今、看護師として「常勤」で働いていますか?それとも「非常勤」で働いていますか?
看護師の働き方には「常勤」「非常勤」のおもに2通りがありますが、今回はその中でも「非常勤」という形での働き方をとりあげます。
非常勤看護師のくわしい働き方をご説明しながら、実際に「常勤で働いていたけれど、非常勤看護師に転職した」という方の体験談も交えつつ、非常勤看護師はどのように働いているのかをご紹介します。
非常勤看護師ってどんな働き方?
まず、「常勤看護師」と「非常勤看護師」の違いについてご説明しましょう。
・常勤看護師:フルタイムで働いている正職員の看護師さん
・非常勤看護師:パートやアルバイトなど、非正規職員として働く看護師さん
上記の通り、正職員=常勤、パート・アルバイト=非常勤と、雇用形態の違いがそのまま呼び名の違いとなっており、意外に分かりやすい区別となっています。
いま現在パートやアルバイトで看護師をしている方は、すべて非常勤看護師ということになりますね。
ちなみに、常勤看護師と非常勤看護師のほかに「派遣看護師」という働き方もあります。
常勤看護師と非常勤看護師は勤務先の直接雇用となりますが、派遣看護師は派遣会社と雇用契約を結んで働き勤務先に派遣される「間接雇用」の扱いとなります。
非常勤看護師が多いのはどんな職場?
非常勤看護師が多く働いている職場としては、まず「大規模病院の外来」が挙げられます。
外来診療は基本的に日中のみですから、勤務できる時間に制約がある中で働く非常勤看護師も働きやすいことが分かりますね。
また、「介護施設」も非常勤看護師に向いている職場の一つです。
施設の看護師さんもやはり日勤のみ・土日休みとなることが多く、残業や夜勤がむずかしくても働きやすいでしょう。
そのほか、病棟を持たず夜勤が発生しない「クリニック」や、健康診断のみを行っているためやはり残業や夜勤のない「健診センター」も、非常勤看護師として働く方に人気の職場です。
非常勤看護師として働くメリット・デメリット
ライフイベントなどを機に、常勤看護師から非常勤看護師に転職を考えている方も多いでしょう。
ここでは、非常勤看護師として働くメリットとデメリットについてもご紹介します。
メリット:勤務日数や勤務時間を都合に合わせて調整できる
育児や介護で家にいる時間が必要な看護師さんなら、毎日フルタイムで出勤し残業や夜勤も発生するという働き方は現実的ではないでしょう。
パート・アルバイトなどの非常勤看護師として働けば、あらかじめ都合が良くない日にちや時間帯を外してシフトを調整できるためメリットがあります。
また、勤務日数を少なく抑えながら高いお給料を実現したい方が「夜勤専従」の非常勤看護師として働くケースも少なくありません。
デメリット:収入は少なめになり賞与などの支給がない
非常勤看護師の方は勤務時間も少なくなるケースが中心ですから、基本的にお給料も時給で計算されます。
月給制ではないため勤務日数や勤務時間によって収入が変動しますし、夜勤や残業がなければその分お給料も少なくなるでしょう。
ただし「夜勤専従」の看護師さんは例外で、夜勤の時給設定が高い勤務先に勤めた場合ひと月の半分ほど出勤するだけでも、常勤看護師並みのお給料になることがあります。
常勤看護師から非常勤看護師に転職した方の体験談
ここでは、実際にご家庭の事情で常勤看護師から非常勤看護師(パート)に転職したAさんの体験談をご紹介します。
ライフイベントを機に常勤から非常勤看護師になって働き続けたい方なら、参考になるでしょう。
1.時間の自由がきくことは1番のメリット
常勤看護師として働いていた頃は、プライベートで何があっても基本仕事が最優先でした。
また家庭内でも余程の大ごとにならない限り、自由に休むことはできなかったんです。
しかし育児のため非常勤として働き始めると、仕事と生活を上手に両立することが可能になりました。
夜勤で体力を消耗することもなくなり、その体力を今では育児に回すことができています。
2.看護師としての責任は常勤と変わらず緊張感は維持
看護師のなかでは、よく「非常勤で働けば責任が軽くなる」といわれがちですが、実際に現場で働いているときにそう感じたことはありません。
看護師として看護にあたる以上、患者さんを看るには一定の責任がともないます。
また「非常勤だと経験を積んでもキャリアとして評価されない」という方もいますが、日々の仕事をこなしていくことできちんとした実績は作れると思います。
育児などと両立して看護師を続けられたということは大きな財産になりますから、その点はあまり悲観する必要はないでしょう。
3.非常勤になってなぜか人間関係が改善!
看護師として働く方の代表的なお悩みに「職場の人間関係」があるかと思います。
常勤で働くと、どうしても看護師さん同士で接する時間が多くなるため周囲の人の態度や発言が過度に気になることがあるものです。
しかし非常勤になって接する時間が減り、それらが日常のすべてではなくなったことはかなり好影響でした。
第一印象では苦手なタイプだと思った人に対しても、良いところを見つけて歩み寄る余裕が生まれ、予想外でしたが人間関係はかなり円滑になりましたね。
4.非常勤看護師を選んだ理由
育児期間中はいったん看護業から離れるか、パートやアルバイトで仕事を続けるかという2択になる方が多いと思います。
自身もそうでしたが、ブランクを作らず育児が落ち着いてからのキャリアプランも描きたいというビジョンがあったんです。
家族の理解と協力もあり、数年は非常勤として看護師を続けようと決意しました。
職場からも「本格復帰が楽しみです」といわれ、今も新しい知識や手技を身につける意欲でいっぱいです。
まとめ
この記事では、常勤看護師と非常勤看護師の違いをご説明しながら、非常勤看護師のメリットやデメリット、常勤から非常勤に転職した看護師さんの体験談などをご紹介しました。
非常勤看護師として働き続けるなら、やはり一定の経験を積みあらゆる状況に対処できる心の余裕を養っておくことが大切でしょう。
非常勤看護師の求人においても「即戦力」は重要なキーワードになりますから、経験を活かすという心構えで転職に臨むことがポイントです。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。