Vol.0060 ナースにとって、イヤな音。 [2014/12/19更新]
皆さまごきげんよう。
マツコです。
今回は、「看護師さんと音」について、
お話したいと思います。
「音」
と聞いてみなさんの
思い浮かぶものは何ですか?
・ナースコール
・電話
・アラーム音
・転倒音
などなど…
マツコが思いつくだけでも、音には色々あります。
まず、ナースコール。
明けの朝の時間や、お昼など、
看護師が手薄な時間の鳴り止まないナースコールに
泣きそうになったことも何度かあります。
同じ病室にいるのに、
ナースコールを鳴らす方も
中にはいらっしゃいます。
ナースコールを手首にぐるぐる巻きにして
押し続ける寂しがり屋の患者さんもいます。
急変を知らせるものから、
TVのチャンネルを変えるだけのものまで
内容も色々です。
次に、電話。
マツコが新人時代を過ごした病棟では、
電話とナースコールは、
基本新人が一番に出なくてはいけませんでした。
とはいえ、先輩も同じ文化で育ってきたため
取るのがとても早いんです。
ですからそれに負けないように、
音に反応しなければいけません。
ワンコールどころか
「プッ」
という音が聞こえた時点で手を伸ばす!
ダッシュする!
おかげで、入職して一カ月が過ぎた頃、
買い物先の服屋さんで鳴った電話に
危うく出そうになりました。
実家の固定電話に、
「はい!○○病棟マツコです!」
と言って出てしまったこともあります。
そう、この頃には、
自宅に帰っても、ナースコールや電話、
アラーム音の幻聴が聞こえていました。
新人ナースあるあるです(笑)
ちなみにこの
「基本は新人が取る」というルールは、
もちろん新人いじめなどではなく、
“業務を覚える、初期対応を覚える”
ということが目的でした。
特に、夜勤に入る前にこれに慣れておかないと
人数が少ない夜勤で何かあった時に
対応できなくなってしまいますので。
しかし、
いつまで経っても慣れないのは、
アラーム音や転倒音。
アラーム音にも色々ありますが、
特に危険な異常を知らせるアラーム音は
本当に聞きたくない音です。
マツコは心臓系病棟でずっと働いてきたので、
昼夜問わずこの音が鳴り響く危険が常にあり、
音が聞こえた瞬間、モニター前にダッシュ!
モニター確認をして、機械の誤作動ではなく
本当に異常であれば、病室にダッシュです!
あとは、転倒音と書きましたが
とりあえず何か落ちた音や、
「いつもと違う音」に、
看護師さんはとても敏感ですよね。
休憩をしていても
「今、何か聞こえなかった!?」
という会話が飛び交うなんて日常茶飯事。
ナースステーションから遠い部屋や
どうしても死角になる場所があるため、
小さい音でも
「んっ!?」
と思ったら、確認に行きます。
でも、転倒した時の音だけは、
独特で、すぐにわかるんですよね。。
以前、電車に乗っていて乗客が倒れた時も
イヤホンをして寝ていたにも関わらず
倒れた瞬間
「ああ~、絶対誰か倒れた!」
とわかってしまいました。
勘や緊張感は、
なかなか鈍らないものですね…。
さて、ここまで書いてきたのは
院内バージョンです。
それぞれ、
院内で聞く音も心臓に悪いのですが、
病棟看護師の心臓に悪いのが、
プライベート時に鳴り響く
“病棟からの電話”です。
もう、いやー!!
恐ろしすぎるー(≧△≦)
何が嫌かって!?
それこそ、
明けだろうが関係なく昼夜問わずかかってくる
病院からの「ご確認の電話」ですよ…。
そう、仕事の漏れや、最悪ミスです…。
それは以前、地方に住んでいた時、
東京の学会に参加したときのことでした。
前日、夜遅くまで働き、
その日は、早朝便で東京行きの飛行機に乗りました。
一緒に行った先輩とウキウキワクワク♪
学会とはいえ、東京です!
夜など空いた時間には、
観光もできちゃいます☆
ルンルン気分で、東京の地に足を踏み入れ
携帯の電源を入れた瞬間
血の気がサ―――ッと引きました…。
病棟からの着信のA・RA・SHI★
間違いなくマツコが何かやらかしたのです…。
「先輩、どうしよう…。折り返したくないよ~。」
と一応、泣きついてみたものの
「電話、するしかないよ…。」
…そうですよねえ…。
折り返しの電話先には、
冷やかな声の師長さんの声。
昨日、ズレて始まった抗生剤の投与忘れでした。
ああ、絶対あの言葉を言われる…
と思ったのもつかの間
案の定、
「東京に行くからって浮かれてちゃダメでしょ!」
あああ、やはり言われてしまった…。
そう、長期の休暇前や後などには
浮き立つ心を抑えつつも、
どこかでミスが起きやすい時です。
そんな時にミスなんてしたら、
100%上記のようなお叱りの言葉が降り注いできます。
もうね、自分が悪いんですが、
本当にこの電話だけは嫌です。
もう一つ、電話で嫌なのが、
特にこの時期に多くなってくる
“勤務交代”を依頼される電話。
多くは、夜勤です。
体調不良はお互い様ですが、
もう、この電話につかまったら最後。
だって、元々交代できる人なんて限られていて
ターゲットを決めて掛けて来るんですもの。
よほどの用事がない限り、
「No」の選択余地はありません。
ああ、インドの時ようにノーセンキューと言いたい…。
でも、だいたい
「ミスの電話かもしれない」
と思ってビクビクして電話に出るので、
そうじゃないとわかったら…
ついつい気が緩んで
「いいですよ~」
と答えちゃいます。
まあ、本当にお互い様ですしね。
ただ一度だけ、病棟スタッフ間で
新型インフルエンザが大流行した時には参りました…。
次々にスタッフが倒れていく中、
元気なマツコは連勤続き…。
あの時ばかりは、健康な自分を残念に思いました。
しかし!
とうとうマツコにもその魔の手(救世主?)がきたのです。
早速、
「師長さん、どうも熱っぽくてフラフラします…」
と(笑顔で)訴えに行ったところ、
「ちょうど良かった!
今、スタッフ用に予防のためのリレンザが来たのよ!
今すぐこれを使いなさい!!」
と師長さんに、
到着したばかりのリレンザを手渡されました。
いやあ、効果絶大!
本当にさっきまでの症状が嘘のよう。
その後も元気に勤務を続けました。
(インフル願望がもたらした、気のせいだったのかも……)
ラッキーなのかアンラッキーなのか、
本当にネタになる経験を持つ星回りのマツコです。
と少し脱線しましたが、
このように、
看護師さんの周りには、いろんな「音」が溢れています。
その多くは、
あまり良い音ではないですが、
私たち看護師と患者さんを繋ぐ命の音もあります。
どんな時でも、そんな音に敏感に反応し
誠実に正しく向き合っていきたいですね。
最後に、唯一と言っていいかもしれない
看護師さんにとって素敵なプレゼントの音
「明日、患者さんが少ないから休んでいいよ」
というお電話が年末年始、
あなたの元に掛かってきますように!
マツコ