はじめて派遣で働く看護師さんにとっては、わからないこと、不安を感じることが多々あるかと思います。実際に働き方やルール(法律)については、正職員と異なるケースもあるため、働き始める前に、疑問や懸念をクリアにしておくことが大切です。今回は派遣ではじめて働く看護師さんから良くいただく質問をご紹介します。
派遣看護師はどんな仕事が多いのですか?
看護師さんの派遣で、ご依頼が多いお仕事として、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・有料老人ホーム・デイサービスなどがあります。こうした施設を利用する患者さんの健康管理や処置に関する業務が、おもな仕事内容となります。これらの施設は、派遣での就業が可能なため、必然的に数が多くなります。
一方で、病院やクリニックといった就業先は派遣が原則禁止されていますので、本来は就業不可となりますが、将来正職員として採用されることが前提の「紹介予定派遣」、産休や育休で欠員が出ているお仕事先で一時的に勤務の穴埋めをする「産育休代替派遣」という働き方であれば、病院やクリニックへの派遣就労が法律で認められているため、業務内容も正職員同様、多岐に渡ります。
もし職場(派遣先)でトラブルがあったらどうすればよいですか?
人間関係や業務上のことでトラブルに遭遇したら、職場の上司ではなく派遣会社に相談しましょう。派遣契約では、看護師が雇用契約を結ぶのは派遣会社であり、勤務先ではありません。派遣先と看護師との間に入っている派遣会社に相談すれば、穏便にトラブルを解決してくれるはずです。そのためにも、派遣会社に状況を客観的にわかりやすく説明できるよう、トラブルの経緯や事実関係を具体的にまとめておくとよいでしょう。
契約期間が過ぎたら、必ず職場を変わらないといけない?
勤務先によって異なります。最初から期間限定のお仕事の場合は、契約満了で終了となりますが、契約期間を延長することで、継続して働き続けられるお仕事先もあります。一つの病院や医療施設(事業所)で働ける期間は最長3年と法律で決まっているため、その期間内であれば、契約更新することで、同じ職場で継続して働き続けることができます。派遣で働く場合、必ず契約書に勤務期間が明記されます。忙しく働いていると、ついついうっかりしてしまいがちですが、契約満了1か月前になったら、更新するのか終了するのか、必ず派遣会社に確認しましょう。
派遣の場合、有給休暇はないのですか?
派遣として働く場合でも、6ヶ月以上の継続的な勤務がある場合は、有給休暇は付与されます(正確には雇い入れの日から起算して6ヶ月が経過し、かつ所定労働日の8割以上出勤した時点で発生します)。これは派遣に限った話ではなく、バイトやパート等のお仕事であっても同様です。付与される有給休暇の日数についても、勤務日数に応じて明確に定められています。
派遣で働く場合、雇用契約は派遣会社と間で結ぶため、有給を付与するのは、実際に働く派遣先の病院や施設ではなく、派遣会社となります。また複数の派遣先をまたいで6か月継続勤務した場合であっても、有給は問題なく付与されます(ただし、ひと月以上間を空けないことが前提です)。同じ派遣会社にて、複数の派遣先で勤務する場合などは、有給がもらえる条件を自分でも把握しておくとよいでしょう。
勤務時間外のミーティングに参加しないといけないでしょうか?
実際に働き始めると、忙しい職場では契約している時間外のミーティングに参加するよう言われることもあるでしょう。上司からいわれるとはっきり断れないことも多いと思います。無理して参加しても時間外だと時給がつかないのかなど、いろいろ気になりますよね。こうした時間外の扱いが契約書に明記されていない場合は、派遣会社に相談しましょう。派遣契約の詳細を上司が把握していないことも珍しくないため、「時給を追加で払うから参加してほしい」「時給が発生するなら参加しなくてよい」など、お金に関することは派遣会社に調整してもらうほうがスムーズです。
看護師派遣のよくある質問 まとめ
新しい職場で働くときは、不安なことがたくさんですよね。派遣のよいところは派遣会社が自分の盾になってくれる点です。職場で直接いいにくいことは派遣会社の担当から上手に伝えてもらう、ひとつの職場に縛られずに豊富な求人情報や業界動向をもとに将来はこういう仕事がしたいというキャリアについて相談するなど、派遣で働く場合は間に入っている派遣会社を賢く活用できるとよいでしょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。