看護師として常勤で働いている方なら、普段から夜勤を当たり前のようにこなしているという方も多いでしょう。最近では、二交替制の病院も増えてきていますが、まだまだ三交替制を導入している病院が多いのが現状です。
三交替勤務の場合、「夜勤」と「準夜勤」という勤務時間が存在しますね。この記事では、「準夜勤」とは一体なんなのか、「夜勤」とはどのように違うのかについてくわしくご紹介します。
これから三交替制の職場への転職を考えている方も、夜勤と準夜勤の違いをあらかじめ知っておきましょう。
→ 看護師夜勤の勤務時間はどれくらい?3交代制、72時間ルールなど賛否両論
看護師の「準夜勤」とはどんな働き方?
「夜勤」というと、夜働き始めて夜が明ける朝に退勤するイメージをお持ちの方が多いでしょう。それでは、「準夜勤」とはどんな働き方なのでしょうか。
ここでは、看護師特有の勤務シフトである「準夜勤」についてご説明します。
深夜勤とはなにが違うのか、準夜勤にはどのようなメリットやデメリットがあるのかについても、くわしくご紹介します。
1.準夜勤の勤務時間は? 夜勤(深夜勤)との違いは?
準夜勤の勤務時間は、「15:30~0:15」「16:30~1:30」などの時間帯となります。
夜勤の場合は「23:45~8:30」など、深夜になってから勤務を始めて日勤の人が出金する時間帯に帰ることになります。
それに対して準夜勤は、おもに「夕方に出勤して深夜に帰宅」という働き方になります。
2.準夜勤のメリットは?
準夜勤の場合、夜中に入るころに勤務が終わるため「完全な昼夜逆転型」にはなりにくい点をメリットに挙げる人は多いです。
準夜勤が続く場合など、朝はゆっくり寝ていられるので朝に弱い方には向いている働き方かもしれません。
また、22時を過ぎてから勤務した分に対しては給与に関しても深夜割増が付きます。夜勤のように完全に昼夜逆転してしまうことには抵抗があるけれど、お給料は多めにほしいという方にはおすすめかもしれません。
3.準夜勤のデメリットは?
準夜勤のデメリットで大きいと考えられるのは、準夜勤から日勤に移行する際にしっかり休養がとれない点でしょう。
たとえば、前日深夜の1時に帰宅して就寝し、翌朝9時には出勤…… となれば、しっかり寝る時間を取るのが難しくなる場合もあるでしょう。
また、準夜勤の場合は勤務終了時間が1時や1時半ということも多く、帰宅時に電車やバスは利用できないケースが多くなります。
マイカーや自転車で通勤できればあまり問題はないにせよ、人通りの少ない時間帯に帰宅しなければならないことで抵抗を感じる方は少なくないかもしれません。
病院によっては、準夜勤勤務の看護師を対象にタクシー券を配布したり、バスなどでの送迎をおこなったりするところも増えています。
もし、三交替勤務の職場に転職を考えている場合には、準夜勤の日の通勤手段についても確認しておくと良いでしょう。
護師の意見。夜勤と準夜勤、どっち?
準夜勤派! 看護師の意見
「深夜の丑三つ時になってから、患者さんの容体急変や救急搬送が発生すると大変。働く側の一方的な意見にはなるけれど、準夜勤のときのほうがそのような事態が起きた際の負担は少ないと思う」
「夜勤で完全に昼夜逆転してしまうのは、ライフサイクル的にヤバい。夜勤が続くとなかなか体調を元に戻せないけれど、深夜に差し掛かるころに帰宅できる準夜勤だと体力的負担が少ない」
「寝ている患者さんの介助業務を定期的に何度もしなければならない夜勤はつらい。準夜勤だとその回数も限られるので、体力の消耗を抑えられる」
勤派! 看護師の意見
「夜勤をしっかり行って休日に移行するときは、夜勤明けの1日を有効に使える。いっぽう準夜勤から帰って、寝て朝起きると何となく中途半端な気分になってしまう」
「夜勤の仕事は基本的にすることが決まっているので、慣れると楽。イレギュラー対応があまりないので、患者さんが多い夕方から働かなければいけない準夜勤より夜勤のほうが気楽」
準夜勤派と夜勤派の意見の、両方にうなずけてしまった方も多いのでは? それに、時間帯による急患の多さや業務の大変さなどについては、病院によって差があるケースも多いでしょう。ご自身が勤めている、あるいは勤める予定の病院の状況をよく知り、働きやすい時間帯を把握しておくと良いかもしれません。
まとめ
今回は、看護師さんの勤務シフトに多い「三交替制」に必ずある「準夜勤」という働き方についてくわしくご紹介しました。深夜勤と準夜勤、どっちがいい? という点にも切り込んでみましたが、結果として一概に「どちらのほうが良い」という結論は結局出すことができなかったかもしれませんね。
深夜勤にも、準夜勤にもそれぞれのメリットとデメリットがあります。自由な働き方が許容されつつある今の時代、自分自身のライフスタイルを考慮した上で、ご自身に合った勤務形態を選んでみてはいかがでしょうか。
→ 看護師夜勤の勤務時間はどれくらい?3交代制、72時間ルールなど賛否両論
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
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