新人看護師だけどもう辞めたい・・・先輩が新人だったときに実践した対処法や円満退職の実例を紹介!
新卒間もない看護師や、まだ働き始めて1、2年目であれば「もう看護師を辞めたい」と思っていてもどう解決したらいいのか分からなかったり、退職に踏み切れなかったり、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、かつて同じ悩みを持っていた先輩看護師が、新人だったときにどのように決断して乗り越えたのか、実例を紹介。前編の記事(「新人看護師だけど辞めたい」…先輩がかつて行った対処法8つ≪前編≫)に続いて、この後編でも、新人看護師が抱えやすい悩みと、その解決法の実例を紹介します。
◆Case5≫ 先輩看護師との相性が悪くて苦痛
職場に、ちょっと苦手な人がいたり、どうしてもうまくいかない人間関係があるというのはつきものです。むしろ、職場のみんなと馬が合うことのほうが珍しいと言えるでしょう。
けれど、新人看護師の場合、相性の悪い相手が先輩だとしたら、ストレスはかなりのもの。
先輩看護師Jさんが新人だった頃の体験談を紹介します。
【体験談】信頼できる先輩に何度も相談して、気持ちを切り替えた
- 先輩看護師Jさん
- 私が勤務している病棟では気難しい先輩がおり、その先輩とそりが合わず無視をされることも多く、悩んでいたことがありました。勤務が被るとその先輩の機嫌が良いのか悪いのか、顔色を伺うところから始まる、そんな日々でした。機嫌が悪いと無視、暴言などがあったので、それはとても苦痛な時間でした。
病棟に信頼できる先輩がいたのでどうしたらいいのか相談したところ、相手の機嫌に振り回されすぎないこと、お互い人間だから合う合わないもあるから割り切ること、とアドバイスを受けました。
物を隠されたり、陰湿な嫌がらせを受けたりしている場合はもちろん別の対応が必要になりますが、そうでない場合は相手にしない、気にしないことが一番だと思います。
それでも嫌な気持ちになることもたくさんありましたし、気持ちの切り替えに時間がかかることもあり、先輩に何度も相談しました。たくさんの人がいる中でみんなとうまくいくなんてとても困難です。
人間関係に関しては相談できる相手の見極めや、気持ちの切り替えに時間がかかるなど苦労がつきず、つらいですね。合わない相手とうまくいく方法を考えるより、こちらが気持ちの切り替えをした方が、とても悩んでいたころに比べると楽に勤務できるようになりましたよ。
◆Case6≫ 実力・能力がないから辞めたい
新人看護師だと、研修後の自身の能力と実務で求められる能力のギャップがあり、仕事についていけないと感じることはよくあることです。
さらに、実力がないと感じているのに多忙な業務に終われ、早く一人で完璧に出来るようにというプレッシャーを感じると、「もう私には無理……ついていない。辞めたい」と白旗を挙げたくなることも。
先輩看護師Eさんが新人だった頃の体験談を紹介します。
【体験談】「できると思っていない」に救われ、質問して乗り越えた
- 先輩看護師Eさん
- 実際に臨床に出てみてわかったのは、現場では臨機応変な対応を求められることも多く、実習のように1人の患者さんを受け持つわけでもないため、1日のスケジュール管理や優先順位をつけて業務にあたる必要があります。
さらに、ナースコール対応や移動介助なども行うため、常に何かに追われている状況だということです。それは新人だけでなく先輩方も同様で、早く1人立ちしなければならないというプレッシャーを感じていました。
そこで、私は同期に相談したり、先輩にはわからないことや新人時代の乗り越え方などを聞いたりして、実践していきました。
先輩には「1年目はできると思っていないから、わからないことは自己学習したうえでわからないとちゃんと質問し、わからないことをそのままにしないように」と言われました。
1人でなんでもやれるようにならないといけないと思っていた私はすごく気持ちが軽くなりました。
同期や先輩など話しやすい人に相談し、1人で抱え込まないようにすることで乗り越えることができました。
◆Case7≫ 退職を認められない(うやむやにされる)
職場によって、退職がなかなか認めてもらえないケースは多々あるものの、とくに新人看護師だと、退職希望を申し出てもなかなかスムーズには認めてもらえないということがあります。
まだまだ一人前になっていない教育中であることが多く、何を言っているの、という呆れた空気にも気圧されて「辞めたい」という意志を抑えてしまいがち。
先輩看護師Cさんが新人だった頃の体験談を紹介します。
【体験談】転職理由は職場の不満は言わず、前向きなものに
- 先輩看護師Cさん
- 私は仕事がきつく、師長に退職希望を申し出たら「勤務変更や人員配置に配慮するからもう少し頑張ろう」と言われ、退職を認めてもらえませんでした。
けれど結局大きく変わることなく、勤務を続けていましたが、退職の意思は変わりありませんでした。
改善の提案を受けて引き止めに合う可能性が高くなると気づいたので、業務の不満などを言わず、次に他の職場でやりたいことを申し出て、やっと退職を認めてもらい、退職することができました。今は病院ではなく介護施設にて勤務しており、充実した日々を送っています。
円満退職するためにはこちらのページもご参考に!
引き止めにあった時の対策はこちらのページもご参考に!
◆Case8≫ 新卒看護職員を育成する体制が整っていない
新人の看護師の場合、教育や研修制度はとても大切なもの。
今後の看護師人生を左右してしまうほどなので、職場に計画的に新人を育成する体制が整っていない場合、現時点の業務を行なう上でも、将来的にも不安で「辞めたほうがいいかも」と思ってしまいますよね。
先輩看護師Hさんが新人だった頃の体験談を紹介します。
【体験談】教育体制が整っている病院に転職
- 先輩看護師Hさん
- 私が新卒で入職した病院は、教育体制が整っている病院ではありませんでした。
入職後すぐから研修もあまりなく、先輩方は日々の業務でとても忙しそう、そして質問してもまた後で、と言われていました。このままではいつかインシデントや事故を起こしてしまうかもしれない、と不安になり、指導体制を整えてほしい、質問ができる環境がほしいと師長や先輩方に相談しましたが、みんな先輩を見て育ったんだよというばかりで、特に対処もなく不安が募る日々でした。
そんな中、他の病院で勤務する友人と話す機会があり、勤務している病院との教育体制の差に愕然としました。もっと教育体制が整っている病院があると知り、私は転職を決意しました。
退職の意思を伝える際には新卒で退職することは転職活動に不利になるなどと言われ、引き止めに合いましたが、今は教育体制の整っている病院を転職エージェントを通じて紹介してもらい、転職サポートを受け、無事に転職ができました。
あの時転職を決意してよかったと思う日々を今は過ごせています。
スーパーナースは看護師に特化した人材紹介派遣会社。
転職相談や、キャリアのご相談をはじめ、自分ひとりで転職するとわからない社内の雰囲気や教育体制など、転職エージェントならではの情報をお伝えすることができます。
気になった方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
いかがでしたか?
前編・後編に分けて、今、新人で悩んでいる看護師が「辞めたい」と思う悩みと、先輩看護師がかつてとったその悩みへの解決策を紹介しました。
前編では、「看護師が向いていないと思い、辞めたい」「不規則な勤務形態がきつい」「同期から遅れを取り自信喪失」「辞めたいけど、親に対して申し訳ない」。
後編では、「先輩看護師との人間関係が上手くいかずツライ」「実力・能力がないから辞めたい」「退職を認められない」「新卒看護職員を育成する体制が整っていないので事故を起こしそうで不安」というケースを紹介しました。今のお悩みと近いものはありましたか?
今先輩である看護師も、かつては同じ悩みを持っていたんだなと思い、すこし安心したのではないでしょうか。ぜひ、悩みを解決させる参考にしてみてください。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。