精神科の仕事内容
精神科の看護師の仕事は、おもに統合失調症、躁うつ病、人格障害、神経症、脳血管性認知症、アルツハイマー等の疾患を持つ患者さんのケアがメインです。
他の診療科との最も大きな違いは、患者さんの疾患の多くが、けがや病気ではなく「心の病」であること。そのため患者さんの心のケアが重要であり、必要不可欠です。とくに精神疾患の場合、治療期間が長く、完治しないケースも少なくないため、必然的に患者さんとの精神的なつながり、信頼関係が大切となります。
一方、精神疾患の場合、患者さんの状態をしっかり把握することが重要です。他の診療科では検査結果と照らし合わせて判断することができますが、精神科においては、目に見えない患者さんの微妙な変化を読み取ることが必要になります。また精神科は薬で治療するケースが多く、他の科に比べて投与される薬の量が多いため、投薬状況の把握・管理も重要なお仕事となります。
精神科で働く看護師さんの声
精神疾患、とくに急性期の患者さんの場合、自分の思っていることを上手に伝えられないことや、場合によっては話すらしてくれないこともあります。私も精神科で働き始めたばかりの頃はとても戸惑いましたが、「どうしたら患者さんが心を開いてくれるか」「どうすれば患者さんの役に立てるのか」を自分なりに考え、患者さん目線でコミュニケーションを図るように心がけました。
すると、次第に患者さんから話しかけられる機会が増え、信頼関係が構築されていくにつれ、私自身も患者さんの考えていることが少しずつ理解できるようになったのです。
一般病棟での検査や処置のような「目に見える看護」と違い、精神科の場合は、治療が長期間にわたり、患者さんが完治することも少ないため、他の診療科のように、患者さんが元気になっていくことによろこびを感じる機会は少ないのですが、それでも心を閉ざしていた患者さんが、笑顔を見せてくれたときなどは、涙が出るほどうれしくなります。
これからも患者さんとの信頼関係を築いて、私のモットーである「患者さんの心に寄り添う看護」を実践していきたいと思います。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。