看護学生がやりがちな失敗と悩み、その対策を解説!
看護実習では、「これはやってはいけない!」というNG行為がいくつかあります。
看護学生のほとんどは、社会人経験がありません。あってもアルバイトぐらいという人が多いのでは。
社会の中できちんとしたマナーや礼節を学んでいないと、普段何げなく行なっていたことが、看護学生がやってはいけない行為・看護師として失格の行動であることが多々あるのです。
そこで今回は、看護学生がやりがちなNG行為8つを【学生やりがち】【行動】【マナー】【患者さん】の4つのカテゴリーに分けてまとめました。
まずは、この記事【学生やりがち】編では、看護学生がついやってしまうNG行為を解説します。
先輩看護師が看護学生だった時の体験談や、失敗しないための対策も具体的に紹介しているので、看護実習を乗り切るためにぜひ参考にしてください。
→続く【行動】編では、看護学生がとってしまいがちな2つのNG行為を紹介します。評価はもちろんのこと、医療ミスにもつながりかねない重要な内容なので要チェックです。
NG① 小さい声、目を合わせない、萎縮する
看護実習で看護学生がやってはいけないことの1つ目は、小さい声、目を合わせない、オロオロ、ビクビクするといった、消極的に見える行動をすることです。
指導担当者は怖いし、患者さんとのコミュニケーションも慣れないことばかり。まだ経験が浅い看護学生にとって、看護実習は難しいことが多くて、自信がなくなってしまいますよね。
自信がなくなると、どうしてもしぐさや行動が萎縮しがち。
けれど、消極的な態度はやる気がない、元気がないように見えてしまいます。
特に、圧をかけられて逆質問された時などについついやってしまいがちですが、評価にも影響してくるので気をつけましょう。
失敗談「ビクビク様子をうががっていたら怒られて、大泣き」
- Mさん 20代前半 がん専門病院 消化器外科病棟勤務
- 私はもともと引っ込み思案で、人見知りをするタイプです。実習の指導者さんに話しかけるのも緊張していました。報告のタイミングを見計らって、看護師さんに話しかけるのが遅くなってしまうこともしばしば。
そんなある日、ナースステーションで看護師さんに話しかけるタイミングを見計らっていたら「そこで何突っ立ってるの?実習に来たんでしょ?」と、キツ~く怒られてしまいました……。
今となっては笑い話ですが、その日は大泣きしてしまいました。
対策
萎縮せずに、実習指導者や患者さんと上手にコミュニケーションをとる方法を紹介します。
✔ スイッチを切り替える
普段の自分を引きずらず、看護実習に入ったらスイッチを切り替えましょう。
話し方はできるだけハキハキと相手に聞こえやすいように発声します。また、目を泳がせたりそらしたりせず、相手の目をきちんと見ることを意識しましょう。
✔ できる看護実習生や看護師の先輩のまねをする
上手にできていると思える人がいたら、お手本に!
声の音量・発音・態度・報告のタイミングなどをまねしましょう。
✔ コミュニケーションの機会をたくさん作る
慣れないからこそ苦手意識を持ちやすいので、逃げずにコミュニケーションを積極的にとるようにしましょう。
グループのリーダーをやり、実習指導者と話す機会を増やすのも◎。患者さんとも、なるべくたくさん話すようにしましょう。慣れることで、ためらわずに堂々と話ができるようになっていきます。
✔ 患者さんへの声かけは相手に合わせる
患者さんとのコミュニケーションでは、一律してハッキリとした口調で元気に話すと違和感がある場合も。患者さんによってそれぞれ年齢も状態も違います。
そのため、患者さんとのコミュニケーションの場合は、担当する患者さんが話す声の音量やスピードに合わせるのがベターです。
✔ 高齢の患者さんには低めの声
高齢者は高音域の音を聞き取りづらくなる傾向にあります。高齢者の患者さんには低めの声で、耳元で話すようにするといいでしょう。
成功談「積極的な実習生のマネをしたら、高評価!」
- Tさん 30代後半 美容クリニック勤務
- 同じ実習グループのSさんは、すでに介護士として働き社会人経験を経て看護学校に入学したという経歴の持ち主。
そんなSさんは実習にも慣れていたので、怖そうな看護師さんにも動じずハキハキと話しかけて積極的に質問できていました。
そんなSさんのマネをして私も実習先ではハキハキと答え、現場の看護師さんにも積極的に話しかけることに。すると、実習先での評価も高く、実習をバッチリ乗り越えられました!
成功談「患者さんに励まされて、自信を持つように」
- Sさん 30代前半 大学病院 循環器内科病棟勤務
- おじいちゃん、おばあちゃんが小さい頃に亡くなっていたこともあり、高齢者の方とあまり接したことがありませんでした。
高齢の患者さんとのコミュニケーションに対しても苦手意識が強くて、ついついお話をしていても目が泳いだり声が小さくなったりしていました。
そんな私でしたが、とある実習先で出会った患者さんが「看護師さんは立派な仕事だし、あなたが患者さん思いで真面目なことは伝わってる。だから、自信を持ってコミュニケーションをとればいいんだよ!」と励ましてくれたんです。
それから少しずつ、少しずつですが、自信を持つようにして、目を合わせて患者さんとコミュニケーションをとれるようになってきました。あの時出会った患者さんのおかげです。
NG② 学生同士で盛り上がる
看護実習でやってはいけないことの2つ目は、学生同士で雑談をしたり盛り上がったりしてしまうこと。
病院の廊下や、さらには病棟内で話が盛り上がるなど言語道断!看護実習先は、勉強のためにお邪魔させてもらっている医療現場です。
看護実習の話であったとしても、緊張の糸がほどけると共感しあって盛り上がり、つい周りが目に入らなくなることがあります。不注意な雑談は思わぬトラブルの原因になります。
どんな話の内容であっても、看護実習先で学生同士で盛り上がるのはNGだと覚えておきましょう。
失敗談「つい仲間の発言にリアクションしたら、患者さんがパニック」
- Sさん 30代前半 大学病院 循環器内科病棟勤務
- 精神科で実習していた時のこと。看護助手について、昼食の配膳をしていました。この日の昼食にはある果物が出ていて、実習グループのメンバーの1人が「この果物食べたことないんだよね~」と何げなく言いました。
それに対して、私は友達に返事するような感覚で「え?ウソでしょ。信じられない!」と、高いテンションで言ってしまったんです。そしたら、患者さんの1人がパニックを起こしてしまいました……。自分に向けて言われた言葉と勘違いしてしまったようでした。
そのあとは看護師さんたちが来てくれて、患者さんはなんとか落ち着いたのですが、私は冷や汗だらだら……。実習仲間の発言に、考えもなく反応してしまったことを反省しました。
何げない一言が患者さんを不安にさせてしまう要素になると痛感した出来事でした。
対策
看護学生同士で気が緩んだ会話をしたり、盛り上がったりしないようにするにはどうすればいいのでしょう。具体的な対策を紹介します。
✔ 隙間時間に無駄話をしない
看護学生同士で話をすると、つい笑い声が上がったり声が大きくなったりする可能性があります。そのため、看護実習中に隙間時間がある時は看護実習仲間とおしゃべりするのではなく、メモをとったり確認する時間に充てるようにしましょう。
仲間と打ち解けて話をするのは、看護実習現場から離れた場所で。ただし、患者さんなどの個人情報について雑談するのはNGです。(※【患者さん】編を参照)
✔ 発言をする前に考える
患者さんは、私たちが想像する以上に医療従事者の言葉に敏感です。たとえ同僚に何げなく話した一言も、患者さんにとっては深く傷つく一言になりかねません。
実習中は、発言の一つ一つに責任を持ちましょう。
✔ 言葉は丁寧語
仲間とのくだけた言葉遣いは、声のボリュームや内容への配慮が欠けやすくなります。
看護実習の場では、学生同士の会話でも、患者さんや実習担当に話す時と同じように丁寧な口調を貫くようにしましょう。
丁寧語で通すことは、スイッチを切り替えて学生気分を封印するためにも有効です。
→続いて、看護実習でやってはいけない!NG8選【行動】編は「コチラの記事」へ。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。