看護師はナース服やナースシューズなど、専用の着衣が用意されている職業です。そのため、「服装などにはそれほど気を配る必要がない」と思い込んでしまいがち。しかし、顔や髪型・爪など、衣類以外に人から見られるポイントも意外に多くあるもの。みんなが同じ服装をしている分だけ、それ以外の部分が特に目に付いてしまう可能性もあるでしょう。
そこでこの記事では、看護師の身だしなみのポイントについてご紹介します。どんなことに注意し、どのように工夫をすることで多くの人から好印象を持ってもらえるか、今一度見ていきましょう。
看護師の身だしなみは「全体的な好感度」優先で!
看護師が身だしなみにおいて最優先したいポイントは、なんといっても「清潔感」や「好印象」です。まず清潔感を重視したいなら、日々身体や衣類を清潔に保つことで解決できます。しかし、それ以外の外見的な要素で気を配らなければならないのが、誰にでも「好印象」を与えられるという点。しかも、看護師の職場である医療機関は、世代や生活環境を問わずあらゆる人々が訪れる場所です。性別・年代・職業などを問わず、すべての人に好感を持ってもらえる身だしなみをめざす必要がありますね。
しかし、「好印象」という言葉のイメージは実にあいまいです。具体的にどこが良い、というよりは「全体的に良い雰囲気」と感じてもらえることを指す言葉であると考えるとよいでしょう。
「具体的にどこが素敵とは言い切れないけれど、なんとなく感じが良い人」という印象を患者さんたちに持ってもらえれば、看護師の身だしなみとして理想的かもしれません。
「好印象」=「全体的な好感度が高め」と解釈すると、看護師らしい身だしなみの整え方を身につけやすいでしょう。特定の細部にこだわってきれいに整えておく必要はありませんが、どこを見ても悪い印象は特にない……という印象を保てれば良い印象を保てるでしょう。
しかしその反面、どこか細部に整っていないところがあればすぐそこに注目されてしまいます。他の箇所に難がなくても、1か所の印象が良くなければ全体のイメージを悪化させてしまう可能性があるということです。
「良くない部分を作らない」ことに気を付けることが、看護師にとっての好感度対策になるといえそうです。
看護師が身だしなみを整えるためのポイント
ここでは、看護師の身だしなみを整える具体的なポイントをご紹介します。清潔をもっとも重視する医療のお仕事は、他の職業と比較しても身だしなみに厳しいもの。1か所ずつチェックをしながら、ご自身の身だしなみが看護師として適しているか確かめてみましょう。
1.髪型
長い髪の場合は後ろで1つにまとめるか、お団子などにして乱れないようにしましょう。ショートの方も、ぼさぼさの状態や寝癖が目立っているとあまり清潔な印象になりません。また髪を染める場合の明るさは、落ち着いた茶色程度にとどめましょう。あまり明るい色に染めると奇抜な印象を与えてしまうほか、根元の髪が伸びてきたときに色の境目ができてだらしないイメージになります。
2.お化粧
眉がボサボサで肌荒れもそのまま、額や鼻の頭は脂でテカテカ……という状態だと、やはり清潔感を欠きます。面倒だと思っても、メイクは毎日したほうが良いでしょう。とはいえもちろん、色移りしそうな濃いメイクはNGです。顔色や肌の粗をさっとカバーできる程度のナチュラルメイクを心掛け、アイメイクや口紅なども肌馴染みの良くない奇抜な色味は避けましょう。
3.服装
制服をこまめにお洗濯することはもちろんですが、シミなどの汚れをそのままにしておくことは避けましょう。特にナース服は白や薄いピンク・水色など淡色が多いため、ちょっとした汚れも目立ちます。また、何度も着用・洗濯するうちにシワも目立ってきますから、何度か洗ったら1度はクリーニングに出すなどして、パリッとした状態を保つようにしましょう。また、ボタンが取れた状態やポケットの穴・ほつれなどをそのままにしているとだらしなく見えてしまいます。
4.足元
ナースシューズがサンダルの場合は心配ありませんが、靴のかかとを踏むことはNGです。また、以前は看護師といえば白タイツのイメージが強かったのですが、現在は肌に合うベージュなどのストッキングが主流のよう。ストッキング・タイツの色味は職場の先輩や同僚を参考に、目立ちすぎない色味を選ぶとよいでしょう。もちろん、伝線や毛玉が目立たないよう気を配ることも大切。替えのタイツやストッキングを常備し、破れや伝線を見つけたらその都度はき替えられるようにするとおすすめです。
5.その他
看護師で派手なアクセサリーを職場に付けていこうと思う人はあまりいないかと思いますが、場にそぐわないだけでなく脱落などで医療事故になる可能性もあります。できるだけアクセサリー類は着用せず、患者さんとの距離が近くなっても安心して診療に集中できる状態にしておきましょう。
また、「ナースだけど華やかなおしゃれも大好き」「ナースでも流行のお化粧をして働きたい」という方なら、美容クリニックや美容皮膚科・審美歯科など、ビューティー系の病院がおすすめです。患者さんとの接触が少なければ、ある程度アクセサリーの着用を認めているところも少なくありません。思い切って転職し、看護のお仕事ときれいに装える毎日を両立するのも1つの手ですね。
まとめ
今回は、看護師の身だしなみで気を付けるべきことについて、具体的なポイント別にご紹介しました。
「清潔にさえしていれば、それ以上外見に気を配る必要はない」「ナースはあくまで見た目よりも人柄!」という価値観を持っている方も、少なくないかもしれません。しかし、人の印象は目に入ってきた情報である程度補正されてしまうことも事実です。「日ごろの気配りが想像できるような身だしなみ」を心掛け、「会話しなくても『なんとなく感じの良い人』という印象」になることを目標に、再チェックをしてみてはいかがでしょうか。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。