看護師さんのお仕事は、夜勤が多く勤務時間が不規則な分、お休みも多いため、空いた時間を使って副業(ダブルワーク)をしている方が少なくありません。しかしながら副業でアルバイトをする際には、いろいろと気を付けるべき点があります。
このページでは、看護師さんがダブルワーク(副業)をする際の注意点、メリット・デメリット、確定申告などについて、詳しく見ていきましょう。
看護師のダブルワークのメリット・デメリットとは?
ダブルワーク(副業)のメリット:経験を積める・給与面での待遇がいい
仕事内容にもよりますが、ダブルワークをすることによって経験できる業務の幅を広げられる特長があります。同じ看護師の仕事をしていれば、自分の本業で働いている職場以外の仕事内容も経験することができるので、キャリアの形成や今後の方向性を決めるのにも役立ちます。
また、看護師としてWワークに取り組むなら給与面での待遇も良いことが多いので、短時間で効率よく収入を得ることが可能です。看護職の場合、短時間の勤務形態として多いケースが夜間勤務や健康診断の採血スタッフ、クリニックの短時間勤務スタッフなどです。就業形態を派遣やパート・アルバイトにすることにより勤務時間にも融通がきき、都合の良い日程や時間に合わせ、スポット的に働くといったこともできます。
ダブルワーク(副業)のデメリット:休暇が取りにくい
ただし、本業以外の仕事をしている時間に身体を休めることが難しくなります。看護師の仕事には多くの知識や経験が必要とされることに加え、多くの場合は体力的な余裕も大切です。基本的に重労働ですから、休暇日にしっかり身体を休めたいところですが、ダブルワークで勤務時間を増やせばその貴重な休憩時間を満足に取ることができず、業務に支障をきたすことも考えられます。
本業バレにも注意
また、本業における就業規則で副業が禁止されている場合、副業していることが、メインの勤務先にバレてしまうと処分を受ける可能性もあります。もし、退職処分のような厳正な処分内容にまでは至らなかったとしても、職場の中で働きづらい雰囲気になってしまうこともあるので注意が必要です。
看護師がダブルワークをするときの注意点とは
国家公務員・地方公務員はそもそもダブルワークNG
国立や公立の病院で働く看護師は、国家公務員や地方公務員の扱いとなります。公務員は法律で副業が禁止されていますので、国立、公立の病院で働いている看護師がWワークをすると法律違反となってしまいます。よって国立、公立の病院で働いている看護師の場合は、副業そのものが行えません。
私立の場合は就業規則をチェック
一方、私立の病院では副業を行っても良いとされている所も多くあります。ただし、私立の病院であっても副業が禁止されている場合もありますから気をつけましょう。もし副業が禁止されている場合は、病院の就業規則に必ず記載がありますので、確認してみると良いでしょう。もし、副業が禁止されている医療機関でダブルワークをしていることが知られてしまったら処分の対象になる可能性もありますし、職場の雰囲気によっては処分を受けることで現場に居づらくなるという事態も起こりかねません。
副業(ダブルワーク)が許可されている環境の場合でも、特に看護師という業務の特徴上副業を行う際には体力の配分に注意した方がいいでしょう。副業での業務の疲れが原因で本業に支障が出るようでは問題がありますし、万一体力の消耗が原因で業務上重大なミスをしてしまうようなことがあれば、看護師という職業そのものを続けられなくなる可能性があることも考えておかなければなりません。
副業(ダブルワーク)をすることによって、収入が増えたり働き方の幅が広がったりするなどメリットも多くありますが、無理なダブルワークを続けることで本業の業務に支障をきたさないようにしましょう。看護師は人の生命を預かることで大きな責任の伴う職業です。副業をするなら無理の無い範囲で、本業に支障をきたさないように行いましょう。
副業(ダブルワーク)で得た収入が年間20万円を超えた場合には、年度末に確定申告を行う必要があります。確定申告をすることによって、所得税と住民税の納付を行います。所得税の確定申告は毎年おおむね2月中旬~3月中旬ころまでが提出期間となります。期間中に指定されたフォーマットへ収入や税金などの額を記載して、地域の税務署に提出するという流れで行います。また、直接税務署に行かずにインターネット経由で申告書類を提出する方法も選択できます。 書類の書き方がわからない場合、税務署を訪ねて問い合わせれば詳しく教えてもらえます。また確定申告の書き方について解説したサイトや書籍も多く出回っていますので、確認しながら正しく書類を作成してください。確定申告の書類を数値の入力だけで簡単に作成できるソフトもいくつか提供されていますので、PCソフトで確定申告書を作りたい場合にはそれらを利用してみるのも良いでしょう。 ダブルワーク(副業)による給与所得が20万円を超えていて給与からの源泉徴収も行われておらず、なおかつ確定申告をしなかった場合には税務署から通知が来てしまいます。これは事実上の脱税に該当しますから気をつけましょう。なお、副業での給与所得が20万円以下の場合には確定申告の義務はありませんが、住民税の納付は必要です。 本業の職場に副業をしていることを秘密にしている場合、住民税の納付には注意しておく必要があります。住民税は職場から徴収される「特別徴収」と自分で納付する「普通徴収」の2種類があります。住民税が職場から徴収される特別徴収の場合、役所から職場に「本業収入と副業収入を合わせた分の収入に対する住民税の金額」が通知されます。この住民税の金額が大きすぎると、経理の人が疑問に思って職場に気付かれるというパターンも少なくないようです。 本業の職場に副業を知られたくない場合、住民税の徴収方法を副業の分だけ自分で税金を納める「普通徴収」にすることが可能かどうかをまず問い合わせておくと安心でしょう。「普通徴収」での納付が可能な場合には、副業における年末調整書類の住民税の欄で「普通徴収」に丸をつけて提出するようにします。これで副業の給与所得が合算されて計算されることはなくなるので、住民税から副業がバレてしまうことを防げるでしょう。 スーパーナース編集部 看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。年間20万円を超えたら2月中旬~3月中旬までに確定申告を!
確定申告用PCソフトが便利
住民税の納付は要注意!
副業先の住民税を「普通徴収」にすればOK
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。