看護師、その退職理由でOK?どう直すべきか、例文をまじえて解説
職場を辞めるときは、「なぜ辞めたいのか」という退職理由を伝える必要があります。
この退職理由はとても大切。
理由が何なのか、また、どんな言い方で伝えるかによって、円満退職できるか否かの大きな分かれ道になります。
この記事では、現実的に退職理由となることが多く、またそのまま伝えては円満退職しにくくなる退職理由4つの事例を紹介。
具体的にどこをどのように直したり、気を付けたりしたら円満退職できる「退職理由」になるのか、ポイントを解説します。
「退職理由」は大切!
辞めようと決意したのち、退職したいことを伝えるのはストレスがかかりますよね。
けれど、「どうせ辞めるから」と、退職理由となった不満を率直に伝えたり、あまりにも正直な本音を言うのはNG。
理由や伝え方によっては無責任な人だったんだなと評価を下げてしまったり、反感を買ったり。はたまた引き止めにあって辞めにくくなることや、トラブルになることもあり得るのです。
また、退職理由を伝えて退職届を出した後も、数ヵ月は勤務する場合が多いでしょう。
もし人間関係が良好な職場だったとしても、退職理由のいかんによって、居心地が悪くなるようなことは避けたいですよね。
特に、病院・医療施設・看護師や医療関係のスタッフは、横のネットワークが非常に強いです。
あなたのネガティブな情報が変なかたちで伝わると、最悪の場合、転職活動や新しい職場での勤務に影響する可能性もゼロとは言い切れません。
退職理由をおろそかにすることで起こるリスクはとても大きいのです。
これからお伝えするポイントを踏まえ、円満退職できる退職理由を準備しましょう。
退職理由を正直に伝えて問題ないケース・伝えてはいけないケース
退職理由について、必ずしも正直に話すのがNGなわけではありません。
正直に伝えて問題ない退職理由もあります。
正直に伝えても問題ない退職理由・一覧
正直な理由を伝えて良いかどうかの判断基準は、
「やむを得ない理由がある」
「前向き」
であることがポイントです。
- 結婚や妊娠・出産
- 配偶者の転勤
- 留学
- 体調不良・入院
- 親の介護など、家庭の事情
- スキルアップのため
- 目指すキャリアのため
など
正直に伝えるべきではない退職理由・一覧
本当の理由は〇〇だけど、それを言ったら円満退職できない……という退職理由もあります。
正直に伝えないほうがいい退職理由は、一言でいうと
「ネガティブなもの」
です。
- 上司や同僚など、人間関係に対する不満
- 多忙や残業など、労働環境に対する不満
- 給料・昇給・昇格など、待遇に対する不満
など
ただし、正直に伝えるべきではないと言っても嘘はご法度!
嘘をつくことで、転職できたとしても後ろめたい気持ちを持ったまま勤務することになったり、知人を介して嘘がバレるという可能性も少なからずあります。
では、「正直に伝えるべきではない退職理由」について、何をどのように伝えれば、円満に退職することができるのでしょうか?
次章から、退職理由として多いものだけれど、そのまま伝えると円満退職できにくいものについて、例文・ポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
Case1≫人間関係の不満があり辞めたい
退職理由のほとんどが人間関係の悩みだと言われています。
けれど、上司や同僚との人間関係による不満については、想定の範囲内であることが多く、引き止めに合う確率が高いです。
勇気を出して退職希望と伝えたのに、話し合いの最後ではただの悩み相談のようになってしまうことも。部署異動を提案されるなど、退職がうやむやになってしまう可能性もあるでしょう。
退職理由としては説得力は低いのです。
上司が納得する退職理由を用意しなくてはいけません。
退職理由・例文①
-
職場内の人間関係が希薄で、それぞれが自分で判断しながら業務にあたっています。現状、業務自体は回っていますが、私自身はコミュニケーションを取りながら、チームとして看護を行いたいと思っているので、働き続けることが難しいと感じました。
これを機に働き方を見直した結果、以前から関心を持っていた○○に挑戦したいと考えるようになりました。
次のステップに進むため、退職させていただきたいです。
GOODポイント
- 人間関係の不満にフォーカスせず、どういう働き方がしたいのか、前向きな自分自身の理想を伝えています。
- 「次のステップに進む」と、退職後にどういう仕事に挑戦したいかまで伝えることで、退職の遺志が固いと納得してもらいやすくなります。
改善ポイント
- 自分自身で状況を改善できるか試みたことがあれば、それも伝えましょう。
「改善できるよう自分からも働きかけたが、それでもだめだったので」と加えると、説得力が増します。 - 自分が望む働き方が今の職場では実現できないことを、納得できるよう伝えましょう。
人間関係やコミュニケーションの不満を伝えても、「そんなこと(人間関係)になっていたなんて、教えてくれてありがとう。改善する」と言われて、退職についてはいったん保留になる可能性があるからです。 - 今後挑戦したいことについては、注意が必要。
勤務している病院内にある分野を提示してしまうと、部署異動を勧められる可能性があるからです。辞めたいのであれば、この病院ではできないことだと強調しましょう。
Case2≫多忙や残業…労働環境の不満があり辞めたい
労働環境に対する不満についても、人間関係の悩みと同様に退職理由としては弱く、引き止めに合う可能性が高いです。
労働環境の不満を理由にしても、上司が「残業を減らす」「部署異動をする」など提案してくれることがほとんど。
そうなると、退職理由としていた要因がなくなるので、「それでも辞めます」と押し切るのは困難です。
労働環境の不満だけではなく、キャリアのため、ステップアップしたいため等の前向きな理由も併せて伝えるようにするのが円満退職のコツです。
退職理由・例文②
-
日々多忙な業務を行う中で、自身の働き方や今後の展望について考えました。以前から○○の分野に興味があり、チャレンジしてみたいという思いに気づくことができました。
こちらで勤務して得た学びを活かし、新たにチャレンジしたいと思いますので、退職をさせていただきたいです。
GOODポイント
- くどくど労働環境の不満を話さず、「多忙な業務を行う中で」と言うだけにとどめているのが良い点です。
本音が「残業が多すぎてツライ!」だった場合、周囲や上司から見ても、おおよその辞めたい理由は検討がついているものです。
そのため、まったく触れないのも不自然なので、さらっと触れています。 - 辞める本当の理由がたとえネガティブなものだったとしても、働いてきた年数分、たくさんの学びや経験があったはず。
「ここで得た学びを活かし」と、感謝ともとれる要素も伝えている点が好印象です。
改善ポイント
- 転職時期が先延ばしにならないよう、もうひとつ要素を加えましょう。
明確な引っ越しや出産などの具体的な時期が決まっていないと、退職時期はずるずる先延ばしになりがち。
今後やりたいことについて、いついつまでにどうしたいと考えているなど盛り込み、具体的な考えがあり、意志が固いことをアピールすると良いでしょう。
スーパーナースは看護師に特化した人材紹介会社。転職を考えている方、悩んでいる方はぜひ一度相談ください。
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そのまま言うと円満退職できにくい、「昇給・昇格…待遇の不満があり辞めたい」「新卒or転職したばかりだけど辞めたい」ケースについて、どのような言い方で何を伝えるといいのか、例文とともに解説します。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。