看護師として転職・再就職を考えた際、「眼科の職場に移りたい」と考える方が増えています。通勤などが楽な街中にもクリニックが多くあり、同業のナースさんたちの間でも「体力的な負担が少なく、待遇が比較的良い」と言われがちな眼科診療の現場。しかし、眼科で働く看護師の具体的な求人数や、眼科で働くメリット・デメリットなどを実際によくご存じの方は少ないかもしれませんね。
そこで今回は、ナースさんの眼科への転職に関して気になる情報をご紹介します。職場の特徴やメリット・デメリット、どんなナースさんが向いているのかなど、転職をご検討中の方はぜひご参考にしてください。
眼科看護師の求人数や、具体的な仕事内容は?
まずは、眼科のナースさんの求人やくわしい仕事内容についてご紹介します。求人はどのくらいあるのか、お給料はどのくらいもらえるのか、就職したらどんな仕事があるのかなど、「眼科のナースさんの働き方」について押さえておきましょう。
1.眼科看護師の求人数
眼科のクリニックは街中のビルテナントなどを利用して開院するケースもあり、新規開業する機会も多くなっています。また、眼科クリニックを併設したコンタクトレンズ販売店の開店も増えており、それにともなって看護師の求人も増えつつあります。
ただし、眼科医院は比較的規模が小さいケースが一般的ですから、1つの眼科医院で1度に多人数のナースさんを募集する機会はそれほどありません。1医院で1名~若干名ほどの募集しか行わないことも少なくないため、絶対的な求人数は内科・外科などと比較して少なめになる傾向が続いています。
また、総合病院内の眼科もナースさん自体の人数が少ないことが多く、求人は出ても少人数である場合が一般的です。
2.眼科看護師の給与
眼科だから、他の診療科と比較してお給料が良いということはそれほどないようです。眼科のナースさんの月給はおおむね20万円弱~35万円ほどといわれており、看護師の給与水準としては平均的なレベルと考えられます。
ただし、眼科は病棟などがないケースがほとんどで、その場合夜勤をともなう交替勤務は基本的になくなるでしょう。夜勤があるナースさんよりお給料は少なめになりますが、「体力的な負担を減らせてこれだけお給料がもらえるなら不満はない」と考える方も多いのではないでしょうか。
3.眼科看護師の仕事内容
眼科のナースさんが日頃どのような仕事をしているのか、あまりご存じない方のほうが多いかもしれません。ここでは、眼科のナースさんのおもなお仕事内容をご紹介します。
・患者さんの視力を検査する仕事
・眼底検査や視野検査など、患者さんの詳細な診断をするための仕事
・検査、処置の手伝いや、診療中不便になる患者さんの介助
・用具や器具などの洗浄、消毒、交換、補充
・患者さんへのお薬の点眼
・手術がある場合は、術前の検査や準備作業
眼科で看護師として働くメリット・デメリット
夜勤などがないことが多く、体力的・時間的負担が少ないことで人気の眼科のお仕事ですが、メリットばかりではなくデメリットもあります。眼科のナースさんの仕事におけるメリットとデメリットを双方理解し、納得したうえで転職活動を始めるとよいでしょう。
メリット1.仕事の流れが一定なので慣れやすく、時間・体力的負担も少ない
眼科は緊急対応などが少なく、仕事の流れを早期につかみやすいというメリットがあります。「マルチタスクが苦手」というナースさんには向いているかもしれません。また、病棟がなければ基本的に夜勤はないため、時間的拘束や体力面での負担は少なくなります。
メリット2.人命にかかわる事態などのプレッシャーは低め
眼科という診療科の特徴として「人の生死にかかわることが少なめ」という点が挙げられます。人命を左右する事態に精神的な重圧を感じがちだったナースさんが、眼科に転職して働きやすくなったというケースは少なくありません。
メリット3.前所属科を問わず、採用されやすい
眼科はナースさんとしての基本業務がきちんとこなせれば十分に戦力となることが多く、臨床での実務経験があれば採用されやすい点もメリットです。
デメリット1.高給取りというわけにはいかない
先に述べたとおり、眼科のナースさんには交替勤務がほとんどありません。深夜・早朝での勤務が減ると、その手当がなくなるため給与はそれほど多くはならないでしょう。ただし、日勤のみで土日祝日が休みとなる職場が中心ですから、その勤務形態では比較的しっかり収入を得られるともいえます。
基本的に保険外診療である「レーシック手術」を実施している眼科は給与が高めといわれますから、給与で転職先を選ぶならあらかじめその点をチェックするとよいでしょう。
デメリット2.専門知識・スキルを身につけたいなら職場次第
眼科に転職して、眼科特有の専門的な知識やスキルを身につけたいと考えているなら、転職時の職場選びが重要になるでしょう。視力検査や投薬などでの眼科治療がメインの職場だと、学べることが限られる可能性もあります。
手術などを日帰りで実施している眼科は、知識やスキルを身につけやすいといえるでしょう。ただし、手術ができる眼科そのものの数が限られるため、そこで働くとなると毎日かなり忙しくなるはずです。
まとめ
今回は、眼科へ転職を考えているナースさんのための、気になる情報をご紹介しました。
本文でご紹介したとおり、眼科看護師といっても外来診療のみの場合もあれば、手術を行う場合もありさまざまです。あまり時間や曜日に縛られないペースで働ける眼科もあれば、忙しいけれど多くの患者さんの治療を通してぐんぐんスキルを伸ばせる眼科もあるでしょう。ご自身が眼科に転職して、どんなナースをめざすのかをよく考え、ご自身に合った働き方ができる職場を選びましょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。