて実習停止の処分をされた学生がいたと聞きました。
絶対に卒業して看護師になりたかったので、実習中はSNSは見る専に徹して、自分から発信しないようにしました。
少しやりすぎかなとは思いましたが、SNSからも距離をおいたことで実習や国家試験の勉強に集中できて結果オーライでした!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
看護実習でやってはいけないNG行為を8つを紹介しました。
NG1つ目は、小さい声、目を合わせない、萎縮すること。
NG2つ目は、学生同士で盛り上がること。
NG3つ目は、一人で判断して行動すること。
NG4つ目は、居眠りやあくびをすること。
NG5つ目は、だらしない態度をとること。
NG6つ目は、メイク、ネイル、ヘア、香り、アクセサリーのこと。
NG7つ目は、患者さんにため語で話すこと。
NG8つ目は、患者さんの話を病院の外ですること。
看護実習は「学ばせていただいている身」。その立場をわきまえない行動、医療従事者としてふさわしくない行動はNGです。
看護実習でやってはいけないことをすれば地雷を踏んで大目玉をくらったり、指導担当者の信頼を失ったり、評価が下がったりしてしまいます。最悪の場合は、実習を続けられなくなってしまいます。
この記事で紹介した体験談や対策は、看護実習に挑む看護学生の皆さんだけではなく、すでに看護師になった人にとってもためになる内容ばかり。ぜひこの記事を参考に、より良い自分自身が望む看護師のキャリアを築いてくださいね。
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
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