Vol.0076 宇宙人と呼ばれたドクター[2015/05/01更新]
皆さまごきげんよう。
すっかり春らしくなった今日この頃
いかがお過ごしですか?
気づけば、もう
ゴールデンウイーク!
お休みの人も
そうでない人も
この時期特有の気持ちの良い気候に
ついついお出かけしたくなりますよね♪
あまりアウトドア体質ではないマツコも
芽吹き始めた緑を求めて
出掛けたくなってしまいます!
さて、前回のブログでは
言いたがりさんの歯医者さんの話をしましたが、
今回はその逆!
とくかく寡黙!!
何か言葉を発しても
えっっ!?
と聞き返したくなるほど、小さく聞こえづらい!
そんな先生のお話です。
その先生は、当時の院長に
「君が宇宙人と呼ばれている先生かね。」
と尋ねられた逸話を持つ方でした。
何が宇宙人かというと…
男は黙って~!
オぺっ!!
男は黙って~!
処置っ!!
男は黙って~!
外来っ!!
って、黙って外来はできませんが…
ひたすら寡黙(無愛想?)を
貫き通していた方でした。
まるで、何年か前の芸人ネタのよう(笑)
いや、笑えないんです…
本当に、コミュニケーションが取れなくて…
指示をもらうのも一苦労でした。
電話で指示を仰ごうと思ったら
こちらが話している最中に
“ツーツーツー…”
と電話が途切れる始末。
先生に指示を貰いたいときは、
“YES or Noで答えられる質問“にする!
ということが鉄則でした。
とはいえ、
「YES」や「No」で明確に指示をしてもらえるかというと、
そういうわけでも、ありません。
例えば、
「(患者さんは今)こういう状態なので、こうしますね」
とこちらが言って
「無言」or「電話を切る」
→YESと判断
小さな声で微かに「ぃゃ…(ちがう、そうじゃない)」と言われたら
→Noと判断
という、特殊な判断が必要でした。
もう!
先生用に「YES No枕」を用意したかった!!
ちなみにマツコの看護師歴上、
びっくりしたランキングで上位にランクインすることが、
この宇宙人先生との間でありました。
それは、
転職したてで、
まだ不慣れな処置介助についた時でした。
不慣れな介助ってだけでも
めちゃくちゃ緊張していたのに
まさかのお相手が、噂の宇宙人先生!
緊張ガチガチです。
で、案の定スムーズに介助できず
処置開始直後に
「チェンジ」
へっ?
今なんと(おっしゃいましたか)?
ちぇ…ちぇんじ!?
鳩が豆鉄砲食ったように
ぽか~んとしているマツコに
「○○さん呼んできて」
とボソっと追い打ちの一言。
先生が唯一心を許していた
大先輩をご指名されたのです。
夜のお仕事じゃないんだから!
チェンジって!!
でも、そんなこと言えるわけもなく
「チェンジって言われました…」
とすぐさま先輩に報告しました。
先輩は大爆笑!
笑い事じゃないですよ…。
曲がりなりにも、看護師4年目。
もう、めちゃくちゃへこんじゃいました。
しかし、こんな風に寡黙な人が
ふとした時に見せる
姿にドキっとすることってありませんか?
それは、突然やってきました。
宇宙人先生のまた別の患者さんの介助についた時です。
前後の会話は忘れたのですが…
「フッ( ̄ー ̄)」
っと、ニヤっと…
宇宙人先生が笑ったんです!
これには、私も患者さんもびっくり!
「先生、今、笑いましたね!」
と患者さんがツッコんだほどです。
その後は、いつものクールなお顔でしたが、
先生が去った後も
患者さんとマツコの興奮は
なかなか冷めませんでした。
ちなみに宇宙人先生は、
コミュニケーションは取りづらい方でしたが
オペの腕も
その後のオペ後の患者さんの管理もスマートで
いわゆる「敏腕医師」でした。
ですから、
先生が受け持つ患者さんのほとんどが
スムーズに退院されていました。
しかし、やはり中には時々、
入院が長引いてしまう患者さんもいらして、
その患者さんは、すでに2ヶ月近く入院をされていました。
しかし、普段寡黙な先生の思いがけない笑顔を見て、
興奮冷めやらない患者さんは、
「私、2ヶ月近く入院してるけど
先生が笑ったの初めて見たわー!」
とニコニコが止まりません。
マツコも
「私も、見たことありませんでした!
良いものを見ちゃいましたね!!」
と二人で、しばらく笑い合っていました。
この患者さんは
長期に渡って苦しい入院生活を
送っていらっしゃったので…
笑顔になって下さったことが
とても嬉しかったを今でも強く覚えています。
ちなみにこの患者さんは
この後、治療を経て元気に退院されました!
世の中、色んな人がいますが
先生もまた色々…。
新人の時は、なかなかその見極めや対応ができず
落ち込んでしまうこともありますが…
このように、何気ない日常の中の小さな出来事でも
ず~っと心に残ることも
看護師をしていたら沢山あります。
つらい!しんどい!
の中にも
楽しい!嬉しい!
ことを見つけながら
看護師ライフを楽しんでいきたいですね♪
マツコ