コロナ関連の仕事が終了する看護師におすすめしたい、希望別の次の転職先・働き方
つい先日、政府は2023年5月8日から新型コロナウイルスを「2類」相当から「5類」に移行する方針を正式に決定したというニュースが飛び込んできました。
新型コロナウイルスの流行にともない2020年頃から新型コロナウイルス関連のお仕事として、ワクチン、療養ホテル、コールセンターなどのお仕事があり、そのお仕事についていた看護師の数は少なくありません。
現在の新型コロナウイルス関連のお仕事が終了してしまった後の働き方に悩んでいる人や、次の転職先について迷っている看護師さんも多いのではないでしょうか?
今回は、実際にコロナ関連のお仕事の現場で働く看護師さんにも話を聴き、看護師の希望する条件別の、アフターコロナにおすすめの職場についてまとめてみました。
新型コロナウイルスが「5類」に移行するとどうなる?
新型コロナウイルスの発生から3年余りが経ったこの2023年5月8日から、政府は、新型コロナウイルスの感染法上の分類を、「2類」相当から「5類」に引き下げると決めました。
「5類」は、季節性インフルエンザと同じレベル。
「2類」だった現在は、新型コロナウイルスに感染している疑いのある人は、発熱外来など一部の医療機関に受診が制限されていたり、自宅療養が必要だったり行動制限が設けられていました。
けれど、春からは幅広い医療機関を受診でき、7日間の自宅療養も必要なくなると言われています。
それにともない、看護師のお仕事状況にも変化が訪れることになります。
新型コロナウイルスで自宅療養している方へのお仕事、ワクチン関連のお仕事など新型コロナウイルス関連の看護師のお仕事は大幅に減少していくことになりそうです。
新型コロナウイルス関連のお仕事は当時人員不足。たくさんの看護師が身体を張って、頑張ってお仕事していました。
精神的にも肉体的にもハードな職場があったり、人員不足だったりで、新型コロナウイルス関連のお仕事は、平均的な派遣の時給よりも高時給がもらえていたりと高待遇だった側面もあります。
いままで、新型コロナウイルス関連のお仕事をしていた看護師は、次にどんなお仕事をしたらいいか?おすすめを紹介します。
おすすめの働き方・職場①看護師さんの希望「自由が欲しい、プライベートを優先させたい」
- Tさん 30代前半 自宅療養者向け健康観察コールセンター勤務
- 総合病院の病棟で働いていた時は、休み希望は先輩が優先で思うように休みが取れなかったのがイヤでした。現在は、派遣で働いているのでシフトは自分で自由に決められていて、今の働き方を気に入っています。
今のお仕事がなくなった後にまた正職員として就職すると、自由にシフトが組めなくなるのではと思い、その点が気がかりです。
現在は新型コロナウイルス関連のお仕事に就いている多くの看護師にヒヤリングをしたところ、Tさんのように「自由にお休みを取りたい!プライベートな予定も大切にしたい」という働き方の希望がある看護師が大多数。
大学病院、特に病棟勤務だと、夜勤もしなければいけないし年末年始やお正月など世間がお休みの時に働かなくてはいけませんよね。
「できれば、そういった職場よりも、自由度を優先させたい。自分でプライベートやお仕事のスケジュールを組みたい!」
そんな方にオススメなのが「単発派遣」「長期派遣」という働き方です。
「単発派遣のお仕事」という働き方
看護師の「単発」派遣のお仕事は、1日だけの単発のお仕事。
看護師にとって、「単発」派遣のお仕事は自分の都合や予定に合わせて、働きたい日に都度お仕事を入れて、その日だけ勤務することができる自由度が高い働き方です。
お仕事可能な日に、ご自身でお仕事を入れることができます。なので、「今月は旅行に行くので休みは多めに」「今月は出費が多いから、たくさんお仕事入れて稼ごう!」そんな働き方も可能なところが魅力。
随時たくさんのお仕事が募集されているので、派遣会社に登録しておくといいでしょう。
派遣会社を通じて探すとお仕事も見つけやすく、あらかじめお仕事したい日のスケジュールを埋めておくなどできるので安心です。
単発派遣には、有料老人ホームや、訪問入浴、デイサービス、クリニック、健診などのお仕事があります。ご自身の得意・興味がある・好きなお仕事から選ぶことができるのが嬉しいポイント。
プライベートを大切にしたい方におすすめの働き方です。
※登録完了後マイページにて非公開求人が見られます。
コチラの記事も参考もご参考に!
「長期派遣」という働き方
自由度は欲しいけれど、ある程度落ち着いて働きたい場合には、長期派遣という働き方がおすすめです。
長期派遣は、3ヵ月、半年などの一定の契約期間がある働き方。
派遣は、「土日は必ず休みたい」「夕方には仕事を終えたい」という希望条件に合う職場を選べることが利点。勤務時間、曜日など自分の都合に合わせた働き方が実現できます。
また、派遣の看護師は正職員の看護師に比べて、職場や人間関係とのしがらみが少ないです。精神的にもストレスから解放されやすいというメリットもありますよ。
そのほか、長期派遣で働くメリットはこちらの記事をチェック!
さらに、派遣の場合、どこの配属先でどんな仕事をするのかピンポイントで募集がかかることが多いのも見逃せないポイント。
ピンポイントで働いてみたかった有名大学病院の科や、自身が高めたいスキルに合う病院の配属先で、これからのキャリアや目的に沿った経験を積むことが可能です。
看護師派遣の求人案件は、病院から介護施設、クリニック、一般企業に至るまで常に多くの数が動いています。まずは登録して求人を検索してみましょう!
派遣で働くことで、プライベートも大切にしながらこれまでの経験を活かし、病院等でさらに経験を積んで専門スキルに磨きをかけることもできます。
アフターコロナにどう働いていくか思案している方は、長期派遣も一度検討してみては。
おすすめの働き方・職場②看護師さんの希望「体力的に負担の少ない職場」
- Sさん 20代後半 ワクチン接種会場勤務
- 以前はコロナ病棟に勤めていたのですが、残業も多く体力的にも負担が大きかったため病院を退職しました。現在は新型コロナウイルスのワクチンのお仕事なので、座ってできる作業も多いので体力的にかなり楽ですね。
この生活に慣れてしまったので、また病院に戻れる気がしません。体力的に負担ができるだけ少ない職場を探したいなと思っています。
病院で勤務していると、外来でも病棟でも絶えずマルチタスクで業務をこなす必要があります。1日の勤務が終わる頃には本当にヘトヘトですよね。
そんな方にオススメの働き方は、医療施設ではなく、一般企業で働く看護師という働き方です。
【一般企業】という働き方
ここ数年、特に企業での看護師さんの需要はどんどん高まってきています。
代表的なのが
- 治験関連(CRC/CRA)
- 製薬会社や医療機器メーカー(クリニカルエデュケーター)
のお仕事。
どちらのお仕事も、看護師さんが臨床を離れた後にセカンドキャリアとして転職することが多い職業です。
企業でのお仕事は、基本的にはデスクワークが中心となるので体力的な負担は少ないと考えられます。
ただし、担当業務やプロジェクトによっては移動や出張が多いものもあるので、あらかじめお仕事内容を確認しておくと安心です。
また、産業保健師(産業看護師)として、企業内の健康管理室や健康保険組合等で務めるという働き方もあります。
こちらの記事もご参考に!
病院や介護施設だけではない働き方というのも、選択肢の一つに入れてみることで可能性がかなり広がりますよね。
治験関連(CRC/CRA)、製薬会社や医療機器メーカー(クリニカルエデュケーター)、産業看護師等のお仕事は随時動きがあるので、人材紹介会社・人材派遣会社に登録しておくのがオススメです。
おすすめの働き方・職場③看護師さんの希望「コロナ関連業務の経験、看護師経験を活かしたい」
- Eさん 40代前半 発熱相談コールセンター勤務
- 発熱がある方の、受診先の医療機関をお探しするコールセンターで働いています。コールセンターという働き方が初めてで最初は「自分にできるかな?」と不安でしたが、すぐに慣れることができました。相談者様から、電話が終わる頃には「不安な気持ちが楽になったよ」なんて言っていただけることもあってやりがいを感じています。
今の仕事が終了してからも、今後も臨床での経験とコールセンターでの経験、どちらも活かせるようなお仕事があればいいな、とぼんやり考えています。
せっかくお仕事にも慣れて生活のリズムもできて、やりがいも持っていたのに、この春からお仕事が終了してしまう……。と、残念に思っている看護師も少なくありません。
Eさんのように、コロナ関連業務での経験や、今までの看護師経験を活かせる職場で働きたいという希望を持つ看護師には、コールセンターでのお仕事がオススメです。
【コールセンター】という働き方
実は、看護師さんのコールセンターの求人は数多くあります。
- 製薬会社の患者サポート
- 保険会社での健康相談や介護相談、育児相談
- 医療機器メーカーの問い合わせ窓口
- 小児の救急・健康相談
代表的なものでも、これだけあります。
コロナ関連のお仕事をきっかけに、「看護師がコールセンターで働く」という働き方がぐっと身近に感じられるようになった方も多いのではないでしょうか?
コールセンターの経験がない看護師さんでも、研修が充実しているところが多いのも安心ポイント。
これまでの臨床経験と医療の知識を活かすことができる働き方なので、新しい働き方にチャレンジしてみたい方にもおすすめです。
※登録完了後マイページにて非公開求人が見られます。
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看護師としてコールセンターで働くとは?仕事内容や、気になる求人・メリットデメリットをまとめました!| 教えて!スーパーナース
おすすめの働き方・職場④看護師さんの希望「できる限り収入を下げたくない!」
- Tさん 30代後半 療養ホテル勤務
- 日勤・夜勤とフルタイムのシフトで、コロナの療養者さんが宿泊療養をするホテルで働いています。療養ホテルは、緊急時など状況によって療養者の方のお部屋に防護服を着て入ることもある場合もあるため時給は高めに設定されているんです。病院勤務時代よりも高いお給料をいただいています。
- 今後は療養ホテルもなくなっていくと思うのですが、同じ水準でお給料をもらえる職場を探しています。
お仕事は多少ハードでも、お給料がいい職場がいい!そう思う看護師さんも多いのではないでしょうか。
そんな看護師さんにおすすめなのがバックアップナースという働き方です。
【バックアップナース】という働き方
バックアップナースとは、期間限定で全国各地の病院や介護施設で勤務していただくという働き方。
北は北海道、南は沖縄と日本中の色々な場所で募集されています。
バックアップナースは、赴任旅費が支給されたり寮が完備されていたりと引越し費用や生活費を抑えることができ給与も高いという高待遇の求人。
期間はだいたい6ヶ月〜のところが多いそう。
例えば、スキーやスノボが好きな人は北海道で働いてみる。海やダイビングが好きな方は沖縄や鹿児島の離島で働き、休みの日は趣味を満喫するなんてワクワクするような働き方の実現も可能!
看護師だからこそ、できる働き方の1つですよね。旅行が好きな方や、短期間でお金を貯めたい方、住んでみたい場所がある方におすすめです。
まとめ
いかがでしたか?アフターコロナにどんな仕事をしたらいいのか、看護師さんそれぞれの希望別おすすめの働き方を紹介しました。
時代の潮目が大きく変わるタイミングなので、新型コロナウイルス関連の新しいお仕事に慣れたと思ったら、また状況が変わり……世の中の動きに合わせて、看護師さんの働き方もどんどん多様化しています。
そんななかで、どんな職場であれば自分らしくイキイキと働くことができるのか、今後どんなキャリアを描いていきたいのか。アフターコロナのタイミングで、ゆっくり視野を広げて考えてみてはいかがでしょうか。
今、新型コロナウイルス関連のお仕事についている看護師さんにも、そうでない看護師さんにとっても、参考になれば幸いです。あなたを輝かせる働き方が見つかるよう、スーパーナースは応援しています。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。