看護師さんが転職活動で求人を探す際に「逆指名転職」という方法があることをご存じでしょうか。
「逆指名」というとプロ野球のニュースなどでかなり以前に聞いたことしかなく、転職の方法としては初めて聞くという方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、看護師の「逆指名転職」という転職活動の方法についてくわしくご紹介します。
逆指名転職とは
先述した、プロ野球のドラフト会議において過去に存在した「逆指名制度」の概要は、選手が事前に「○○球団に指名してほしい」と宣言し、逆指名した球団からの指名を待つという方法でした。
看護師が転職する際の「逆指名転職」も、基本的には同じ仕組みです。
具体的には、転職を希望する看護師自身が「○○病院で働きたい」と申告し、その病院で求人を行っていない場合にも交渉によって採用をめざす方法となります。
しかし、逆指名転職を転職希望者が単独で行うのは難しいものです。
そのため、逆指名転職は基本的に転職エージェントなどの転職活動のプロが間に立って交渉を受け持つケースが主です。
看護師が逆指名で転職するメリット・デメリット
看護師が逆指名で転職する方法について、だいたいの概要は理解できたかと思います。
ここからは、看護師が逆指名で転職するメリット・デメリットについてもご説明しましょう。
メリット1.行きたい職場を選んで転職活動ができる
特定の職場を選んで転職活動できる点は、逆指名転職の大きなメリットです。
従来の転職活動では、現在求人のある職場でなければ応募ができません。
逆指名転職ならご自身が働きたい特定の職場を選べるため、転職したあとの後悔も少ないでしょう。
メリット2.転職のプロが交渉してくれるため、転職活動が楽になる
逆指名転職の交渉は、基本的に転職エージェントに一任することができます。
そのためご自身は応募や職場探しに奔走することもなく、忙しい場合にもスムーズに転職活動をすすめられるでしょう。
メリット3.転職エージェントの人脈や信頼性などを活用してもらえる
逆指名転職は、基本的に求人を行っていない職場に売り込みをかけて採用してもらう方法のため、個人単位で行っても成功は難しいでしょう。
しかし転職エージェントを通すことで、その転職エージェントとつながりのある職場ならある程度有利な転職活動ができる場合があります。
メリット4.勤務条件や待遇などを聞くことができる
転職エージェントを介した転職活動になるため、ご自身での転職活動では聞きにくい勤務条件や、お給料・福利厚生などの待遇について事前にくわしく確認できます。
場合によっては、ご自身が希望の条件や待遇を提示して転職エージェント経由で交渉してもらえることもあるかもしれません。
デメリット1.転職活動に時間がかかる
逆指名転職は、今は求人していない職場がターゲットとなるため交渉自体に時間がかかることを覚悟する必要があります。
そのため、「急いですぐに転職先を決めたい」という事情を抱えた看護師さんには不向きといえます。
ただし例外的に転職活動がスムーズに進むケースとして、逆指名した職場がそのタイミングでたまたま求人を出していた場合が挙げられます。
デメリット2.病院側に転職エージェントへの報酬が発生する
転職エージェントは無料で利用できますが、その理由は求人を出す側である病院がその費用を負担しているからです。
通常の求人では病院側はその費用も込みで採用活動をしますが、逆指名転職においては病院側が予定外の出費を強いられることとなります。
そのため金額によっては、転職活動がうまくいかない可能性もあり得ます。
デメリット3.ご自身に合った職場かどうかの判断がしにくい
現在ある求人から転職エージェントに職場を探してもらう場合は、転職エージェントが応募者の希望をヒアリングして最適な職場を選定してもらえます。
しかし応募者自身が特定の職場を指名する逆指名転職の場合、転職エージェントが職場の特徴や雰囲気から応募者に向いた職場を判断して提案することができません。
逆指名転職を成功させるには?
逆指名転職は、転職エージェントを介して行っても成功率は決して高くないといわれています。
逆指名転職を成功させるには、以下のポイントを押さえて転職活動に臨むと良いでしょう。
・逆指名転職の実績が多くある転職エージェントを選ぶ
・募集自体は終了していても、その求人データを今も公開している職場を選定する
・転職活動自体にじっくり時間をかけて行えるよう計画を立てる
・しっかり面接対策をして、最後の面接で好印象を与えられるようにしておく
看護師専門の転職エージェントは数多くありますが、逆指名転職を取り扱っている転職エージェントの数は限られてきます。
その中で、実績豊富で信頼できる転職エージェントを選ぶことはとても重要。
逆指名転職への強さをアピールしている転職エージェントがあるか、しっかり調べて転職活動を始めましょう。
まとめ
この記事では、看護師がご自身で選んだ職場への転職を実現するための方法「逆指名転職」についてくわしくご紹介しました。
逆指名転職を成功させるには一定の期間を要することが多く、スピーディに転職を決められる手段ではないと考えましょう。
ただし現職が忙しいなどで、じっくり時間をかけてでも納得できる転職先を見つけたいという方にはおすすめの方法の一つです。
採用に至るまでのハードルは若干高めの方法ですが、どうしても転職したい職場があるなら検討すると良いでしょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。