看護師として仕事を続けていると「仕事がきつい」「人間関係がうまくいかない」などの、不安やお悩みは尽きないものです。「周りはみんながんばっているし、こんなことで悩むのは私1人?」など、さらにネガティブ思考にはまって眠れなくなることもあるかもしれません。
しかし、ナースのお仕事はそれだけハイレベルともいえます。同じような悩みを抱えたことのない方など、ほとんどいないでしょう。
この記事では、転職を考えているナースに向け「転職は正しい選択か」「辞めずに続けるべきであるケースは?」など、今後を考える際に役立つ情報をご紹介します。
仕事に限界を感じて転職を検討すべきか迷っている方は、ぜひご参考にしてください。
転職を考える必要がある看護師の特徴とは?
「看護師を辞めたい」と考えているナースは少なくないかもしれません。しかし、実際に転職に踏み切ったほうがよい状況の人もいれば、辞めずに続けることで乗り越えられる人もいるでしょう。
たとえば、「なんとなく疲れたから」という単純な理由と「激務な上に給料は低いままで、数年後の自分さえ想像できない」という切実な状況とでは、かなり事情が異なります。下記では、転職を真剣に考えるべき状況や、転職を検討する場合に次の職場でストレスフリーを実現するための注意点をご紹介します。
1.職場でいじめを受けるなど、業務外の要因で不利な状況に立たされている
職場で理不尽にいじめやパワハラなどを受け、ご自身に落ち度がまったくないのに精神的に追い詰められてしまっている人は、できれば早期に転職を考えた方がよいかもしれません。
逆に、「業務上の細かなミスなどが不安で仕事がつらい」という場合には、よほど病的な不安でないなら辞めるほどの理由ではないことが多いでしょう。逆にそれを「慎重さにつながる」と前向きにとらえ、スキルを磨けば乗り越えられるかもしれません。
2.体力以上の重労働で、体調を崩すのも時間の問題になっている
体力面で夜勤などのきつい業務に耐えられず、つねに体調の不安を感じているなら転職を検討した方がよいかもしれません。どんなに仕事にやりがいがあっても、心身の健康を損ねては意味がないからです。
看護師の仕事は夜勤や残業が付き物できついというイメージがありますが、健診主体のクリニックや病棟を持たない病院・診療科もあります。それらの医療機関に移ることで、夜勤など体力面で負担の大きい業務を回避できる場合もあるでしょう。
3.労働量のわりに給与が低く、生活に支障をきたすほど収入が足りない
「看護師は高収入」といわれることが多いものの、現実にはそれほどではないと感じている人も多いでしょう。昇給の見込みもないのに日々生活するにも精いっぱいの収入しか得られないという状況なら、思い切って転職を検討すべきかもしれません。
きちんと働くことでお給料をくれる場所は、現在の職場だけではないはずです。生活に支障をきたすほどのお給料しか貰えず、今後増える目処もないという方は、まず現状から、まず脱することが先決かもしれません。
いっぽう勤続年数で昇給が保証されている職場なら、現在のお給料は少なくても続けることでお給料が上がっていくでしょう。そういった職場にいるのであれば、まだ経験の浅いナースが今つらいからと簡単に辞めてしまうのは早計かもしれません。
4.残業や休日出勤が多く手当もないなど、ブラックな職場にいる
残業・休出だらけでろくに手当も出ず、パワハラやセクハラも横行している…… もし、今の職場がそんなブラックな環境であれば、たとえ現在の基本給が高くても健全な職場へ移ることをおすすめします。
看護業界に限らずブラックな職場には、労働者の人権を実質認めないような働かせ方を平気でおこなうところもあります。「職場のやり方が怖い」「人と思われていない」と日々感じているようなら、転職してでも早く逃げることでご自身を守るべきかもしれません。
転職するなら、求人の選択がポイント
看護師として働ける職場は多く、その特徴もさまざまなため、転職しただけで状況が好転するとは限らないのが難しいところです。現在のお悩みとその原因をきちんと再確認し、多くの求人から「悩み解決に近づける職場」を見つけることが、次の職場でストレスを引きずらないポイントです。
求人の探し方によっては選択肢がとても狭くなってしまい、せっかく転職するのに満足できる仕事が見つけられない可能性もあります。可能な限り多くの求人数をチェックし、ご自分に合う職場を探すことが大切。ハローワークや一般求人サイトだけでなく、「看護師専門の求人サイト」もチェックしてみましょう。一般のサイトには載らないレア求人が見つかることもありますし、サイト登録会員限定の優良求人情報なども定期的にチェックできます。
まとめ
この記事では、「転職すべき人と、逆にそうでない人」や、ナースが転職を考えるときに気をつけたいことについてご紹介しました。
転職すべきか否かを分けるポイントは、「生活や心身の健康に支障があるかどうか」であることが分かりますね。「仕事を続ける限りまともに生活ができない」「体調やメンタルの調子を崩しそう(もしくはすでに崩してしまっている)」と感じたなら、今の職場を離れることを優先した方がよさそうです。
生きることに前向きになれないほど辛いなら無理をせず、行動する気力を完全に失ってしまう前に転職を考えましょう。
そして、今ある問題をきちんと克服できるよう「まずご自身を守り、そして前を向けるようになるための仕事探し」に徹することが第一といえます。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。