勤務中にピアスをつけてOK?知っておきたい看護師のおしゃれ事情について
看護師は勤務中にピアスをつけていいと思いますか?
アクセサリー類は看護業務に必要なく、業務の邪魔になったり事故につながったりするリスクがあります。また、衛生面も気になるところ。
結論、仕事中にアクセサリーを身につけるのは避けるべきです。
とはいえ、「ピアスぐらいならつけたい……」と思う看護師もいるのでは。
そこで今回は、看護師のアクセサリー事情、特にピアスについてまとめました。
ピアスがダメな理由やピアスのつけ外しのタイミング、また、ピアスを隠したい時の対策について詳しく紹介します。
ご自身の働き方に合わせて、ぜひ参考にしてください。
「看護師はピアスNG」の病院がほとんど
病院をはじめとする多くの医療機関では、看護師がピアスをして勤務することを禁止しているケースが多いです。
病院でのピアス禁止には、単に「業務に必要がないから」という理由にとどまらず、以下のように医療の現場特有の事情が反映されています。
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看護師がピアスNGの理由4つ
- ①衛生面の問題
②外れたり落としたりした際に、医療事故の危険性がある
③金属アレルギーの患者さんに接触してしまう可能性
④清潔感重視の現場で、過度な装飾はふさわしくない
1つずつ解説します。
NGの理由①衛生面
まず1つ目の理由は、衛生面の問題です。
ピアスホールが安定していない時は分泌液が出たり膿んだりすることがあります。ピアス自体にも細菌などが付着すれば、院内感染を引き起こす可能性があります。
NGの理由②インシデント・医療事故
2つ目の理由は、インシデントや医療事故の危険性があるからです。
万が一、処置・介助時にピアスが外れてしまった場合、患者さんに当たったり誤飲してしまったりする可能性があります。
また、落としてしまったピアスの上に座る・踏むなどケガの原因になることも考えられます。
病院には小さな子どもや認知症の患者さんもいるため、想像だにしない事故が起こってしまう可能性があるのです。そのため、看護師のピアスをはじめアクセサリー類を禁止している病院は多いです。
NGの理由③金属アレルギー
次にあげられる理由は、金属アレルギー反応を引き起こす原因になるからです。自身は金属アレルギーでなくても、患者さんが金属アレルギーであることもあります。
介助の際など、患者さんが意図せずピアスに接触して、肌の炎症やアレルギー反応を起こす可能性があります。
NGの理由④過度な装飾がふさわしくない
治療やケアに訪れる患者さんがいる職場では、清潔感が重視されます。
職場には患者さんを含めていろいろな人がいるため、業務に必要がないおしゃれをすることで不潔な印象を持ったり、仕事に取り組む姿勢に不快感を持ったりする人もいるのです。
これら4つのピアスが禁止されている理由を見ると、看護師が仕事中にピアスをしてはいけないことに納得がいったのではないでしょうか。
ただ厳しくルールを課されているのではなく、看護師自身が働き続けやすくするため、看護師自身の健康も守るためでもあるのです。
「勤務時はピアスをつけないこと」と規定されている職場であれば、仕事の時はピアスを外しましょう。
ピアスホールもNG?
ピアスの穴(ピアスホール)についてはどうでしょうか。
『ピアスホールが耳に開いていること自体が禁止』という話を聞いたことはありますか?
以前はピアスホールを開けること自体が禁止されている職場があったかもしれません。しかし、今はピアスホール自体NGの病院はほとんどありません。
現代の日本社会では、ピアスホールを開けてピアスでおしゃれを楽しむことは一般的。看護師の耳にピアスホールが開いているからといって、悪目立ちすることはありません。
看護師の職場でも、ピアスホールには寛容的。規則が厳しめの大学病院などでも、「ピアスホールNG」とまでは言われていないようです。
ただ、ピアスホールは、安定しない時には膿んでしまったり分泌液が出てしまったりすることがあります。
看護師自身の細菌感染のリスクや衛生面からも、ピアスホールを開けるなら清潔を保つよう気をつけましょう。これから開けるという人は、入職前や長期休暇中にピアスホールを安定させるといいでしょう。
ピアスを外す・つけるタイミング
ピアスがNGの職場で外し忘れて、慌ててナース服のポケットに入れてしまったら、落とすなどのリスクがあります。
落としたピアスが誰かのケガの原因になっては大問題ですし、お気に入りのピアスをなくしてしまうことも悲しいですよね。
ここでは、看護師がピアスをつけないで勤務する場合「いつピアスを外すべきか」「いつピアスをつけるといいのか」、おすすめのタイミングを紹介します。
ピアスを外すタイミング
基本的に、ナース服を着用している間はピアスを外すと考えるといいでしょう。
出勤時もピアスを楽しみたい人や、シフト勤務で出勤前にピアスをつけてお出かけしていた時は、ナース服に着替えるタイミングで外すのがベストなタイミングです。
なお、着替えるタイミングでうっかり外し忘れるようであれば、最初からピアスはつけないで出勤するほうが無難です。
ピアスが禁止の職場は、ネックレスや指輪も禁止であることが多いです。仕事の後に食事会などがあっておしゃれをしたい時は、ピアスのほかネックレスなどのアクセサリーはバッグに入れて出勤しましょう。
ピアスをつけるタイミング
看護師がピアスをつけるおすすめのタイミングは、退勤して私服に着替える時。
身だしなみを整えて、ロッカーのトレイやバッグに入れていたアクセサリーをつけるといいでしょう。
ピアスをつけることで、オン・オフの切り替えにしているという看護師もいます。仕事を頑張ったあとは思いっきり自分らしいおしゃれを楽しみましょうね。
ピアスを隠す方法
看護師が仕事中にピアスをつけていい職場もあれば、禁止している職場もあります。
ピアス禁止の職場では、もちろんピアスをつけてはいけません。しかし、許可されている職場でもピアスを隠したい時やうっかりしていて緊急で隠したい時、とても困りますよね。
ここでは、ピアスを自然に隠す方法について実際に看護師から聞いた対策を紹介します。
①髪形で隠す
ピアスを上手に隠す方法の1つ目は、髪形です。
違和感なく現実的で、手っ取り早くピアスやピアスホールを隠すなら、ヘアスタイルで隠す方法が一番。
ロングやミディアムの長さでは、ほとんどの職場で髪を結ぶ・シニヨンにするといった規則があると思います。
そのため、自然に耳を隠すには、サイドの髪が耳下までくるような長めのショートヘアやボブスタイルが◎。緊急時にも、髪で自然にピアス周りを隠すことができるでしょう。
ロングやミディアムといった髪の長さをどうしてもキープしたい場合は、髪を結ぶとサイドの短い髪が顔回りに残ってボブヘアのように見えるウルフのようなヘアスタイルなら、カバーすることができそうです。
【注意点】
髪形でピアスを隠すということは、髪が耳に触れるということ。そのため、清潔感をキープすることはとても大切です。
特に、ピアスホールが化膿していたり、安定していなかったりしているのであれば衛生的ではありません。日頃からむやみに髪を触らないなど、衛生面に気を配りましょう。
②透明のピアス
ピアスやピアスホールを隠す方法の2つ目は、透明のピアスをつけること。
透明のピアスには金属部分がないので光ることはなく、存在が目立ちません。透明だけではなく肌色がかった商品も売られています。
「ピアス(やピアスホール)を隠したいのに、透明のピアスをつけるなんてアリ?」と思うかもしれません。しかし、実際に医療現場で働く看護師から「透明のピアスはつけていても意外とバレにくい」という声があるので、ぜひ参考にしてみてください。
また、もし気づかれた場合も透明のピアスなら「おしゃれでつけているのではない」ことがわかるので、そういった点からも安心です。
【注意点】
ピアスホールが安定する前に透明ピアスをつけると、炎症を起こして膿む可能性があります。そのため、透明のピアスは、ピアスホールが安定した後につけることが推奨されています。
あまりおすすめできない方法:テープ/ワセリンとファンデーション
ピアスを隠す対策として、あまりおすすめできない方法についても紹介します。
テープを貼る方法はどう?
まず1つ目は、テープを貼って隠す方法です。
やり方としては、肌色の絆創膏、肌色の医療用サージカルテープ類をカットして、肌になじませるように貼ります。「ピアスホールをどうしても見せてはいけない」けれど、「髪でも隠せない」「透明ピアスもない」といった緊急時の対策にはいいでしょう。
しかし、この方法では穴そのものは隠せますが、テープ自体が目立ってしまうのであれば、むしろマイナスポイント。しかも、耳元は意外と汗をかきやすいので、テープが剥がれてきたり外れてしまうこともあるので注意が必要です。
ワセリンとファンデーションで隠せる?
ピアスホールにワセリンを埋め込み、ファンデーションやコンシーラーで隠すといった方法もあります。
しかし、勤務中、時間とともに汗やマスクのゴムでピアスホールが露出してくることも考えられますし、よれて汚く見えたら、患者さんや職場の同僚にも不潔な印象を与えてしまいます。こちらもテープで隠す方法と同様に悪目立ちするリスクがあるので、あまりおすすめはできません。
できれば起きてほしくない「ピアスを隠したい緊急事態」ですが、対策する際は逆効果にならないように気をつけましょう。
コチラの記事も参考に!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は看護師のピアス事情について紹介しました。
看護師が業務中にピアス着用を禁止している病院は多く、禁止の理由は
①衛生面
②インシデント・医療事故
③金属アレルギー
④過度な装飾がふさわしくない
といった理由からでした。
また、ピアスを外す場合はいつ外すべきか、いつつけたらいいのかについても解説。
緊急時にピアスを隠したい時の対策についても、看護師のリアルな意見を紹介しました。
自分らしいおしゃれを楽しみたいのは誰もが思うことで、当然の権利です。けれど、ピアスをつけたことで業務に支障が出るようでは問題です。この記事が参考になり、ピアスを使ったおしゃれと上手に付き合い、看護師としての理想のキャリアを築いていっていただけたら幸いです。
なお、もしピアス禁止の職場について、そのことについてストレスを抱えてしまうなら、その気持ちの先に別の悩み事があるのかもしれません。今の職場にやりがいを感じられるのか、自身に合っているかなど、一度働き方を見直してみてもいいでしょう。
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。