看護師の副業禁止の職場は?なぜ禁止?トラブルにつながる原因3つ
政府が働き方改革を行い、国をあげて副業が推進されています。その流れで、看護師も副業をする人が増えてきました。
今までは、正職員・正社員でありながら副業までする人は少数派だったかもしれませんが、現在は違います。
とはいえ、一部の看護師の職場では、副業が禁止されているところがあります。
しかし、禁止かどうか含めて「よく知らなかった」「バレないからいいと思っていた」という看護師もいるのでは?無許可で副業をしていることが発覚した場合、トラブルになるので注意が必要。
この記事では、看護師の副業NGの職場や、副業がバレてしまう主要な原因について解説します。
看護師の副業禁止の職場
副業をはじめる動機はさまざま。
- 「国が副業を推進している」
- 「周りのみんなが続々とやっている」
- 「安定のために収入の柱をもう一つ持ちたい」
- 「働けるうちにできるだけ稼いで、将来に備えたい」
- 「できる仕事、スキルを増やしたい」
- 「人手不足の職場を助けたい、役立ちたい」
- 「看護師として研鑽したい」
いろいろな理由がありますが、「自分も副業をやろう、挑戦してみよう」と考えるのは前向きで健全な考えですよね。
さらに、憲法第22条では「公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」として、職業は自由に選択する権利を持つことが定められています。このことから、本業とは別に副業を行ったとしても、基本的には法律に抵触しないのです。
つまり、前提として副業はしてもOK。
けれど、病院によっては副業が禁止されているところがあるのです。それは次のケースです。
国立・公立の病院は副業NG
多くの看護師が勤務している“病院”。一口に病院といっても機能や役割、規模が違います。
副業をするにあたって気を付けたいのは、今働いている病院がどの組織により設立された医療機関なのか、という点です。
実は、公務員は国家公務員法の第103条第104条、地方公務員は地方公務員法の第38条で副業が禁止されています。
そのため、国立(厚生労働省直轄)や公立の医療機関で働く看護師は、「副業・兼業」が原則禁止!
無許可で行っていることが発覚した場合、法律違反として「懲戒処分」の対象になります。法律で定められているので、「知らなかった」では済まないのです。
就業規則で禁止
また、国立や公立の医療機関でなかったとしても、副業が禁止されている職場があります。
病院や会社では独自に、就業規則で「許可なく他の事業所の業務に従事しない」といったように、副業を禁止することができるのです。
もし、このルールを破って許可なく副業をした場合は、就業規則の規定に基づいて懲戒処分等の対象に。
とはいえ、国が推奨している副業です。ただちに重い処分が科されることはめったにありません。
それでも、本業に支障をきたしたり、会社に著しい損害を与えた場合には懲戒解雇という重い処分の可能性が無きにしも非ず。甘く考えずに、気を付けなくてはいけません。
現在、副業を禁止する会社は少なくなってきています。
なので、つい大丈夫と思い込みやすいのですが、副業をした後に就業規則を見てびっくりすることがないように。事前に、就業規則をしっかりと確認しておきましょう。
副業はなぜ発覚する?
「副業は禁止されているけれど、副業していることがバレなければいい」と考えて、こっそり副業をするのは危険です。
毎年のように、無断で副業をしていることが発覚して、懲戒処分になる看護師がいるのが現実。
なぜ、どのように副業をしていることが発覚しているのでしょうか?
原因1 住民税・マイナンバー?
実は、副業していることを今の職場に知られてしまうケースの大半は「住民税」がきっかけ。
なぜバレるのかというと、ほとんどの看護師は、住民税は給与から天引きされる「特別徴収」で納めているからです。
バレる仕組みは次の通りです。
住民税(特別徴収)の仕組み
例えば、看護師の本業の勤務先が病院だった場合。
病院は、給与所得者である看護師に支払った前年の給与額等を、市町村へ「給与支払報告書」として報告します。それを元に、管轄の市区町村は、「住民税」を算出して、雇用主の病院に額を通知します。
この住民税ですが、もし看護師が副業(給与所得)をしていた場合、副業分を含めて合算した住民税額が、本業の病院に通知されるのです。
そのため、病院では、病院の給料より高い所得があることに気付き、副業の存在が明らかになるというわけです。
マイナンバーでバレる?
ちなみに、マイナンバーについてはどうでしょう。
2016年1月より導入されたマイナンバー制度。このマイナンバーによって「副業がバレる」という噂を耳にしたことはありますか?
結論からいうと、「マイナンバーで筒抜けになり副業が発覚する」というのは間違いです。
企業はマイナンバーを使って、副業の有無や副業で得た収入などを調べたり、問い合わせることができません。また、従業員の所得を知ることや調べることもできません。これは、副業先にマイナンバーを提出した場合についても同様です。
なので、マイナンバーで副業が発覚することはないと考えていいでしょう。(※2024年2月時点)
原因2 うっかり話した・SNS
次に、意外に多いのが、うっかり自分で話したことから職場に副業がバレるケース。SNSでの発信も要注意です。
副業で得た経験や副収入は嬉しいので、誰かに話したくなりますよね。けれど、口は災いの元なのです。
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自分が話したことが原因で副業が発覚するケース【例】
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- カフェで親しい友人や恋人に「副業をしている」と話していたところ、たまたま近い席に職場のスタッフがいた。
- SNSで副業をしていることについて発信。自分では知り合いが見ていない&気付かれていないと思っていたが身バレしていて、職場にも副業がバレた。
- 副業禁止を軽く考え、仲の良い同期に話していた。
原因3 見つかった・告げ口
副業をしていることが職場に発覚する3つめの原因は、見つかる・告げ口といった人を介したもの。
「見つかるなんて、滅多にないでしょう?」「わざわざ告げ口をするなんて」と思うかもしれません。けれど、目撃されて職場に伝わり、副業が発覚することはとても多いのです。
盲点なのが、スタッフや患者さん。営業スタッフや患者さんが、いろんな医療機関に通うということは珍しいことではありません。
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見つかった・告げ口で副業が発覚するケース【例】
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- 副業の職場に同僚がプライベートでたまたま来て、後日、告げ口された。
- 偶然、副業で働いていたクリニックで製薬会社の顔見知りの営業スタッフに会ってしまった。やむなく軽く挨拶。後日、そのスタッフが、本業の病院の医師に悪気なく話して、副業がバレた。
- 患者さんに、副業の職場で働いている様子を目撃されていたようで「あの〇〇さん、〇〇でも頑張ってるのね、えらいのね」と話されてしまった。
「副業していることがバレなければいい」「きっと大丈夫」と考えていても、ふとしたきっかけで発覚したらトラブルになります。
せっかく休みの時間を費やして頑張り、モチベーション高く副業に挑んだのに、大変な問題に発展しては残念。
本来、看護師不足の世の中で、少しでも多くの働き手がうまれるのは喜ばしいことのはず。
バレるか心配しなくていいよう、堂々と副業ができるようになれば嬉しいですよね。副業をするための対策について、コチラの記事も是非チェックしてみてください!
コチラの記事を参考に!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
最近では、「副業をしている」ことは、珍しいことではなくなってきました。むしろ、是非やっておきたい事として、副業は社会で推奨されています。
それなのに、一部の職場環境ではまだまだ副業が禁止されています。
この記事では、看護師の働く病院では、どんなところで副業が禁止されているのか、また、副業が発覚する主要な原因について解説しました。副業をする際は、ぜひ知っておきたいことばかり。
もし今の職場が副業が禁止されているとしても、諦めるのはまだ早いです。
対策の記事もあるので、是非チェックしてみてください。自分のキャリアやより良い人生のために、前向きに行動していきましょうね。
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
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