看護師が患者さんのご家族から聞いた、不思議な話
日々、生と死を身近で感じることが多い看護師は、不思議な心霊体験をしたり、見聞きすることが多々あります……。
【看護師・怖い話】シリーズでは、現役の看護師が実際に体験したヒヤリとする話、身の毛がよだつ怖い出来事、心霊世界を垣間見る不思議な話を紹介します。
今回は、急性期病院整形外科病棟勤務のMさん(30代前半)が経験したお話です。
70代の男性患者Tさん
私が救命救急の病棟で働いていた時の話です。
夏の暑い日のことでした。
70代の男性患者Tさんが、脳血管系の疾患で救急搬送されてきました。
治療の甲斐があって1週間ほどは小康状態が続き「何とか一命を取り留めたなぁ」と、看護チームは一同ホッとした頃、それは起こりました。
私が日勤のシフトで、出勤してからまだそれほど経っていない朝早い時刻です。
Tさんのモニターからけたたましいアラームが!
ギョッとして、私はTさんの病室に向かいました。
家族
なんと、Tさんに致死性の不整脈が起きてしまったのです。
すぐさま心臓マッサージを開始して、除細動も施しました。けれど、正常な心拍は再開されず……。
Tさんのご家族は、遠方に住む息子さん1人だけ。
担当医師が、Tさんの息子さんに急いで電話をすると、
「週末ということもありお見舞いに行こうと、ちょうど新幹線に乗り病院に向かうところだった」とのこと。
しかし、Tさんの息子さんは、新幹線で2時間半の距離に住んでいます。
「何とか息子さんの到着までどうにかできないか」とスタッフ総動員で蘇生を試みました。
会いにきた人
息子さんがちょうど新幹線に乗るところだったとしても、このあと病院に到着するまで2時間はかかります。
間に合うのか……。
「病院に到着するまで治療を続けるか」「治療を中止するか」、医師から息子さんに現状を説明しました。
すると、息子さんから急に、
「先生、もう大丈夫です。心臓マッサージを中止してください」との申し出がありました。
医師が「いいんですか?」と尋ねると、息子さんは涙ぐみながら、こう言いました。
今、親父が僕の目の前に現れたんです。
「急がなくていいから。今までありがとう」って声を掛けてくれました。
Tさんの息子さんが新幹線に乗り、病院からの電話に出るために座席から新幹線の扉があるスペースに移動し電話で医師と話していたところ、
なんと、目の前にお父さんであるTさんが現れたのだそう。
そして、Tさんはそっと息子さんに微笑みかけて、「大丈夫だから、急がなくていいよ。今までありがとうな」と声を掛けたというのです。
その時にTさんの息子さんは、親父は、今逝ったんだなと理解したとのことでした。
不思議な出来事
その話を担当医師から聞いて、私たちは心臓マッサージなどの蘇生のための処置を中断しました。担当医師から、死亡確認が行われ私はTさんのエンゼルケアに入ることに。
亡くなられたTさんは、とても穏やかに少し微笑んでいるようにも見えました。
後から聞いた話ですが、
お母さんが小学校の頃に亡くなり、お父さんと二人三脚で生きてきて親子の繋がりがとても深かったそうです。
時々こんな風に、患者さんが亡くなる直前に家族や大切な人の目の前に現れてメッセージを残していくことがある、という話を聞きます。
私は本来鈍感で、幽霊やスピリチュアルな話は信じません。けれど科学で証明できない不思議なことは起きているんだな……と、妙に実感してしまった出来事でした。
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
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