看護師として働いていると、夜勤や残業で生活が不規則になりがちです。
かといって夜勤をなくすと、お給料が安くなってしまうことが心配で転職に踏み切れないという看護師さんもいることでしょう。
そこで、この記事では看護師の体力的負担とお給料に関する悩み対策の1つとして「美容クリニックへの転職」という選択肢をご紹介します。
美容クリニックで働く看護師さんの仕事内容
美容クリニックにも、一般病院と同様に看護師として勤めている人がいます。
ここでは、美容クリニックで働く看護師の仕事内容をご紹介します。
美容クリニックでの看護師の仕事は、予約の受付や患者さんへのお悩み・ご希望に関するカウンセリング、治療の計画、注射や専用機器による施術を中心とした医療行為などです。
施術を受けた患者さんへのアフターケアも、看護師さんが行うことが多くなります。
また美容外科クリニックの場合は、整形手術の補助業務も行います。
美容クリニックで働くメリット・デメリット
ここからは、美容クリニックで看護師として働くメリット・デメリットについてご紹介します。
美容クリニックで働くメリット
1.夜勤がなく、残業も少ない
美容外科や美容皮膚科は病棟を設けていないことが多く、夜勤はほとんど発生しません。
また予約診療が中心で閉院時刻に閉めやすいため、長時間の残業も発生しにくいというメリットがあります。
規則的に生活でき、看護師としてはワークライフバランスが取りやすい職場といえます。
2.給与水準が高めで、インセンティブによる給与アップもめざせる
美容クリニックは、いわゆる保険診療の割合が少なく、実費で治療を受ける「自由診療」がメインです。
そのため料金設定をクリニック単位で決められるので、それが高いお給料として反映されることがメリットといえます。
また、成果をあげればインセンティブ(報奨金)が基本給にプラスして支払われるクリニックもあり、頑張り次第で収入アップの可能性もあります。
3.美容の知識を高められる
美容やスキンケアに高い関心を持っている看護師さんなら、働きながら美容に関する高い知識を身につけられます。
また従業員価格で施術が受けられるので、ご自身がお得にきれいになる夢をかなえられるかもしれません。
4.接客スキルを身につけられる
一般の病院の看護師さんは「病気やけがの患者さんと接するお仕事」ですが、美容クリニックでは「患者さん=お客様」という意識が求められます。
顧客に対しての業務マナーや接客スキルを身につけられるため、医療の世界から一歩踏み出したビジネスの世界に触れることができます。
【美容クリニックで働くデメリット】
1.クリニックによっては販売ノルマがある
クリニック次第では、販売する化粧品やサプリメントなどにノルマが課される場合もあります。
人によってはプレッシャーになりますから、気になるならノルマが設定されていないクリニックを選びましょう。
2.医療行為の機会は少なくなりがち
採血や検査などの医療行為の機会は、一般病院と比較すると減ってしまうことも多いです。
看護師としてそれらのスキルを大切にしたい方なら、この特徴がデメリットになる可能性もあるでしょう。
3.土曜や日曜に開院するクリニックもある
病院のお休みといえば土曜・日曜・祝日ですが、平日に働いている方に合わせこれらの休日に診療を行う美容クリニックは少なくありません。
曜日などのお休みで希望があるなら、クリニックの情報をしっかり調べてから転職先を探しましょう。
先輩看護師が美容クリニックを職場に選んだ理由は?
美容クリニックへ転職した看護師さんたちに「美容クリニックへ転職して良かったこと」を聞くと、多く得られたのは意外にも「人間関係が良好」という回答です。
お給料や夜勤がないことなども理由に挙がっていますが、それらを抑えて人間関係の良さが評価されています。
一貫して美容がテーマの職場ということで、看護師さん同士の趣味や嗜好が合うことも影響しているかもしれませんね。
美容皮膚科と美容外科の仕事は異なる?
美容クリニックには「美容皮膚科」と「美容外科」のおもに2種類があります。
ここでご紹介する「美容皮膚科」では、皮膚科で行う治療のなかでも美容に特化した施術や薬剤の処方を行っています。
施術には「医療脱毛(永久脱毛)」やシミ・ほくろなどを消す「レーザー治療」などがあります。
また薬剤は塗り薬・飲み薬が中心で、美白作用のあるものや肌にハリを与えるもの、ニキビ治療薬などが中心です。
一方、「美容外科」では整形手術をはじめとする外科治療がメインですが、レーザー治療や注入による「プチ整形」などの施術も行っています。
このように美容クリニックは2つの業態に分けられますが、いずれも看護師さんの仕事内容は以下の4つが中心です。
・電話の受付や患者さんの予約管理
・カウンセリング業務(専門のカウンセラーがいないクリニックの場合)
・医療行為やその補助業務(注射や点滴、機器操作など)
・院内の清掃や衛生管理
美容外科と美容皮膚科の看護師さんの仕事内容の大きな違いは、「オペ(整形手術)の介助業務」の有無でしょう。
また、美容外科のほうが業務そのものも忙しくなりやすく、残業が発生する可能性は高いといわれています。
外科経験がなく手術介助をしたことがなければ美容皮膚科を選択するなど、転職先選定の際のご参考にしてください。
まとめ
今回は、働きやすくお給料が良いと言われる美容クリニックでの看護師のお仕事をご紹介しました。
美容に興味があって、頑張った分だけお給料に反映される仕事に就きたいと考える看護師さんには、美容クリニックはうってつけの職場かもしれません。
しかし、美容クリニックでの勤務にはメリットばかりではなく、おもにノルマや休日に関するデメリットもあります。
転職先を探すときは、これらの特徴を確かめ、ご自身が働きたい職場をしっかり見極めることが大切になるでしょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。