Vol.002 夫婦愛
今日、兼務しているクリニックの受付さんと、以前勤めていた時の患者さんの話になりました。受付のKさんも大学病院で勤務していた事があり、なんとな~く患者さんのことが話題になりました。
80代のとても品のある女性Aさんが個室に入院されました。我慢強い方で、おなかに3本のPTCDが入っていましたが、いつも穏やかな方でした。ただ、自宅に残されたご主人の事が気がかりだったようで、毎日面会に見えるお嫁さんに状況を聞いておられました。
ある日、体格のいい男性のご老人が入院されてました。お部屋は女性のとなりの個室。そうです、Aさんのご主人だったのです。奥様が入院されてからまもなく認知症を発症、食事が取れなくなり入院になりました。
壁を隔ててはいましたが、お互いのお部屋を行き来していました。それからまもなく、奥様の容態が悪くなり、一日のほとんどをベッド過ごすようになりました。お部屋の行き来も出来なくなったある夜、男性の部屋から
「Cちゃん、Cちゃん」
と叫び声と壁を叩く音が。びっくりして訪室すると、お二人を隔てている壁を必死で叩いているではありませんか。
もちろん、奥様もご主人の行動に気づき起きられていました。夜中にご主人をお連れするのも気が引けましたが、少しだけでもお顔を見られればということで、奥様のお部屋にご主人をお連れしました。ご主人は安心されたのか、奥様の顔をそっとなでるとご自分のお部屋に戻られました。
当時の私はまだ20歳そこそこ。恋愛の何たるかもわからないひよっこでした。あれから・・年。“50年連れ添うとこんな風になるの(?!)・・・。”いろいろな夫婦の形はあると思いますが、結婚した今の私はう~ん疑問です。今は、旦那より、子ども・・・
かな。
ナイショですが。みなさんはどうですか?