憧れのテーマパーク、ディズニーランドで働く人たちの仕事内容は実にさまざま。看護師さんならご存じかもしれませんが、看護業務をおこなう「ナースキャスト」というスタッフさんもいます。首都圏など、ディズニーリゾートのお近くにお住まいなら「ぜひともディズニーランドで働いてみたい」と、思ったことがある方も少なくないでしょう。
この記事では、ディズニーランドで働く看護師「ナースキャスト」のお仕事についてくわしくご紹介します。
気になるお給料や待遇についても取りあげますので、ぜひご参考にしてください。
ナースキャストのおもな仕事内容、待遇や給与は?
ナースキャストの応募要件、給与・待遇について
ディズニーランドの求人を参照すると、ナースキャストの応募資格は以下のとおりとなっています。
・正看護師の免許を持っていて、かつ病棟で勤務した経験がある
・土日祝日を含めた週5日のシフト制で勤務可能
・1日あたり実働7時間程度の勤務が可能
上記の3つをクリアできる看護師さんは、かなり多いのではないでしょうか。
次に仕事内容ですが、「パーク内全8か所の救護室を拠点に、怪我や体調不良のゲストやキャストの救護・応急処置をおこなう」ことがメイン。その他、患者さんを病院へ搬送する際の付き添いや薬・備品などの管理、救護に関するカルテの記録や管理なども含まれます。基本は1拠点に3~5名のナースキャストが配置され、グループで業務にあたります。
ナースキャストの雇用形態は「準社員」となり、給与は時給制となっています。時給は勤務する時間帯に応じて変わり、「1,450~2,113円」の範囲内です。いわゆる「イベントナース」の時給とほぼ変わらない給与水準と考えてよいでしょう。なお、試用期間中の時給は1,350円となります。また経験に応じて、規定による昇給制度もあります。
その他の待遇としては社会保険、賞与の支給、入園に関する優待パスポートの発行、グッズ販売のキャスト割引などがあります。また通勤交通費が支給され、着替え手当という手当も付きます。それらに加え、キャスト専用のパーク貸し切りも年1回おこなわれています。
求人への応募倍率はとても高いように思われますが、応募資格の段階で若干ハードルを上げているためか、実際の倍率はそれほど高くならないようです。
ナースキャストの仕事は忙しい?
ナースキャストに「急病人が出たときだけ仕事をすればいいのでは?」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、シーズンによっては想像を絶するほどのゲスト数となるときもあります。すり傷に薬を塗ってほしいだけの人から病院搬送が必要な人まで、実に多くの患者さんを看なければならなくなる日もあるでしょう。
実際に、ナースキャスト経験者さんの感想には「救急外来や病棟勤務のときと同じくらい忙しい日もあった」という意見も。また、外国人観光客など、日本語以外での対応が必要となることも少なくありません。
救護や応急処置の対応だけでも決して楽な仕事ではないうえに、パーク内には救急車があるため患者さんの搬送もナースキャストがおこなう場合があります。日によっては、かなり忙しいときもあることを覚悟したほうがよいかもしれません。でも、「夢の国」であるディズニーランドの安全と安心を支える一員として活躍したい!という強い意志をお持ちなら、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。
ナースキャストに向いている人とは?
ディズニーランド自体が楽しむための空間なので、ナースキャストもゲストにできるだけ楽しんでもらえる雰囲気を作ることが求められます。医療のお仕事ではありますが、サービス業の要素も大きくかかわってくるでしょう。笑顔でゲストに対応できることや、不安を抱えたゲストにも安心していただける救護ができることなど、接客のお仕事に近い側面も持ち合わせています。ナースキャストのお仕事には、救護・看護の技能のみならず「誰かを楽しませられる」「人を安心させられる」というヒューマンスキルも必要になってくるでしょう。
ナースキャストとして働くにあたっての注意点
お給料は病院アルバイトのほうが高給なことも
志望する人が多いことで知られるディズニーランドのキャスト業務ですが、給与面での優位性は高くありません。病院の外来や病棟でアルバイトしたほうが、高いお給料をもらえる場合もあります。それらの要素を鑑みても、ナースキャストのお仕事は「夢を追い、夢を売る仕事」であるといえます。お給料より「夢の国づくりにかかわれること」のすばらしさを優先できるかどうかに、ナースキャストとして長く働けるか否かがかかってくるでしょう。
裏方に徹することができるかが大事
ディズニーランドのキャストといっても、終日ゲストと触れ合える場内スタッフやグッズ販売員のような華やかさは、ナースキャストのお仕事にはあまり期待できません。意外にゲストと交流できる機会は多くありませんし、開催されているイベントやアトラクションの現場を目にする機会も思ったより少ないでしょう。裏方として縁の下の力持ちになりきれるかどうかが、ナースキャストの心構えとして大切になるはずです。
まとめ
夢の多いナースキャストのお仕事ですが、実際のところ長く続けられる人はそれほど多くありません。「イメージと違った」と挫折してしまわないためにも、よく考えじっくり検討してから応募することをおすすめします。ただし、ナースキャストの求人は募集人数の少なさという観点では「レア求人」であることに間違いはありません。随時募集があったとしても、採用人数はきわめて少ないことが予想されます。ディズニーリゾート公式の求人サイトを日ごろからまめにチェックして、淡々と応募のタイミングを待ちましょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。