Vol.0098 看護師なのに。[2017/02/10更新]
みなさんこんにちは。
とってもご無沙汰なマツコです。
すっかり年も明け、朝早く洗濯物を干すと
干した横から洗濯物が凍ってしまう…そんな季節になりました。
さて、こんな風に寒かった2年前の今頃
大学病院に転院したおかあさんの
抗がん剤と放射線の治療が始まりました。
これまで看護師として10数年間。
何度も挫折や、自分の力不足に落ち込みましたが、
あの時ほど、何もできない自分に悩んだことはありません。
ほんとうに何もできない…
抗がん剤でぐったりしているおかあさんに
唯一したことといえば、
頼まれて、背中に湿布を1回貼っただけ。
職場から病院が近かったので
週に1~2回は顔をだしていたのですが、
ただ、顔を出すだけ。
何も言えず、何もできませんでした。
そんな中、湿布を貼る、
という簡単なお願いだけど
おかあさんに頼まれた!
という嬉しさと
何もできない自分の情けなさに
湿布を貼りながら、
ただただ、涙を堪えるのに必死でした。
しんどいながらも
「じゃあ、湿布貼ってもらおうかしら」
と、ちょっとはにかみながら上目遣いで
チラッと私を見てお願いしてくれたおかあさん。
もしかしたら、
何もできずにいる私に
気を遣って頼んでくれたのかもしれません。
そう思うと、今でもやっぱり
看護師なのに、何もできなかった自分が悔しい。
気の利く言葉すら出ませんでした…。
今でも、思い出しては落ち込み、考えます。
「もっと何かできたのではないか?」と。
ずっとずっと
後悔ばかりが続いていましたが…
最近になって、ちょっとだけ、
前向きに、考えられるようになりました。
それは、
「看護師としての心や経験は、
自分の職場で働くだけでは、得られないことがある」
ということ。
一人の人間として感じた悲しいこと、嬉しいこと。
そんな色々な経験や、日々の生活もまた、
自分の看護につながっていくのだと、思います。
(そんな風に前向きになれたのは、
ほんとについ最近のことですが…)
たとえば、
今、ちょっと看護から離れようとしている人も、
実際に看護から離れている人も。
たとえ現役で看護師として働いていなくても、
看護の心や経験の土台となる感性は、
養われていくのだと思います。
そして、もうひとつ気づかされたもの。
それは患者さんの命を、人生を、
大切に想っている人が沢山いる、ということ。
病棟でお会いする一部のご家族だけでなく、
想像もできないくらいたくさんの人が、
患者さんのことを想っています。
当たり前のことですし、
わかっていたつもりでしたが…。
患者の家族という立場になったことで、
お一人おひとりへの看護を
重く、大切にしていきたいと思い直しました。
嬉しいことも 悲しいことも
人として 看護師として
自分の成長につながるように
前向きに吸収していきたいですね。
次回は、数少ない、
おかあさんと私だけのエピソードです。
梅が満開になる前までには
更新できるよう頑張ります!
インフルエンザが猛威を振るっております。
どうか対策をバッチリと!
それではみなさま、
ご自愛なさってくださいませ。
マツコ