採血上手になりたい!採血の基本となる要点を解説
針刺し業務に苦手意識を持っている看護師は少なくありません。一方で、採血が得意な看護師も数多くいます。
この違いは何なのでしょう。採血上手になるコツがあれば知りたいと思いませんか。
けれど、採血上手な看護師といえば、“豊富な経験に裏付けられた巧みな手技”、“高い観察力がある”といったイメージがあり、昨日今日で真似できるようなものではないと考えるのでは。
そこで、採血が得意な看護師に話を聞いたところ共通している特徴がありました。それは、皆さんが基本をしっかり押さえていること。
この記事では、採血が得意な看護師から聞いた「これは欠かせない」採血の基本をピックアップして紹介します。あわせて、「これをやっては失敗する!」NG行為についても解説します。
いまいち採血に自信がない人、復習したい人はぜひチェックしてみてください。
準備段階〜刺入まで
業務は何事も、準備や整理整頓がきちんとできていることがとっても大事。
落ち着いて針刺し業務ができるよう、必要なものを揃えておくなど準備を周到に行なっておきましょう。
採血部位の選定も、慌てず焦らず、落ち着いて確認していきます。
1◆物品の準備
針、アルコール綿などを準備します。
ここでポイントなのは、採血中にスムーズに動けるように自分の手が届く範囲に配置することです。
2◆適切な採血部位の選定
続いて、適切な採血部位(血管)の選定です。
駆血帯は穿刺部位の5〜10cm上に装着します。親指を中に入れて軽く握ってもらいましょう。
もし血管が見えづらい場合は、温かいタオルで血管を温めると効果的です。
採血部位(血管)の選定はかなり重要です。一見、血管が浮き出ているように見えても必ず指で触れて血管の太さ、弾力、走行を確認することが大事!
自信がない場合は、両腕の血管を確認して実際に触れて採血部位を選定していきましょう。
血管の選定は、時間がかかったとしても焦らずに落ち着いて丁寧に確認することが成功のポイントです。
3◆患者とのコミュニケーション
採血の目的と手順を説明し、リラックスしてもらうよう心がけましょう。
患者さんにリラックスしてもらうことで、迷走神経反射による意識消失や気分不良を防ぐことにつながります。
アルコールアレルギーがないかといった確認も忘れずに。過去に採血時に倒れたことがある患者さんは、仰臥位で採血を実施しましょう。
採血中のコツ
いよいよ採血です。
針刺し業務は失敗や事故のリスクがあり、苦手な人が多いところです。
「失敗したらどうしよう」とドキドキするかもしれませんが、不安になって慌てるのは厳禁です。採血中に何かをしようとして針を動かしてしまうなど、初歩的なミスにつながります。
基本をしっかり守り、丁寧に進めていきましょう。
4◆針の刺入角度
血管に対して、針は15~20度の角度で刺入しましょう。
浅すぎると血管に届かず、深すぎると貫通してしまう可能性があります。
5◆しっかり固定
逆血が確認できたら、しっかり固定して針が動かないように注意しましょう。
針が動いてしまうことで血管を貫通し十分な血液量を採取できないことがあります。
6◆駆血時間は2分以内、採血は1分で
駆血時間が2分以上たつと、血液成分に変化が起こり正確な値が得られなくなるといわれています。
そのため駆血時間はトータルで2分以下となるように、採血は1分以内を目安に終わらせましょう。
採血のNG
続いて、やりがちな採血時のNG行為についても解説します。
先輩とやり方が違う……と思ったことはありますか?習う時期によって少し違うということがあるのです。
2024年現在、採血上手な看護師から教えてもらった、採血時にやってしまいがちなNG行為は2つ。
NG①血管が見えない人に、手をグーパーしてもらう
手をグーパーしてもらうことを「クレンチング」といいます。
クレンチングをすることで、筋が収縮しカリウムが漏出しカリウムが高値になるといわれています。そのため、採血時これをしてもらうのはNG。
血管が見えづらい時は、温かいタオルなどで血管を温めてみましょう。
NG②血管を叩く
採血時にトントン!と血管を叩く行為は、昔は当たり前のように行なわれていました。
けれど、実は叩くことで血管が怒張するという明確なエビデンスはないのだそう。
むしろ、痛みや刺激によって患者さんの緊張をより強めてしまう可能性もあるのでNGです。癖になっている人は注意しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
採血業務で押さえておきたい基本の6つを紹介しました。
- 物品の準備
- 適切な採血部位の選定
- 患者とのコミュニケーション
- 針の刺入角度
- 針をしっかり固定すること
- 駆血時間は2分以内、採血は1分で行なうこと
また、採血でやりがちなNG行為もピックアップして解説しました。
- NG①血管が見えない人に、手をグーパーしてもらう
- NG②血管を叩く
採血上手な看護師な皆さんに共通しているのは、基本をしっかり行なうということでした。
採血が苦手な看護師の皆さんは、まずは基本のどこかが抜けたり甘くなったりしていないかチェックしてみると良いでしょう。
また、長年の経験があるのに失敗や患者さんの様子などから、「もしかして、私は採血が下手かもしれない」と思っている人もいるかもしれません。
この記事で紹介したものや、そのほか針刺し業務の基本をしっかり復習してみましょう。そして、採血の数をこなす工夫などスキルアップする方法も紹介しているので、こちらの記事もぜひチェックしてみてくださいね。
コチラの記事も参考に!
https://www.supernurse.co.jp/useful//16988
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スーパーナース編集部
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