初めて転職を考えている方も、いくつかの職場を経験された方も、転職を考える際には同様に不安な気持ちになってしまうもの。
「転職できても、思い通りの働き方ができるかどうか……」「満足のいく転職先が見つからなかったらどうしよう」など、不安が多くなると転職することが怖いと思ってしまうでしょう。
特に、現在の職場に満足している方が転居など不測の理由で転職を強いられる場合、不安が大きくなり怖さを感じてしまうはず。
そこでこの記事では、看護師が転職にあたりどんなことに不安を抱えているかご紹介します。
転職への不安を乗り越える対策についてもご説明しますので、転職するのが怖いと感じている方のためのお役立てれば幸いです。
看護師は転職にどんな不安を抱えているのか
1.自分の希望にマッチした求人ってあるの?と不安
多くの転職希望者が思うのは、やはり「希望通りの転職先が見つかるか不安」という点ではないでしょうか。
転職時に希望することといえば「勤務時間」や「待遇(給与・福利厚生など)」、そして「通勤距離・手段」や「職場の雰囲気や人間関係」など、挙げればきりがないものです。
それらのすべてを希望通りにかなえようと考えれば、なかなか理想の職場は見つからないかもしれません。
2.人間関係が良くない職場にいたので、次も不安
転職先での人間関係の良し悪しを不安に感じる方は、やはり多いものです。
そもそも看護師が転職を決める動機として「人間関係で問題があった」ことを挙げる方が多いのですから、おのずと次の職場に対する不安でも人間関係は上位に挙がってきます。
「新卒で就職した病院で、就業直後にいじめられるようになって参ってしまったので、どこへ転職することを想像しても『また同じような目に遭うのでは』と不安になった」という、転職者の体験談もありました。
3.経験不足・スキル不足が影響するのでは?と不安
若い看護師の転職で多いケースですが、「経験をしっかり積めていないのに転職に成功できるのだろうか」「これまでの勤務先で満足なスキルを身につけた自信がないので、評価されないかも」という点も不安として多く挙がってきます。
転職を初めてする方はこの点で必ずといっていいほど不安を感じるかもしれません。
「1つの病院での経験しかないので、他に移っても通用するか不安」と思ってしまうのは、ある程度致し方ないことともいえそうです。
「総合病院にずっと勤めていたけれど、通常の病棟勤務しかしていない。
総合病院からの転職だと過大評価されやすいと聞いたので、期待していたよりスキルがないと思われるのが1番不安」という、転職者の体験談も。
4.体力の低下を感じるなど体力面での不安
夜勤や長時間残業などで、体力的につらいと訴える人が多いのも看護師の仕事の特徴。
特に、年齢の面や勤続年数、持病などで体力不安を抱えている方の場合、転職してもこのまま体力的につらかったらどうしよう……と思ってしまうかも。
シフト勤務で休日が一定しないなど、夜勤や残業以外でも体力消耗につながる要素が多くなってしまうのが看護師の仕事です。
「夜勤だけでなく早出や遅出もあり、その他残業や時間外の勉強会などで毎日ヘトヘトになってしまう。
同様の職場を選んだら転職先でもこうなるのかと思うと不安」という看護師さんの声もあります。
ここでご紹介した不安の事例は、数ある内のほんの一部です。
しかも、このような不安事項がいくつも重なってしまう看護師さんは少なくないはずです。
転職は自主的にするケースばかりでなく、家族の事情などで転職せざるを得なくなるケースもあります。
「今は満足しているのに、夫の転勤で転職したら心配事が現実になるかも」と不安になっている方もいるでしょう。
このような不安は簡単に消えるものではありませんから、転職するのが怖いと感じてしまうことも珍しいことではありません。
次の項目では、看護師さんの転職にともなう不安の乗り越え方についてご紹介します。
転職が怖いと感じる方向けの不安対策
転職に対して期待より不安が大きくなってしまい「転職が怖い」と思ってしまうと、前向きな転職活動が難しくなってしまうかも。
不安に対する対処法を身につけ、転職を怖いと思わずに済むようにしましょう。
1.仕事のことばかりに気をとられすぎない
看護師は仕事内容もハードで責任を感じる機会も多い職業。
しかし、そんな立場であるからこそ、質の良い休養やリフレッシュの時間を確保することも大切です。
丸一日仕事のことばかり考えて憂鬱になっていては、転職するにも怖いことだらけになってしまうでしょう。
休みの日は仕事を忘れてのんびり過ごしたり、仕事から離れたときは仕事モードから切り替えて趣味や遊びに没頭したりするなど、充電の方法を考えてみてください。
転職活動にあたる際にも、ポジティブな意欲が湧いてくるはずです。
2.積極性をみせて及び腰になりすぎない
職場でいつもびくびくしていると、周囲の人も腫れ物を触るような態度になってしまいがちです。
おもに人間関係で転職に不安を感じているなら、「転職先では周りの人の良いところをもっと見て、自主的に行動できるようになろう」と考えると良いでしょう。
人は褒め上手な相手には、冷たくしたくなくなるものです。
人の良いところは褒め、助言や注意は素直に聞いてご自身に取り入れるよう努めることがポイント。
思い通りには行動できなくても「頑張って声をかけられた」「自分からコミュニケーションを取れた」という些細なことも、成果の1つだと考えましょう。
転職することで、これまで過ごしてきた環境が変わります。行動の仕方を変えることも、少しであれば難しくはないはずです。
3.転職できたら「今度は大丈夫」と考える
こちらは、今現在お悩みを抱えているために転職が不安で怖いと思ってしまう方に向いている対策です。
心配ばかりしていると自分に起こることがすべて悪条件に感じてしまい、「大丈夫」と思っていれば何もかも大丈夫と感じられるようになるという考え方があります。
転職するときにも、その考え方を応用すると不安を軽くできるかもしれません。
今は大変に感じることが多くても、「転職できれば次は大丈夫」と、未来を明るいものに考えましょう。
そのためにも、転職する動機や転職先に求めることをはっきりさせて転職活動に臨むことが有効です。
考え方の転換で不安をある程度解消できたら、次は希望に合った職場を探せるよう具体的な取り組みを加えてみましょう。
ご自身が求める環境や条件が整った職場へ確実に転職するためには、転職のプロのアドバイスを基に転職活動ができる転職エージェントの利用も一案です。
あらゆる職場の内部事情なども熟知した担当者の助言を受けながら転職活動ができるため、転職を確実に成功させるための強い味方になってくれるでしょう。
まとめ
今回は、看護師の転職時に関する不安と、その乗り越え方についてご紹介しました。
看護師に限らず、転職する際は誰でも不安になってしまうものです。
本文でも触れましたが、転職する際には「転職エージェントの利用」や「同業の友人のアドバイス」を活用するなどして、しっかりと情報を集めることが大切。
数々の疑問を根気よく1つずつクリアにしていきながら、現在抱えている不安を確実に解消していきましょう。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。