看護師として働くなかで、いつも元気いっぱいでやる気満々! という方は、おそらくはほとんどいないでしょう。何かしら悩み事や困りごとを抱えるときもあり、さまざまな方法でそれを乗り切りながら続けている人が大半だと思われます。
しかし、「簡単に下がってしまう仕事へのモチベーションを、なんとかしてアップさせるコツがあれば知りたい」と思っている人も多いはず。この記事では、看護師さんがモチベーションを上げるコツや、やる気を維持する秘訣についてご紹介します。
看護師のモチベーションが下がってしまう原因とは
看護師さんが「やる気なくす……」と思ってしまうのは、どんなときなのでしょう。ここでは、看護師の仕事のなかでモチベーションがつい下がってしまいがちな場面や、原因についてご紹介します。
1.人間関係の悪化
仕事そのものとは直接関係のないことながら、職場での人間関係がギスギスすると物事に対する意欲も全般的に失われてしまいます。人間関係が仕事に支障を与えるなんて正直考えたくありませんが、憂鬱になれば「今日の仕事も頑張るぞ!」というわけには、簡単にはいかないものでしょう。
2.自分の時間を取れない
看護師として日ごろ忙しく働いていても、自分の時間をしっかり持てていれば心にも余裕が生まれます。癒しの時間にしたり、睡眠に充てて次の仕事の活力を養ったりできれば「明日からも頑張れるぞ」と思うことができるはず。
しかし、そのちょっとした時間すら取れないほど忙しくなると、身体ばかりか心を休める暇もありません。だんだん心がささくれてきて、やる気を引き出す余裕なんてなくなってしまいます。
3.上司や先輩に怒られた・注意された
「看護師は責任の重い仕事」だと思っている看護師さんも多いでしょう。それだけに、大ごとにはならないレベルの失敗をしてちょっと注意されただけでも「看護師失格かもしれない」と思い悩む方も少なくないのでは。
上司や先輩がミスを指摘したり叱ったりすることは、ある意味仕事の一部です。しかし、そうと分かっていても「怒られてしまった」「失敗をしてしまった」という事実にご自身を許せなくなってしまうことがあるでしょう。
4.仕事の大変さに収入・待遇が見合わない
夜勤や残業が多く、あきらかにもらっている給与や受けている待遇以上に働いているのに、一向に評価されないという状況が続いていませんか? 「割に合わない」働き方が続けばストレスになりますし、精神的に受けるプレッシャーも大きくなってしまいます。「こんなに働いても、果たして意味があるのだろうか」と思ってしまうかもしれません。
5.とにかく体力が持たない
看護師を続けるには、体力が必要ですね。若手のうちなら連勤や夜勤が多くなっても、ある程度無理がきいたかもしれません。しかし、ある程度の年齢になると激務を軽々と乗り切ることができなくなってきます。そんな状況に見舞われ始めると、「もう看護師を続けられないのでは」「これ以上体力が落ちたら今まで通りに働けないかも」などと考えはじめ、やる気が損なわれてしまうでしょう。
上記のような状況に陥ってしまい、一向に意欲がわかない状況が続くなら「燃え尽き症候群」という病気を疑う余地があるかもしれません。これは単に気持ちの問題だけではなく、体力や精神力を消耗し続けたことで心身に病的な症状が発生してしまっている状況です。放っておけば悪化するだけなので、医師に相談して治療を受けなければなりません。
原因別・モチベーションアップのコツ
ここでは、看護師さんがモチベーションを上げられなくなったときの原因別対処法についてご紹介します。
1.人間関係に悩んだら
職場の人間関係が原因でモチベーションが低下してしまったときは、患者さんと気持ちよくコミュニケーションをとると効果的です。「ありがとう」という言葉をかけてもらうだけでも、「ここで必要とされているんだ」と、うれしい気持ちになれるはず。その1つひとつを日記のようにメモしておけば、悩んだときに読み返せて気持ちを切り替える有効手段にもなるでしょう。
2.忙しすぎてやる気が出ないときは
忙しくて自分の時間を取れず、気持ちを落ち着けられないときは自分にちょっとしたご褒美をプレゼントして乗り切る方法もあります。頑張った分だけボーナスをもらったら、前から欲しかったちょっと高価なものを買ったり、いつもより高級なおやつを食べたりするなど……。あとは、無理をしない程度に頑張って乗り切りましょう。
3.怒られてしまったら、成功したことや頑張れたことを思い出す
上司や先輩に怒られて落ち込んだときは、その事実にとらわれがちになります。しかし、失敗体験があれば成功体験だって必ずあるはずです。お風呂や布団に入ったときも怒られたことばかり考えず、うまくいった思い出や褒められた出来事を思い返してのんびりしましょう。しっかり反省したら、メンタルの切り替えも早めに。
4.仕事と待遇が割に合わないと感じたら
仕事量に収入が見合っていないなど、「割に合わない」というジレンマは解決が難しいもの。さしあたり職場に給与アップなどを申し出ることで気持ちをスッキリさせる方法も良いですが、いっそ休みの日や終業後は仕事のことをきっぱり忘れて楽しむ時間を作るのも有効でしょう。仕事量に収入が見合っていないなど、「割に合わない」というジレンマは解決が難しいもの。さしあたり職場に給与アップなどを申し出ることで気持ちをスッキリさせる方法も良いですが、いっそ休みの日や終業後は仕事のことをきっぱり忘れて楽しむ時間を作るのも有効でしょう。
友達に会って話を聞いたり、旅行やレジャーに行って視野を広げたりしているうちに「自分がいるべき場所は、今の職場ばかりではないのかも」と思い始めることができるかもしれません。
5.体力が続かなくなったら
体力がなくなったと感じるタイミングは、ある程度キャリアを積んだ看護師さんなら誰にでもやってきます。しかし看護師さんの職場は、体力最優先の現場ばかりではありません。これまで学んできたことや医療行為の経験を活かし、それほど体力を消耗しなくて済む職場への異動を検討することで、やる気も復活させられるかもしれません。
まとめ
今回は、看護師がモチベーション低下に悩んでしまう原因と、それに応じたモチベーション回復のポイントをご紹介しました。いつもやる気が充実しているとはいかないものですが、日々のなかで努力できる解決方法を試してどうしてもうまくいかないと感じることもあるでしょう。そんなときは、思い切って職場を変えることを考えてみるのも1つの手です。
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。