こんにちは
いつもどこかに猪突猛進の花子です🌸
看護師を続けていると、新卒さん または中途採用さんの指導を任されることってあると思います。
持論ですが、新人さんが病棟にスムーズになじめるか、これは指導係の腕の見せ所だと思うんですね。
それが、何かの間違いで、復帰2年目にして、花子に指導係の大役がまわってきてしまいました。
今回は、未熟者が指導係になったらどうなるかというお話しです。
指導係になるの早くないか? と感じたあなた! 正解です。
10年ブランクの復帰2年目に指導係を任せるなんて、滅茶苦茶な話だと思いますよ。どう考えても役不足です。
しかしですね、この病院は常時人手不足。その上、スタッフは個性的「私やらないよ!」と一蹴する猛者達。
で、回りまわって花子に。決して適任だからじゃなく、やる人がいなかったという後ろ向きな理由で指導係に選ばれたのでした。
師長さんは、花子さんが一番入職者の気持ちが分かると思うから なんて言ってましたが、
肝心の指導力が未熟だということ分かってます?・・・不安しかないです。
指導をする相手は、50代の男性看護師 竹田さん。病院勤務の経験はなく、介護施設のベテランナース。「病棟勤務に興味がある」という理由で。
えっと、難易度高くない? ”経験ゼロ”か(* ̄- ̄)・・・萎える。
しかし、萎えた瞬間、ある考えが頭をよぎった。花子も入職した時、引かれたのかなーと。
そうだ、花子も同じ未熟者、竹田さんの仲間なんだよ。いつの間にか、あちら側の人間になった気でいた。
よし!竹田さんの挑戦する気持ちを応援する、そんな思いで関わろうと思い直しました。
師長さんより指令が下る。「来月、夜勤に入ってもらうから、病棟のことざっと教えておいて。」
タイムリミットは、1ヶ月後だね。それまで、竹田さんに詰め込むよ!
まず、バルン交換や点滴・採血といった病棟でよくやる技術の確認からとりかかった。
“No.10 崖っぷちの花子”でも書いたけど、手技は花子流と自負している。他人様に教えるような立場ではない。
故に竹田さんの手技に対しても「そういうやり方もあるんですね」というスタンスである。
いい加減なチェックのため、早々に技術確認はパスしたが、他のスタッフから、清潔不潔の区別がメチャクチャだと苦情がでることもあった。まーそうなるわな(-_-;)
花子に、確かな技術と知識があれば、竹田さんはレベルアップしたに違いなく・・・その点は、大変申し訳なかったと思っている。
竹田さんに教えられることといったら、メモ魔花子が入職してから書き留めてきたことを伝授することのみ。
これに関しては、惜しみなく、竹田さんへネチネチ教え込んだよ。
竹田さんは、静かに聞いていた。聞いていたが、なんか足りない。
そう、メモを一切取らない人間なのである。覚えられるのかなーと気掛かりだったが、案の定、同じ説明を何回もする始末。
うちの病院は、各ドクターにカラーを設定している。アイドルのメンバーカラーみたいなやつである。「この色って何先生ですか?」・・・(正直耳タコ)
こんな感じで、花子は、根気よく説明し続けた。
その上、竹田さんは、アイアンハートのポジティブ思考の持ち主。
花子のチキンハートでネガティブ思考とは真逆な人間なのである。
何事に対しても、焦ることは無く「なんか問題ですか」の風格をまとっている。
患者さんのspo2が下がっても動じない。「なんか問題ですか」で押し通そうとする。
うっかり「問題ねーです」っと乗りそうになるが、そうもいかない。
花子は通常業務に加え、竹田さんのフォローで、もういっぱいいっぱい。病棟中を駆けまわる。仕事が終わらず、連日残業ですよ。
最後のほうは、花子の情緒がおかしいことになっていた。
竹田さんの些細なことにイラつく、声掛けも厳しめになってくる。
初心の“竹田さんの挑戦を応援する気持ち”なんて、どっか吹っ飛んでしまった。
一か月後、竹田さんは、無事に夜勤勤務に入り、花子の役目も終えましたよ。
お恥ずかしい話になってしまいましたが、これが、未熟者が指導係を引き受けた結果です。
花子本位の対応しかできず、竹田さんの立場になり、教えることが出来なかった。
それは、花子自身が、独り立ちできていないからだ。そして、気持ちに余裕がなかったのが、敗因だと思っています。
次こそは、指導係がんばるぞ!