転職を考えている看護師さんは、転職後の勤務時間や診療科などの条件について意識して応募先を探しているはずです。
しかし、転職したらお給料がどれくらい変わるかも念頭に置いておきましょう。
この記事では、看護師が転職する際の給料交渉についてご紹介します。
そもそも転職のタイミングでお給料の交渉ができるのか、交渉が成功する見込みがあるのかから、交渉のコツまでご説明しましょう。
転職してお給料って上がるの?
看護師が他の職業と比べて特徴的なのは「資格を持っている人だけが就ける職業」である点です。
そのため地域差などはあるものの、年齢がどのくらいで経験が何年くらいかにより、おおむね業界内での給与水準は一定になると言われています。
何度か転職をした経験があるなら、「職場を移ったけれどお給料はほとんど変わらなかった」と感じた方も少なくないでしょう。
転職でお給料が目に見えて上がるケースは「給与水準の高い地域へ引っ越して転職した」場合や、「転職先で役付きに昇進した」などの例に限られるかもしれません。
転職のタイミングでお給料アップを実現するコツは?
とりあえずキャリアアップの見込みがなく、遠隔地への引っ越しなどを伴わない転職で、お給料を上げることはできるのでしょうか。
ここでは、一般的な転職でお給料を上げたい看護師さんのために「給料交渉」のコツについてご紹介します。
1.給料交渉とは
給料交渉とは、転職する際に応募先に対し「提示された給与条件を引き上げる旨を要請するための交渉」を指します。
もっと分かりやすく言うと「面接でお給料の金額を伝えてもらったが、納得がいく金額でないので上げてもらえないか」と応募先にお願いをすることです。
2.給料交渉は可能なのか
「向こうが提示した給与条件に不満を言うなんて、図々しくない?」と思う方も多いでしょう。
しかし、給料交渉ができる応募先がまったくないわけではありません。
大学病院や国立の総合病院など、給与体系がきっちりと決められている職場での給料交渉は難しいでしょう。
しかし、個人で経営しているクリニックや、業界として比較的新しい訪問看護ステーションなどでは、「人が足りず一刻も早く人材を採用したい」という意向で求人することも多いものです。
そのような職場の場合、交渉次第である程度条件を改善してくれる可能性もあるでしょう。
もし、看護師資格のほかに助産師や保健師、認定看護師・専門看護師などの資格を持っていれば、それを伝えましょう。
資格手当の名目で、お給料に上乗せしてもらえるかもしれません。
3.給料交渉のタイミングはいつがおすすめ?
給料交渉をするタイミングですが、まず「初対面」での交渉はおすすめしません。
看護師の転職における先方との初対面とは、面接時であることが多いでしょう。
面接で顔を合わせて、いきなり「お給料は○○円ほしいです」と言うわけにはいかないと皆さんも思うはずです。
また、面接では「お給料はいくらもらいたいですか」とはあまり聞かれません。
その代わり「前の職場ではどのくらいもらっていましたか」と聞かれる機会は多いでしょう。
つまり、前の職場の金額に合わせてお給料の金額を考えている職場が多いと思われます。
もし給料交渉をするなら、面接で提示された給与条件を確認し、採用の連絡をもらってからのタイミングがおすすめです。
採用前にお給料の話をしすぎると、印象を悪化させてしまう可能性があるため、給料交渉は採用が決まってからがベストです。
給料交渉の成功事例
1.すでに内定が出た別の職場の給与額を提示
複数の職場に応募したものの、第一志望の病院から提示された給与条件に不満があったAさん。
第一志望の病院から採用連絡をもらったタイミングで「実は他の院ですでに内定が出ていて、そちらのほうがお給料が良く迷っています」と伝えました。
そのときには、採用された時点で第一志望の院で働く気持ちは固まっているが、お給料だけがネックである点を強調しました。
結果、第一志望の病院が他の院の給与提示と同額までお給料を上げることで対応してくれました。
2.転職エージェントに給料交渉を手伝ってもらう
転職エージェントに登録し、転職活動をサポートしてもらっていたBさん。
エージェント経由で応募した病院から採用通知がありましたが、給与面で物足りないと感じたためエージェントに給料交渉を依頼しました。
転職エージェントが前職であげた成果などを詳細に伝えてくれたことで、経験やキャリアが評価され前職よりも高いお給料で転職することができました。
まとめ
今回は、看護師が転職する際にお給料アップを実現するための「給料交渉」のポイントをご紹介しました。
もちろん、必ず給料交渉をすればお給料を上げられるわけではありませんし、そもそも給料交渉自体がイレギュラーな行為だということは認識しておきましょう。
それでもお給料アップを実現したい場合は、成功事例の2番目でご紹介したように転職エージェント経由で転職活動をしたうえで、交渉を依頼する方法がおすすめです。
転職エージェントの担当者はなんといっても交渉のプロですから、あきらめずに相談してみることも1つの手でしょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。