看護師として忙しく働いているみなさんの、半年に1度のお楽しみといえばやっぱりボーナス(賞与)ではないでしょうか。
多くの看護師さんが、夏と冬の2回ボーナスをもらうことを心待ちにしていることと思います。
そこでこの記事では、看護師のボーナス事情についてまとめました。
「他の職業よりも多いの? 少ないの?」「公務員の看護師さんと民間の看護師さんでは、金額の相場も違うの?」など、気になるポイントまで少し掘り下げ気味にご紹介します。
看護師のボーナスは「年間4か月分」が大体の目安
看護師が支給されているボーナスでもっとも多いケースが「年間4か月分」を目安とした金額です。
つまり、夏と冬の年2回に分けて支給される場合、「1回あたり月給の2か月分」ほどになる方が多いはずです。
実際に、厚労省の賃金構造基本統計調査(2018年)を参照すると、看護師の年間のボーナス平均額は「821,850円」。
これを2回に分けると、ボーナス1回分の平均支給額は「410,925円」になりますね。
次に、看護師さんの勤務先の規模別でボーナス額を見ていきましょう。
看護師の勤務先規模別ボーナス平均額
【従業員数10人~100人未満】年間約640,000円
【従業員数100人~1,000人未満】年間約750,000円
【従業員数1,000人~】年間約920,000円
やはり、勤務先の規模が大きくなると支給されるボーナスの平均額も多くなることが分かります。
次は、看護師さんの年齢別のボーナス支給額についてもご紹介します。
看護師の年齢別ボーナス平均額
【20歳~30歳未満】正看護師で年間約770,000円、准看護士で年間約630,000円
【30歳~40歳未満】正看護師で年間約920,000円、准看護士で年間約750,000円
【40歳~50歳未満】正看護師で年間約950,000円、准看護士で年間約820,000円
【50歳~60歳未満】正看護師で年間約1,140,000円、准看護士で年間約710,000円
【60歳~】正看護師で年間約1,150,000円、准看護士で年間約740,000円
年齢が高くなればボーナス額も上がる傾向にありますが、准看護士の場合は50代以降になると若干少なくなることも分かります。
これは、正看護師は50代以降に管理職などへ昇進する可能性が高く、それによってボーナス額もアップすることが考えられます。
いっぽう准看護士はライフスタイルの変化などで、勤務日数・時間を調整しながら働く方も増えることが要因と予測できそうです。
次は女性看護師と、看護師以外のおもな女性の職業とのボーナス平均額を比較してみましょう。
女性看護師のボーナス額と、他の職業で働く女性のボーナス額の比較
【女性看護師の平均ボーナス額】年間815,100円
【女性薬剤師の平均ボーナス額】年間873,400円
【女性大学教授の平均ボーナス額】年間2,817,600円
【女性公認会計士/税理士の平均ボーナス額】年間1,917,700円
【女性客室乗務員(CA)の平均ボーナス額】年間1,317,100円
【女性高等学校教員の平均ボーナス額】年間1,412,700円
上記のように、女性でも看護師以上に多くのボーナスをもらっている職業の方は多くいます。
しかし、女性の職業別ボーナス額で順位をつけた場合、看護師は全体の「20番目」ということです。
さまざまな職業のなかでもかなり上位にあたりますから、やはり看護師さんは女性としてはボーナス額も高めのお仕事と言えそうです。
「公務員看護師」のボーナスはどのくらい?
看護師さんのなかにも、公的な病院で働く「公務員看護師」さんがいます。
民間の病院の看護師さんと比較して、国家公務員看護師のボーナス額には差はあるのでしょうか。
【国立病院機構の病院で働く看護師の平均ボーナス額】年間約830,000円~1,040,000円
国立病院機構の病院では、都道府県などによって地域手当が異なるため月々のお給料が勤務地によって変わります。
しかし、賞与額は「月給の4.2か月分」と決められていますから、上記の金額が目安となります。
看護師さん全体の平均ボーナス額が82万円ですから、もっとも金額が少ない地域でも平均を上回るボーナス額になっていますね。
やはり公務員看護師さん、なかでも国家公務員扱いの看護師さんはボーナスも多めと言えそうです。
看護師のボーナスの使い道って?
看護師さんは、もらったボーナスをどのように役立てているのでしょうか。
「一部は貯金に回して、残りを使う」という方が多いようですが、その使い道についても見ていきましょう。
【意外に多い「ボーナスであのお金を返したい!」】
多かったのが「学生時代に利用した奨学金の返済」に充てるというケース。
もちろん返済中の看護師さんなら年齢も若く、勤続年数も少ないと思われますが、おもに20代の看護師さんはこのようにボーナスを使うケースが多いようでした。
【やっぱり人気の「旅行へ行く」!】
年に1度の海外旅行に、夏か冬いずれかのボーナスの一部を充てるという方も。
海外に限らず、長期休暇を利用して沖縄や北海道に滞在したり、のんびり温泉旅館に連泊したりするなど国内旅行も根強い人気です。
【「ほしかったものを買う」看護師さんも】
旅行ほど高くなく、貯金とも並行して楽しめる使い道として「ボーナスをもらう毎に、1個ずつほしかったものを買う」という「自分にご褒美」派も。
買うものはブランドのバッグや靴、アクセサリーなどが中心で「10~20万円程度のもの」が人気。
ボーナスの半分以上を貯金に回しても、ほしいものが買えますね。
ボーナスがもらえないこともあるので注意
みなさんが楽しみにしているボーナスですが、入職のタイミングや勤務形態によっては支給されないケースもあります。
入職後すぐにボーナス時期が来た場合
この場合は、期毎の評価が確定しないためボーナスが出ないことも多くなります。
次のボーナス時期まで、半年は我慢することになるかも。
パートや時短勤務で働く場合
パート・時短勤務の場合、基本的に賞与はないことが多くなります。
パートの看護師さんにもボーナスが支給されるケースはありますが、フルタイムで働くより金額は少なめになることが一般的です。
個人経営の病院に勤める場合
ボーナスを支給する給与体系が定められていない場合もあり、賞与自体の設定がないことも。
まとめ
今回は、看護師のボーナス事情について、さまざまな観点からデータを基にご紹介しました。
「看護師のボーナスは一般的に多め? 少なめ?」「ボーナスが多いのは公務員と民間、どっちの看護師?」など、さまざまな疑問がクリアになったのではないでしょうか。
もし「ボーナスの出ない病院に勤めていて、半年に1度憂鬱になる」などお悩みであれば、思い切って転職を考えるという手もあります。
転職でボーナスをもらえるだけでも、大幅に年収アップをかなえられるかもしれません。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。