転職して新しい仕事を始めると、業務内容はもちろんのこと、環境や人間関係などにギャップを感じてしまうことが必ずあります。
多少のギャップは仕方ないとしても、仕事をする上でのモチベーションにかかわるような大きなギャップを感じてしまう事態は避けたいものですね。
そこで今回は、実際に転職を経験した看護師さんが、どのようなことにギャップを感じているのかについてご紹介します。
転職してから「失敗した」と感じてしまうことを避けるためにも、実例を知って今後の転職活動に活かしましょう。
1.職場の人間関係に関するギャップとその対処法
・求人情報には書かれない上下関係が職場にあった
人間関係良好な職場とのアピールが求人情報ではされていたのに、実際に勤めてみたら「お局さん」を筆頭に職場の上下関係や派閥が目立ち、新人や若手はつねに肩身の狭い思いをさせられるという状況。
和気あいあいとした職場の雰囲気を期待していた人なら「こんなはずではなかった」と、がっかりしてしまうかもしれません。
このような場合の対処法は、あくまで仕事に集中し、あまり職場の人間関係には首を突っ込まないことがベストでしょう。同僚や先輩たちとの時間よりも、圧倒的に患者さんとコミュニケーションをとっている時間のほうが多いはずです。
・尊敬できる先輩が少ない
先輩に手取り足取りさまざまなことを教わって仕事を覚え、早く一人前になりたいと思って転職したのに、実際は基本放ったらかしで「自分の仕事は自分で探せ」という放任主義な雰囲気…… というケースも、ナースさんが職場の人間関係で感じがちなギャップです。
大きな病院などのように、新人1人ひとりに教育係がついてしっかり指導がされるケースはむしろ稀だと思ってよいかもしれません。
先輩のナースさんも、日々緊張感のなかで忙しく仕事にあたっているもの。後輩の指導に集中できる状況にある人のほうが、少ないかもしれません。
このような場合は、先輩にわからないところを聞くなど積極的に教えてもらう姿勢を見せるのが得策でしょう。頼ってもらえて悪い気分になる先輩はあまりいないでしょうし、そのとき忙しくてもあとから教えてもらえるはずです。
2.給与や待遇に関するギャップとその対処法
手取りのモデルケースが、求人情報に書かれていたものと違い少なかったなど、給与や待遇に関するギャップを感じるケースも、残念ながら少なくありません。
このような場合は「単に少なく感じてしまっただけ」という可能性も想定して、まずは給与明細の内容を細かくチェックしましょう。
それで実際に金額が少なければ「何がどれだけ少ないか」「その理由は何か」を冷静に話し合い出来る状況で、話し合いをしてみましょう。
試用期間中なので給与が少ないという場合や、給与計算のタイミングで次月に支払われる金額が計上されていないなどの可能性もあり得ます。
3.業務内容に関するギャップとその対処法
・業務のレベルが思ったより高い場合
「もっと楽に仕事に取り組めると思ったのに、意外に業務のレベルが高かった」と、忙しさと大変さに早くも参ってしまったという方もいるでしょう。
もしかすると、まだ職場へ合流したばかりで周りに分からないことを聞ける雰囲気でもなく、孤立感を覚えてしまっているだけかもしれません。
自分が動かなければ仕事が回らないという状況でなければ、少しずつやるべきことを身につけながら周りの人と会話しやすい状況を作っていくことで状況が改善できる可能性もあります。
・業務のレベルが思ったより低い場合
もっと新しいことを勉強したい、レベルアップしたいと思って転職したのに、実際に仕事をしてみたらそれほどのレベルではなかったとがっかりするケースもあるでしょう。
そんな場合には、ご自身が何を目的に転職を考えたかについて考えてみましょう。もし、ワークライフバランスの整備や働き方の見直しなどで、ペースを落として仕事をしたいと考えての転職であれば、ある程度の業務レベルのギャップには目をつぶって問題ないでしょう。
それほどハイレベルな現場でなくても、プレッシャーや負担が少なく済むなら……と、多少の妥協が吉になる場合もあります。
まとめ
今回は、看護師が転職して現場や仕事内容・待遇などにギャップを感じてしまうケースを想定し、その種類や対処法についてご紹介しました。
ギャップの対処法はさまざまですが、大切なのは転職後にギャップを可能なかぎり感じないようしっかり転職活動を行うことです。
転職活動中の取り組みで転職後のギャップを極力少なくするには、「事前に応募先・転職先の情報を集めること」が何より大切。
そのことを心に留め置きつつ、あとで後悔せずに済む転職活動を成功させましょう。
また、多少のギャップを感じるのは仕方ないため、今回ご紹介した対処法をご参考にギャップを乗り越えられる工夫をしていきましょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。