看護師のお仕事も5年目となれば、そろそろ「中堅看護師」と呼ばれる時期です。職場によってはこのぐらいのキャリアで、後輩看護師さんたちのリーダー的な役割を任せられる場合もあるでしょう。また、ひととおりの仕事はこなせるようになり、不測の出来事があっても落ち着いて対処できる心の余裕も生まれるころかと思います。
5年目というタイミングは、看護師さんが転職を考える時期としても知られていますね。そこで今回は、看護師5年目のタイミングは本当に転職に向いているのかどうかについて、ご紹介します。
勤続5年目の看護師の離職率は?
看護師さんが新卒で入った職場を辞め、他の職場へ転職を考えるタイミングとしてよく挙げられるのが「3年目」、そして「5年目」です。5年目を迎える看護師さんが、実際に元の職場を辞める比率はどのくらいなのでしょうか。
2011年に日本看護協会が調査した結果によると、5年目の看護師の離職率は全体の「12.6%」となっています。これは、全体でもっとも高い3年目の12.8%に次いで高い離職率でもあります。
やはり、看護師さんの多くが3年目とともに5年目のタイミングを大きな節目と考えていることがわかります。自身の働き方や今後のキャリアについて振り返り、この先どうするかという身の振り方を検討する時期の1つが、5年目であるといえそうです。
5年目の看護師を取り巻く職場環境は?
さて、5年目の看護師さんは一般的にどのような働き方をしているのでしょうか。職場では、基本的に「新米看護師」でも「ベテラン看護師」でもないという立ち位置になる時期だと考えられます。
そろそろ責任の重い仕事を任されるようになったり、後輩の業務のフォローに回ったりする機会も増えてくるでしょう。後輩の教育・指導係である、「プリセプター」として立ち回る方も多くなるようです。
「看護師=責任ある仕事」であることを、実感する機会がより増えるのが5年目というタイミングであるともいえそうです。
責任のある仕事に携わるようになり、もっと頑張ろう! とモチベーションを高める看護師さんも多いなか、「自分は責任の重い仕事に向いているのだろうか」と悩む方も増えるでしょう。また、業務に対する心理的負担が重圧になり、心身ともに疲れてしまう看護師さんもいるはずです。
5年目は、看護師さんにとっては「目に見えて職場での立場や環境が変化してくる時期」と考えてよいでしょう。
次に、辞めたいと思った時に考えるべきキャリアについて記載します。
具体的には、認定看護師、専門看護師を目指すや、看護師として転職するなどについて触れます。
現職を辞めたいと思ったときに、次のキャリアをどう考える?
看護師さんにとって、大きな立場や環境の変化を実感する5年目のタイミング。もし、現職を離れて別の職場へ転職したいと考えているなら、その先のキャリアをしっかり展望しておく必要があります。ここでは、5年目の看護師さんが転職を経て視野に入れたいキャリアプランについて、ご紹介します。
1.認定看護師や、専門看護師などをめざす
中堅である5年目の看護師さんなら、「キャリアアップの可能性を広げるため」という動機で転職を検討する方も多いでしょう。このようなケースなら、転職後に専門資格を取得することを考えるのも1つの手です。
特に、看護の現場で役立つ資格として「認定看護師」「専門看護師」を取得することはおすすめでしょう。これらは、看護師として得意な分野や目指す分野に挑戦するための現実的な足掛かりとなる資格です。認定看護師は6か月ほどの研修を受ければ認定審査となりますが、専門看護師の場合は大学院で2年の履修が必要となるため若干取得のハードルには差があります。
病院によっては、これらの資格取得のための支援を行っている場合もあるため、取得を考えているならそれらの制度が設けられている職場を探してみるとよいでしょう。
2.これまで通り、一般看護師としてキャリアを磨く
もし、転職の動機が給与・待遇や人間関係などで、仕事内容に物足りなさや不満がない場合は、環境を変える目的で転職することを優先的に考えるとよいでしょう。現職が激務で、すでに心身に疲労を感じているようなら勤務時間や休日を重視すべきですし、職場の雰囲気に馴染みにくいのであれば看護師の定着率が高く、業界で評判の良い職場を探すとよいでしょう。
ただし、一般求人サイトやハローワークの求人票で得られる情報だけでは、それらの職場状況は分かりにくいものです。看護師専門の転職エージェントに登録するなど、志望先の詳細な情報を得やすい転職活動を検討するとよいでしょう。
まとめ
今回は、勤続5年目の看護師さんの転職事情や、今後のキャリアの考え方などについてご紹介しました。5年目の看護師さんは、転職市場では「一人前」「即戦力」としてみなされることが多く、転職自体は成功させやすい世代です。しかし、今後のキャリアプランなども真剣に考えなければならない時期でもあるため、転職先には妥協は禁物でしょう。
できるだけ多くの情報を得て、ご自身に合った転職先を探すことがベターです。看護師向けの転職サイトや転職エージェントをフルに活用し、納得できる次の職場を見つけましょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。