新人看護師のころはあまり聞く機会はないかもしれませんが、看護師として2~3年働くとリーダーシップが必要とされる機会が増えてくるはずです。
「私にリーダーなんてできるの?」「リーダーにふさわしい人は、とても有能で特別な存在」と思ってしまう方も、少なくないでしょう。しかし、看護師のリーダーシップについてそこまで難しく考える必要はあるのでしょうか。
この記事では、看護師に必要なリーダーシップについてご説明します。
看護師に求められるリーダーシップとは
看護師におけるリーダー役と聞くと、看護師長・看護主任・看護部長のような管理職やトップの存在を連想するかもしれません。しかし、現場で活躍する看護師さんたちのなかにもチームが存在しますから、それぞれの現場においてリーダーシップを執る人が必要になります。
ここでは、現場で活躍する看護師さんに求められるリーダーシップについてご紹介します。
1.後輩の指導ができる
新人看護師のうちは、先輩の指導にしたがって業務をこなす機会がほとんどです。つまり、指導できる先輩看護師がいてこそ新人が活躍する場が生まれるともいえますね。
指導する能力も、現場看護師のリーダーシップの一環と考えてよいでしょう。単に知識や技能を身につけるための指導にとどまらず、「看護師という仕事のやりがい」や「看護師でよかったと思えること」について教えられることも大切です。
2.前向きな対応・対処ができる
新人や後輩看護師は、何かと不安を感じながら業務にあたっているもの。その不安を解決できるよう、前向きな対処ができることも、先輩看護師ならではのリーダーシップといえます。
「あの先輩と仕事をすると、不安が少なく楽しく働ける」と後輩に思ってもらえる雰囲気作りができると、なおよいでしょう。
3.人間関係を良好に保てる
知識や技能はあっても感情的に厳しく躾けるだけの先輩看護師では、後輩も尊敬以前に「ウザい」と思ってしまうかもしれません。
人間関係を円滑に保ち、周りの人それぞれの目線に立って物事を考えられる懐の広さも、大事なリーダーシップの1つ。冷静かつ温厚に人と接することができ、いつでも安定してチームワークを発揮できる状況を作っておけることも大事ですね。
看護師のリーダーに求められる能力
もし看護師としてリーダー的な役割を求められるようになっても、どう行動してよいかわからないという方も多いでしょう。看護師のリーダーとして活躍するには、具体的にどのような能力が必要になるのでしょうか。
1.コミュニケーション能力
指導的な立場に就くと、他の看護部署や医師などとの連携や調整を任される機会も増えます。人に何かを教えるという指導能力だけでなく、円滑な交渉や調整を図れるコミュニケーション能力も重要になるでしょう。
2.「人に任せられる」能力
後輩に業務を指導するなかで、知識や技能が身についてきたら適正な範囲で業務をお任せできることも、リーダーとして必要な指導力の一環です。「素人がプロになるには現場を知ること」とはよく言いますが、看護師の仕事でも大切なことです。
看護師としてリーダーをめざすには?
「ゆくゆくは現場のリーダーを任されるようになりたい」と、ご自身のキャリアプランを考えている看護師さんも少なくないはず。ここでは、リーダーになるためにやっておきたいことや意識する点などをご紹介します。
1.研修や学会に積極参加して研鑽を積む。資格の取得もおすすめ
看護師として豊富な知識や高い技能を習得することは自信にもつながり、リーダーとして物怖じせず行動するための基盤にもなります。新しい知識や高度な技能を身につけるために、研修などに積極参加して自身の種を育てていきましょう。
キャリアアップへの近道にもなり得る「認定看護師」や「専門看護師」などの資格を取得することも、リーダーとして活躍するための足掛かりになり得ます。
2.業務の優先順位を付けて、整理できるよう努める
仕事の割り振りや調整なども、リーダーの重要な役割です。まずはご自身が現在抱えている仕事にも優先順位を適正に設定し、やるべきタスクの整理ができるようになりましょう。
仕事をきちんと順序付けて整理することが苦手だと、リーダーになってからも人に任せられる範囲がわからず、何もかも1人で抱え込みがちになります。
3.リーダーを上手に務めるには、「褒める」と「叱る」のバランスを大切に
いざリーダー業務を任されることになったら、どう行動することで上手くリーダーとして仕事をこなしていけるようになるのでしょうか。
おそらくは、「部下・後輩との接し方」で悩んでしまう方が多いのでは?
もし、後輩を叱らなければならない状況になったら「どう言おう……」と困ってしまうかもしれませんね。
そんな状況が必ずあることを踏まえ、日ごろから目を配ってすべての後輩を「褒める」ことに努めるとよいでしょう。
「後輩に評価すべき点を見つけたらどんどん褒める」というくらい、普段の頑張りを評価してあげることです。
それがベースとしてあることで、叱られる状況になっても後輩側は説得力をもって受け止めてくれるようになるでしょう。
まとめ
今回は、看護師として必要なリーダーシップや、よきリーダーであるために必要なことなどをご紹介しました。
リーダーになるためには、さして特別な才能は必要ありません。日々の業務での意識付けや、看護師としての地道な知識・技能の積み重ねさえしっかりできていれば、チームのなかでリーダーシップを執ることは難しくないでしょう。
知識・技能や責任感、指導能力などに加え「周囲と和やかに接すること」が身についていれば、きっと看護師さんたちのよきリーダーとして活躍できるはずです。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。