Vol.0070 一方通行の善意[2015/03/06更新]
ここ最近「一方通行の善意」、
について考えることが多いです。
私自身は八方美人な性格のせいか、
基本的に人に喜んでもらいたい、
と考えて行動しています。
でも、なかには、
私の行動が逆に相手を困らせてしまうような
「一方通行な善意」になってしまったケースも、
多々あると思います…。
一方的な善意。
もちろん、自分の中では「100%良いこと」
と信じてやったことばかりです。
まさか相手が、
困っているとか、迷惑しているとか、傷ついているとか
まったく気がついていない。
でも、これって、
本当はもっと気をつけなければならない問題、
だと思います。
単に配慮に欠ける言動であれば、
正面を切って怒ることもできるのですが…
一方通行の善意については、そうはいきません。
イヤな思いをさせられた人が、
反対に気を遣って対応しなければなりません。
(親切でしてくれたことに、「迷惑です!」
なんて、とても言えませんよね)
「相手にとって良いこと」と信じて、自分の考えを疑わない。
「相手の気持ち」を、考えたつもりになっている。
きっと、そうした配慮や、優しさの不足が、
「一方通行の善意」の発生原因なのだと思います。
このようなことは
些細な日常にも多く潜んでいますし、
私たちの医療の現場にも、よく見かけられます。
昔、「ブラックナース」と呼ばれ、
ものすごく恐れられていた、ある先輩ナースの言葉が、
ずっと忘れられずにいます。
「優しいだけの看護師に、なってはいけない」
「清潔ケアで満足する看護師に、なってはいけない」
いつもニコニコ、
患者さんの訴え通りに援助をするナース。
後輩のお手伝いも、
進んで行ってくれる先輩ナース。
本当は、自分で拭くことができるところまで、
丁寧に清拭をするナース。
一見どれも親切で、優しくて…
患者さんからも同僚からも好かれそうなナース。
しかし、これらのなかにも、
「一方通行の善意」がひそんでいる、
とマツコは思います。
一歩間違えると、
手を出してしまうことが、
相手の回復や、成長の機会を奪ってしまうことにも、
つながりかねません。
もし相手のことを本気で考えるならば、
自らが助けるだけでなく、
時にはグッと我慢して見守ることも必要だと思います。
もちそん、相手の状況によっては、
いつもより手厚いサポートをすることが、
かえって相手のプラスになることもあるので、
「相手のため」になる行動って、本当に難しいと思います。
あの頃は、
“怖い人が言っていること”
としか思えませんでしたが、
とても意味深い大切な言葉だったんだ、
…と今では思います。
看護とは少し離れてしまいますが…
先日、東日本大震災の被災地の方より、
一方通行の善意について、
話をお伺いする機会がありました。
震災から月日が経つにつれて
ボランティアの人数も減り、頼める作業も減ってきているため、
各地でボランティアセンターが閉鎖されています。
しかし、
ボランティア活動をコーディネートする組織がなくなったことで、
「何かの役に立ちたい!」
という人々からの連絡が、
現地の方々に直接入るようになったそうです。
「若者30名でボランティアにいくので、
何かできることを用意してください」
というような連絡があるようなのですが…
現地の方々は、
ボランティア活動のコーディネートが専門ではないため、
そのような依頼に応えるのは、思いのほか大変な作業。
本業を一時的にストップして対応する必要があったりなど、
反対に困ってしまうケースも多いとか。
このように、
真剣に考え、行動をおこしている人の善意が、
すれ違ってしまうのは、とても残念なことだと思います。
よかれと思ってとった行動が、
一方通行の善意にならないためには…
やはり、
相手の状況や気持ちを理解するための
努力が必要なのだと思います。
人間誰しも(もちろんマツコも…)、
自分基準でものごとを考えがち。
「相手の立場で物事を考える」
簡単なようですが、
つねに意識していなければ、
なかなか難しいことだと思います。
せっかくの善意が
独りよがりになってしまわないように…
相手とのコミュニケーションを大切にしながら、
「本当に相手のためになること」を考えて、
行動していきたいですね。
マツコ
※今回の記事はブログを読んでいただいた方よりご指摘をいただき、大幅に書き直しました。
貴重なご意見に心より感謝いたします