Vol.0092 想定外と医療現場[2016/04/22更新]
みなさんこんにちは。
熊本を中心とする地震が発生して、1週間が経ちました。
今なお、体感する地震が頻発し
多くの方が避難生活をされています。
気象庁からの発表でも、今まで観測したことがない地震、
予想ができない地震とあり、今後どうなるのかわからない状況。
ただただ、早く落ち着いてくれることを祈るばかりです。
私たち医療従事者が災害時にまず行うことは
入院患者さんの安全確認ですが、
その際、
医療機器が”自家発電のコンセント”につながっているか
ということも、
必ずチェックするポイントですよね。
看護師が勤務交代時や巡回時に、
このチェックを必ず行っている施設もあります。
医療を行うにあたって、医療機器はもちろんのこと、
それを動かすための電気は必要不可欠なもの。
特に、重症患者さんの場合には、
絶対に止まってはいけない、
直接命に関係するような機器がたくさんあるので…
ICUや救急救命病棟などは、自家発電のコンセントだらけ。
しかし、今回の震災で、
病院の救急救命病棟の自家発電が壊れてしまう、
という事態が起こりました。
きっと、それだけ強い地震で、
揺れだけでもスタッフは十分怖かったでしょうに…
命綱の自家発電が止まってしまったという想定外の事態は、
ほんとうにパニックだったのではないかと思います。
今回の地震でも、
さきの東日本大震災でも多くの”想定外”が発生しました。
災害対応の”想定の範囲”を拡げなければならない、
そういうタイミングなのかもしれません。
(さすがに、すべてを想定することはできませんが…)
熊本を中心とする今回の九州での地震。
何か力になりたいと思いつつ、
何もできないことに歯がゆい思いをしている
医療従事者の方も多いと思います。
しかし、たとえ直接的には貢献できなくとも、
普段の点検・補充の見直しや、自家発電が故障した際の対応など、
明日来るかもしれない”もしも”に備えることこそが、
私たち医療従事者にとって重要なことなのかもしれません。
被災された方々が少しでも早く、
心も体も休まる日がきますように祈りつつ、
自分の今できること、やるべきことを大切にし、
自分ができる支援を行いたいと思います。
マツコ