看護師として働く場合、病院勤務であれば診療科によって仕事の内容や働き方の特徴も異なります。どの科に行きたいか、あるいはどの科がご自身に合っているかなど、就職や転職を検討する際には必ず考えるでしょう。
そこでこの記事では、看護師に人気のある病院の診療科とその理由、またタイプ別におすすめの科についてご紹介します。「行きたい科を冷静に判断して決めたい」「希望の科が、本当に自分に合うか知りたい」などとお悩みなら、ぜひご参考にしてください。
看護師の転職・就職で人気の科は?
「この科で仕事をしたい」「この科ならやりがいがありそう」と感じる診療科を看護師さんに聞いたアンケート結果によると、人気の診療科は以下のようになっています。
1位:小児科
「子どもが、けがや病気から次第によくなっていく姿を見られることでやりがいを感じる」という意見が多く、仕事の面白さ・やりがいの面で圧倒的に人気が高かった小児科。また、小児科の医師は患者の子どもさんだけでなく、年下の職員にもやさしく面倒見がいいといわれています。一緒に仕事がしやすい医師が多いという点も、小児科人気のポイントになっているとか。
2位:内科
内科は、総合病院などではさらに診療科が細分化されることもありますが、内科のなかでも人気が高かったのが「消化器内科」です。看護学校や看護大で学んだ診療の基本を生かしやすい科である点に加え、自身が患者となる機会も多い科のため「患者さんを身近に感じられる」という意見も多数。身についた医療行為のノウハウを生かせる点や、患者さんやそのご家族とのコミュニケーションの取りやすさで、人気を集めました。
3位:整形外科
骨や関節・筋肉などの疾患を治療する整形外科は、生命にかかわる事態に立ち会う機会が少なく、プレッシャーを感じにくい点で人気が集まりました。整形外科ではリハビリなども行うため、同じ患者さんと長期間にわたってコミュニケーションをとる機会が多いことも特徴です。「患者さんが時間をかけて回復していく姿にやりがいを感じる」との声も。
診療科を選ぶポイント・注意点
看護師さんが就職・転職で診療科を選ぶ理由は、人によってさまざまです。やりがいを覚えるポイントや、自分に合う働き方の特徴も、おそらく人それぞれでしょう。診療科を選ぶ際には、科の特徴のみならず「自分はどんな働き方をしたいか、将来どんな看護師になりたいか」を視野に入れ、10年後・20年後の自分自身を想像できる職場を選ぶとよいでしょう。
また、転職先・就職先は病院だけに限定しない方法も一案です。最近は病院以外の施設で働く看護師さんも増えており、保育園や介護施設、健診センターや献血センターなどに常勤するという選択肢もあります。病院で長年目まぐるしく働いてきて、「そろそろ、もう少し落ち着いた現場でじっくり仕事をしたい」と考える看護師さんもいるでしょう。また、求人数はかなり少なくはなりますが、企業の医務室などに常勤する「産業看護師(産業看護師)」も、次の職場では腰を据えて長年勤めたいと考えている看護師さんにはねらい目です。
看護師さん別・おすすめの診療科
「○○が得意なら××科が向いている」などと、得手不得手だけではご自身に合う職場を判断しにくいのが、看護師さんのお仕事です。看護師という職業の特性上、得意・不得意よりは性格で合う診療科を見極めるほうが良いかもしれません。
ここでは、看護師さんのタイプ別でおすすめの診療科をある程度予測してみましょう。
1.小児科に合う看護師さんのタイプ
なんといっても子どもが好きで、子どもの表情が変わるのを見ていれば飽きることがないという方なら小児科がぴったり。もちろん、子どもたちに人気が出そうな明るくて気風の良い看護師さんであればなお良いでしょう。小児科は、子どもたちだけでなく保護者さんとのコミュニケーションも大切になる職場です。それだけに日々細かなストレスを抱えることもあるでしょうから、オンとオフを切り替えてしっかりリセットできる切り替え上手な看護師さんが向いているでしょう。
2.内科に合う看護師さんのタイプ
内科はいつも、患者さんや医師などたくさんの人でいっぱい。内科に合う看護師さんは、意外にも「人混みが好きな人」や、「何かとみんなで集まりたがる人」でしょう。1人の患者さんとじっくりコミュニケーションをとる機会も多いので、年上・目上の相手のお世話を焼くのが好きな方も向いています。また、急転直下の事態でジタバタする機会も多くはないので、地道に患者さんをサポートしたい看護師さん向けでもあります。
3.整形外科・外科に合う看護師さんのタイプ
整形外科や外科は、患者さんの回復が目に見えて分かりやすい点が特徴。そのため、看護師さんのタイプとしては「治療の成果をこの目で確認したい人」や、「比較的結果を早く求める人」が向いているでしょう。「やった、今日は患者さんが○人も退院した!」「△△さんが今日でリハビリを終えた」などと、患者さんの回復を確認して日々うれしくなってしまうような看護師さんなら、外科や整形外科で一層やりがいを感じられるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、看護師の転職・就職で人気の診療科や、それらの診療科に向いている看護師さんのタイプなどをご紹介しました。
看護師さんと各診療科の相性は、得意分野や医療行為の得手不得手よりは、看護師さん個々の「性格」で判断するほうが良いようですね。もし、自己分析だけでは推し量りにくいという場合は、看護師専門の転職エージェントに相談するなど、第三者の客観的な意見も参考にして診療科選びをするとよいでしょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。