Vol.0096 誕生と死[2016/10/21更新]
みなさん、こんにちは。
マツコです。
気温の変化が激しい日々でしたが、
ようやく今週末あたりから
秋らしい気温に落ち着きそうですね。
マツコが妊娠したのも、
ちょうど2年前の秋口でした。
産婦人科に行って、それが確定とわかり、
まだ豆つぶのエコー写真を持って義実家に行き、
直接、報告することにしました。
義実家に到着すると
義父はまだ仕事から帰って来ておらず、
義母が迎えてくれました。
この、うちの義母(以下おかあさん)。
THEお姑さん
というタイプには、どれにも当てはまらない
ものすご~く、さらっとした方で
例えていうなら、ネコのようなひと。
干渉はまずしないし、
その分、そんなに簡単には心を開いてはくれない(笑)
今、一緒に居間でお茶を飲んでいたかと思うと、
スルッと自分の部屋に戻ってしまう。
マツコはおかあさんの携帯番号はもちろん
メールアドレスさえ知りません。
2人きりで出掛けたこともないし、
マツコを呼ぶときは「彼女」って呼ぶのが基本。
名前で呼んでくれたのは……2回だけ(笑)
でも、冷たいわけでも、
意地悪なわけでもありません。
ほんとうに、つかず離れず
(ネコのように)見守ってくれています。
そんなおかあさんとは対照的に
マツコは、犬っぽい性格。
すぐにお腹を見せちゃうし、シッポも振っちゃう。
だから、はじめはそんな
「ネコ型おかあさん」との関係に
ちょっぴり悩んだこともありましたが、
義父(以下おとうさん)や義妹、夫から
「おかあさんはそんな人」
と教え込まれ(笑)、
マツコも徐々に気にならなくなり
「おかあさんはそんなひと!」
と思うようになりました。
だけど、どんなに“嬉しい報告”でもあっても
やっぱり、おかあさんと2人きりだと緊張する~!
と、思っていたマツコに
トンッ、とあったかいお茶を置いて一言。
「ねぇ、もしかして…?」
ニヤッとニヒルな笑顔で、
マツコをのぞき込むおかあさん。
「そうなんです~!」
緊張もどこへやら。
ニヤニヤしながら
豆つぶのエコー写真を出そうとしたら
「うれし~い!!!」
これ以上ないほどの笑顔で手を叩いて、
何度も、嬉しい!
を連発するおかあさん。
こんなに感情を爆発させたおかあさん、
見たことありませんでした。
それを見て、
ついつい涙ぐんでしまいました。
検査薬で分かった時も、
産婦人科でエコーを見せられた時も、
実の親と電話で話した時も、
涙なんて出なかったのに。
だって、後にも先にも
こんなにこの生命の誕生の喜びを
表現してくれたひと
いなかったもの。
それが、あの普段ひょうひょうとしている
おかあさんだなんて
今でも、
あの場面は鮮明に覚えていて
思い出しては涙が浮かぶ。
それは、とても嬉しいことだったと同時に
マツコにとっておかあさんとの、
数少ない大切な思い出です。
そう、そんな秋の日から、
2ヶ月経ったある日。
「わたし、死ぬかも…」
と、
おかあさんが突然身体の不調を訴え、
受診後、すぐに入院となってしまったのです。
…今回は、ここまで。
このお話を書くこと、
ずっと、ためらっていました。
だけど、
おかあさんの闘病生活を通して
マツコが家族として、
看護師として考え、思ったことを、
数回に分けて、お伝えできたらと思います。
どうぞ、お付き合いのほど、
よろしくお願いします。
マツコ