正職員として勤めている看護師は時間的な条件や就業規則の問題で難しいかもしれませんが、派遣やアルバイトなら「複数の職場の掛け持ち」をしたいと思う方もいるでしょう。
そこで今回は、看護師が仕事を掛け持ちするメリット、注意点についてご紹介します。これから掛け持ち(W ワーク)で働きたいと考えている方は、ぜひご参考にしてください。
派遣・アルバイトの看護師が掛け持ちするメリット
看護師の仕事を掛け持ちするメリットは、おもに以下の3つが挙げられます。
・収入を増やせる
・現職以外に新しい学びや経験を得られる
・働き方のバランス次第で、短期間掛け持ちで集中的に働いた後は長期で旅行するなど、公私の使い分けができる
実際に、派遣・アルバイトの看護師が掛け持ちする理由は「育児や介護・教育などでお金が必要」「旅行の費用を一時的に貯めるため」「時短アルバイトに慣れて余裕が出たため」などです。
ご自身の体力や時間の限界まで働く必要はありませんが、時短バイトなどでは稼ぎが足りないときや時間を持て余し気味なときなどは、掛け持ちという選択肢はアリでしょう。
ただ、掛け持ちで収入を増やしたり時間を有効に使えたりするのはよいことですが、派遣・アルバイト看護師の掛け持ちには注意すべき点もあります。
次の項目では、派遣・アルバイトの看護師が掛け持ち勤務を考える際に、気をつけなければいけないことについてご紹介します。
派遣・アルバイトの看護師が掛け持ちする際の注意点
1.就業規則をよく確認すること
「派遣やアルバイトに副業の制限はないため、掛け持ちは自由」と思っている方も多いかもしれません。
一般的に、アルバイトなどは複数掛け持っても何らかのルールに抵触することはありません。
ただし、看護師という職業の性質上、掛け持ちを考えているならまず現職場の就業規則を確認しておいたほうがよいでしょう。
常勤で働く看護師の場合、まずアルバイトとの掛け持ちなどはできないことがほとんどです。
派遣やアルバイトで勤務している場合も、念のため副業に関する規定を確認しておきましょう。
もちろん、副業は禁止である旨記載があれば、掛け持ちはしないようにしてください。実際に掛け持ちバイトをしていたことがばれて、雇い止めになってしまったアルバイト看護師のケースもあります。
2.確定申告など税法上の手続きを正しくおこなうこと
掛け持ちで働いていると、副業分の収入(副収入)も税務署へ申告する必要があります。
確定申告を毎年きちんとおこない、税金に関する手続きは正しくしておきましょう。
ちなみに、副業が禁止されている職場なのにこっそり掛け持ちで働いていたケースで、それが職場に知られてしまった理由が住民税の徴収額だった事例がありました。
副収入まで確定申告をすると、合算所得から住民税の金額が算出されるため、同様に働いている他の看護師より住民税が不自然に多くなっている点を不審に思われたのです。
副業を知られないために、副収入分の住民税を普通徴収扱いで申告するという方法もあるようですが、そもそも副業が認められていない職場で働きながら掛け持ちをすることが間違いです。
副業禁止の職場では、掛け持ちは厳禁。どうしても収入を増やしたいのであれば高収入の職場へ転職するか、掛け持ち可の職場への転職を検討したほうがよいでしょう。
派遣・アルバイトの看護師の掛け持ちにおすすめの仕事
掛け持ちOKの仕事に就いている看護師でも、体調を崩すほどの激務を無理してこなすことは禁物です。
できれば休日や大型連休期間を利用した、単発や短期のアルバイトなどを掛け持つ程度にすることがおすすめ。
ここでは、看護師の掛け持ちにおすすめの仕事についてご紹介します。
1.イベントやフェスなどの会場の看護業務
いわゆる「イベントナース」という仕事で、大型イベントや音楽フェスなどの開催期間中だけ会場内の救護室や医務室に詰めて看護業務をおこなう仕事です。
単発アルバイトとして募集されるケースが多いので、空いた休みの日にピンポイントで働くにはぴったりでしょう。
2.夜勤のみのアルバイト看護師
現在フルタイムで働いておらず、毎週決まった曜日が何日か空くような状況であれば、特定の曜日の夜だけ夜勤専従のアルバイト看護師をする方法もあります。
看護師の夜勤専従アルバイトは時給2,000円を超える職場も珍しくなく、さらに深夜・早朝勤務手当が付くなどのケースもよくあります。
月に2~3日出勤するだけでも、かなりの収入アップが期待できるでしょう。
3.検診や献血などの採血アルバイト
献血センターや健診センターなど、1日にとても多くの採血をおこなう職場では、採血専門のアルバイトを募集することがあります。
休日の献血センターなどは込むため、単発アルバイトの募集がかかることも。
日ごろから採血が好き・得意な看護師なら、得意分野に特化したこんなアルバイトもおすすめです。
まとめ
今回は、派遣・アルバイトの看護師が掛け持ちで勤務するメリットや注意点をご紹介しました。
収入のため、経験を積むためなど、掛け持ち勤務を考える動機はさまざまです。
しかし、掛け持ちを検討するなら、体力的な面やモラルの面であまり無理をせず、やれる範囲内ですることが得策。
たとえ掛け持ちできる職場でも、フルタイム勤務に加えて休日バイトを入れるなどの働き方は無理しすぎです。
あくまで「空き時間の副収入源」として、負担の少ない掛け持ち勤務先を探すとよいでしょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。