【体験談あり】国際看護師のデメリットとは?対策も解説!
海外で看護師として働く看護師にはどんなデメリットがあるのか、前編・後編にわたって解説します。
前編では、海外の看護師資格の取得、語学習得のハードルが高い点について解説しました。
続く後編では、実際に暮らして悩むこと・困ることのデメリットにフォーカスして解説します。
海外生活での孤独や物価の高さなど、具体的にどうなるのか気になりますよね。今回は、実際にオーストラリアで看護師として働いていた看護師さんに話を聞いてまとめました。リアルな体験談とともに、是非参考にしてくださいね。
デメリット3◆家族や親しい人に会えない
海外で看護師として働くことのデメリットの3つめは、日本にいる家族や親しい人にすぐ会えないこと。
日本で看護師として働く場合と違ってすぐに飛んで会いに行けないことは、精神的にじわじわ染みてくるツラさがあります。
緊急時にすぐ会いに行けない/お金がかかる
海外で看護師として働くとなると、日本への移動だけで1日近くかかる場所もあります。そのため家族や大切なペットの緊急事態があってもすぐに飛んでいけません。
また、往復にかなりの金額が必要。頻繁に帰国するのは、費用の面からも難しいですよね。
誕生日やイベントの日など、日本にいる親しいみんなと一緒にいたい時も離れ離れの可能性があります。
日本で看護師として働けば、2日間の休みがあればある程度全国どこにでも飛んでいけます。海外に住んでいるとそうはいきません。この物理的な遠さは、海外で働くと避けられないデメリットの一つですね。
【体験談】「非常時にツラさを痛感」
- オーストラリアで看護師として働いていたMさん(30代後半)
- やはり日本の家族と離れて暮らすので、家族に何かあったときにすぐに会いに行けないのがツライです。
特にパンデミックのときはオーストラリアはロックダウンされている期間が長く、日本との行き来もままならなくなったので精神的に参りました。
私は結局帰国したのですが、オーストラリアに永住している人は現地でパートナーを見つけている人が多いんです。私もパートナーがいれば、永住を考えていたかもなと思います。
対策①現地でパートナーや親しい友人を得る
対策は、現地で親しい友人を作ること。
また、現地でパートナーと出会うことができれば事情が大きく変わってきます。国際結婚も夢じゃありませんよ。
とはいえ、人との出会いは、縁もあるので思う通りにはいきません。けれど、日頃から自分がどう考えているかによって人間関係は変わってきます。
- 「親しい友人ができたらいいな」
- 「良い関係を築きたいな」
と前向きに考えて日々過ごすようにしましょう。
海外で看護師として長く働いている人は、大切な人間関係が築けていることが多いです。言い換えれば、パートナーがいないと永住までは考えづらいでしょう。
対策②期間を決める
対策2つめは、海外で働くのに期限(リミット)を決めておくこと。
いつまで続くか分からない孤独や不安を抱き続けるのは、精神的に大きな負担になります。
そのため、自分自身で「2年間働いて、こういう経験を積む」というように期間を決めておくと良いでしょう。孤独や悩み、ツライことがあっても、いつまでという目安があれば励みになりますよ。
デメリット4◆物価が高い
海外で働くデメリットの4つめは、物価の高さ。アメリカ、オーストラリア、カナダなど、看護師が海外で働こうと考えた際に人気の国は物価が高いです。
日本の1.5~3倍
特に最近では円安の影響もあって、海外の物価が高く感じられます。なかでも、アメリカ、オーストラリア、カナダは食料品や家賃などほとんどの項目で日本より物価が高いです。
目安としては、マクドナルドのビッグマックの価格で比較すると約2倍近くで、物によっては3倍をはるかに超えることも多々あります。
おおよそ、日本の物価よりも1.5~3倍高くなると考えておいたほうがいいでしょう。
給料は日本よりもUPしますが、贅沢せずに日々暮らすだけで相当なコストがかかります。
(参考:英経済専門誌「The Economist」による2024年1月ビッグマックインデックス)
【体験談】「高い上に日本よりクオリティが下がる」
- オーストラリアで看護師として働いていたMさん(30代後半)
- 物価は日本より高いです。そのぶんお給料も日本より高かったので生活するには全く困らなかったのですが。感覚的には日本の2、3倍くらいかなと思います。
日本に帰ってきて、外食にしても何もかもが安いしクオリティも高いことにあらためて感心しています。
対策①自炊
一番の対策は、外食せずに自炊すること。
日本では、1000円以下で美味しい定食が食べられます。けれど、アメリカ、カナダ、オーストラリアでは、ファーストフードでも2000円程度かかることがざらにあります。添加物たっぷりで太りやすいものに大金を払うのは嫌ですよね……。
また、海外では外食やサービスを受けた際にはチップを支払う文化もあります。自炊をするとチップを支払う必要もなくなるのが嬉しいポイント。なるべく自炊するようにして出費を抑えましょう。
友人たちと食事会をする時も、ホームパーティやBBQをするのが賢い選択です。
ちなみに、アジア圏では毎食屋台にするほうが安く済むこともあるので、国やエリアに合わせて上手に食費をセーブしましょう!
対策②その国ならではの安いものを活用
対策2つめは、その国ならではの安いものを活用すること。
現地で採れたじゃがいも、ニンジン、玉ねぎなどは大袋で売られていて「量のわりに安い!」ということも。また、アメリカではピザが安かったり、はたまた、アイスクリームなどの乳製品が安い国もあります。
今いる環境では何がお得なのかチェックして、上手にお金を使うと良いでしょう。
タオルや衣料品も、その国のブランドやメーカーの物は日本で買うよりもかなり安いことがあるので、上手にやりくりするといいですよ。
デメリット5◆娯楽施設があまりなく、夜は危険
海外で看護師として働くデメリットの5つめは、海外で住むなら夜は出歩けないと覚悟しておいたほうがいいこと。
都会でない限り、そもそも娯楽施設があまりないということも念頭に置いておきましょう。
夜は出歩けない
日本はショッピングモールや映画館、カラオケ、大勢で飲み会できる飲食店なども夜遅くまで開いています。お仕事の後に遊ぶ場所はたくさんありますよね。けれど、海外ではそうじゃないエリアが多くあります。
特に観光客もなかなかこないような田舎では、そもそも娯楽施設もあまりありません。生活に必要なスーパーも、夕方早々に閉店します。
そもそも、女性一人が夜に街をブラブラできる国は世界でみても日本ぐらい。海外では、事件に巻き込まれる可能性が高いので、夜に無防備に出掛ける人はほとんどいないのです。
海外で看護師として働くなら、夜にコンビニにフラッと行くなんていうことは出来ません。日本のように便利で安全な国はなかなかないのです。
【体験談】「夕方5時頃にはスーパーも閉店」
- オーストラリアで看護師として働いていたMさん(30代後半)
- 私の住んでいた街は田舎だったので、夕方5時頃にはスーパーも閉まってしまいます。それくらい何もない場所でした。
日本のような娯楽施設が少なくて、お金を使って遊ぶ場所もほとんどなかったです。必然的に、家の中にいることが多かったです。
対策①オンラインを活用する
働いた海外のそのエリアに娯楽施設がほとんどなかったとしても、インターネットにはつながるはず。
なるべくオンラインで出来るものを活用するといいでしょう。
映画観賞
夜に映画観賞会をしたいときは、オンラインストリーミングサービスで自宅で映画鑑賞。トイレに行きたい時、おつまみを作りたい時も一時停止できるので便利ですよ。
ピラティスやヨガ
スタジオが近くになくても、今はオンラインでクラスに参加可能。遠くにいる有名な先生のクラスに出ることもできます。また、YouTubeなどを活用するのも◎。
ショッピング
買い物はネット通販が充実しています。ネットでウィンドーショッピングしたり、買い物欲を発散することができます。
女子会・食事会
彼氏にふられたり職場でツライことがあって急に女子会がしたくなったら、オンライン飲み会をするのも◎。日本にいる友人とつながることもできます。
出会い
日本もそうですが、海外でも出会いはオンラインが主流。夜な夜な恋活・婚活をして、オンラインデートなんていうのもアリですよ♡
対策②規則正しい生活を楽しむ
また、夜に出歩けない環境を利用して規則正しく健康的な生活を楽しむのも一つの手。
- 早寝・早起きの習慣を身につける
- 早くから静かになる夜7時~9時は集中して勉強する
など、外に娯楽施設などの誘惑がない分、得られるものに目を向けると、自分にとってプラスの経験になっていくでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、看護師が海外で働くデメリットを体験談とともに紹介しました。
デメリットだけを見ると不安に思うかもしれませんが、あわせて紹介した対策を見ると前向きな気持ちになれたのではないでしょうか。
今、海外で働くということや国際看護師に関心を持つ人が増えています。しかし海外の情勢や事情は刻々と変わっていて、時代の空気によって自分自身の考えやキャリアプランも変化します。
キャリアについて悩んだ時は、自分の考えに固執せず、一度プロの人材コーディネーターに相談することをオススメします。
特に海外で働くことを考えると、資金面での対策も必須になります。現在の就業で貯金がそれほど増やせていなかったり、副業がNGな職場だったりするなら、早めに戦略を立てる必要があります。
職場を変えて収入を増やしたい/副業OKの職場を探したい/看護師の副業がしたい、といった希望がある際はぜひ早めにスーパーナースにご相談ください。
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。