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看護師の転職は何年目がいいの?経験年数ごとのメリット・デメリット

転職を考えている看護師さんなら、「今が転職に適したタイミングなのだろうか?」という疑問を持ったことがあるはず。
「看護師の転職は〇年目がおすすめ」などと言われることもありますが、それを鵜呑みにして良いのやら…… と、お悩みの方もいるでしょう。

そこで今回は、看護師さんが転職を考える上で最適なタイミングはいつごろなのか、また時期ごとにどのようなメリット・デメリットがあるのかについてご紹介します。
今が転職の考えどきなのか、あるいはもう少し待ったほうが得策なのか、ぜひ考えてみるきっかけにしてみてください。

看護師は何年目ごろに転職を考え、実行しているの?

看護師さんが転職を考える時期は、何年目ぐらいになるのでしょうか。
実際の調査結果を基に、看護師が転職を考える時期や転職を実行する時期について、ご紹介します。

看護師は、意外と1つの医療機関での勤続年数が短い?

「医療労働 臨時増刊号」に掲載された、「看護職員の労働実態調査報告書」によると、看護師の勤続年数(1つの医療機関に勤め続けた年数)は「5年未満」が37.9%と4割近くにのぼります。
1年未満で離職し、他の医療機関へ転職している人も1割ほどと少なくありません。
「5~10年未満」の割合が20%ですから、10年以内に転職を考え、実行している人は6割ほどになることが分かります。

一方で、「勤続30年以上=同じ職場でほぼ定年退職まで働き続ける人」は約5%とごく少数でした。
看護師は転職の多い職業とは言われますが、その実態が浮き彫りになった結果といえそうですね。

経験年数ごとの転職のメリット・デメリット

「看護師は○年働き続けたら転職の考えどき」などとよく言われます。
しかし、実際のところ転職への向き不向きに経験年数との関係はあるのでしょうか。

「新卒で入職したばかりなのに転職するのは不安」「もう中堅看護師だけど、転職して扱いづらいと思われないだろうか」など、不安に思う点も経験年数によって変わってくるはずです。
看護師の求人は常に数多くありますが、ご自身が転職して良かったと思える職場を見つけるためには「経験年数に合った転職活動をすること」も大切でしょう。

また1年目の看護師さんと5~6年目の看護師さんでは、転職することで生じるメリットやデメリットも違ってきます。

ここでは、転職を考えるうえでのメリットとデメリットや、項目別の評価を経験年数ごとにご紹介します。

1年目(新人看護師さん)の転職

教育のしやすさ:◎
体力面:○
即戦力度合い:×
将来性:△

新人の看護師さんが早期に転職する場合は「第二新卒」という扱いになる場合が主体です。
そのため、転職先でも「ほぼ新人」という見方で採用されることが中心となります。
即戦力とはみなされませんが、教育や指導がしやすいため長期的に働いてくれるならありがたい人材と思ってもらえる可能性が高いでしょう。

ただし、1年未満で転職している事実があるため将来性については未知数と考えられることのほうが多いかも。
1年目での転職のメリットは「新人とみなしてもらえる」点で、デメリットを挙げるなら「即戦力需要には応えられない」という点でしょう。

2年目看護師さんの転職

教育のしやすさ:○
体力面:◎
即戦力度合い:×
将来性:△

2年目の看護師さんが転職を考える場合は、まだ若く仕事にも慣れてきた時期なので、おもに体力的な面での期待度が高くなる傾向に。
1年目と同様、まだ一人前とはみなされず、きちんと教育を受けられる可能性が高いです。

また将来性についても、まだ新人看護師と同様の見方をされることが多いといえます。
2年目で転職するメリットは「新人同等にみてもらいながら、体力面で期待されやすい」点で、デメリットは「まだ即戦力には満たない」という点でしょう。

3年目看護師さんの転職

教育のしやすさ:○
体力面:◎
即戦力度合い:○
将来性:○

3年目になると、看護師さんの転職事情も変化してきます。
やはり「3年勤めて一人前」というイメージが強いせいか、3年目で転職をすると転職先でも「即戦力にあたる」とみなしてもらえることが多くなります。

また「前職で3年目まで勤めたのなら」と、将来性(長く働いてくれるかどうか)に関しても、3年目の転職ぐらいからやっと好意的な見方をされるようになってきます。
さらに3年目ぐらいであれば、それほど仕事に対するこだわりや自分のやり方などを主張されるというイメージは薄いようです。
「教育もしやすく、将来性もある」と思ってもらえる時期が3年目であると言えそうですね。

3年目の転職のメリットは「採用側でも若さと即戦力度合いのバランスが良いと思ってもらえる」点で、大きなデメリットはそれほどないと考えられます。

4年目看護師さんの転職

教育のしやすさ:○
体力面:○
即戦力度合い:◎
将来性:◎

4年目を迎えれば、「前職で3年以上活躍できた」という点が大きく評価されます。
看護業界においても「3年続けられれば一人前」というイメージが定着しているためか、3年勤め上げたというだけでも「即戦力」という印象を与えることができます。

また4年目ぐらいの看護師さんは、新人教育係としても重宝される世代。
プリセプター制などを設けていて、新人が入ったらしっかりと教育する体制の整った職場では、そのような役割を任せられるという意味合いでも歓迎されるでしょう。

4年目看護師さんが転職するメリットは「即戦力として問題ない」「教育係や現場のリーダー役としても期待される」点、デメリットは大きなものはないでしょう。
強いて挙げるなら、前職で給料を多めにもらっていた場合などに、転職で若干収入源となる可能性もある点でしょう。

5年目看護師さんの転職

教育のしやすさ:△
体力面:○
即戦力度合い:◎
将来性:◎

看護師さんも5年目になると、もう立派な中堅ポジションです。
体力面でもまだまだ不安は少なく、転職先でも大いに活躍を期待してもらえるでしょう。

新人教育や現場のリーダー要員として採用される可能性も上がりますし、転職によって専門性を身につけたいという方も、5年目ぐらいのタイミングでスペシャリスト候補としての転職を実現する可能性が上がります。
病院への転職であれば専門性を身につけてのキャリアアップを視野に入れられますし、介護施設などの看護師として転職するなら主任職などへのキャリアアップ転職も考えられる時期でしょう。

5年目看護師さんが転職するメリットは「キャリアアップ転職を視野に入れられる」「疑いなく即戦力として見てもらえる」点です。
デメリットはあまりありませんが、強いて挙げるなら「教育面では若干扱いにくさを感じられる可能性も出てくる」点
があるかもしれません。

6年目以上の看護師さんの転職

教育のしやすさ:×
体力面:△
即戦力度合い:◎
将来性:○

6年目以上の看護師さんの転職には、「若手を束ねる」「チームを引っ張る」という役割が求められることが増えてきます。
勤続6年を超えれば、たとえ中途入社でも入りたての新人のような気分ではいられません。

また、勤続6年を超えるナースさんは看護主任職として採用されるチャンスも増えるでしょう。
前職でリーダーなどを積極的に務めてきた方はその点を転職活動でアピールすると、将来的に師長などをめざせる管理職候補として採用される可能性も高まるかもしれません。
病院への転職だけでなく、介護施設やリハビリテーション病院などへの転職を視野に入れることも、管理職候補としてのステップアップを図るには有用でしょう。

6年目以上の看護師さんが転職するメリットは「役職候補としての採用が期待できる」「具体的なキャリアアップを考えて転職できる」点でしょう。
デメリットは、「体力面での期待は若干低くなる」点や、「勤続が長い分扱いにくさを感じられる可能性がある」といった点
が挙げられます。

年次別・転職する際に気をつけたいこと

転職を考えている看護師さんなら、何年目であっても注意すべき点があります。
ここでは、看護師さんが転職を考える際に「年次ごとに気をつけたい点」についてご紹介します。

1年目(新人看護師さん)の転職の注意点

看護師の求人には即戦力を求めているものが多いため、新人ナースさんが転職するにも、求人の数が少ない点がネックとなるでしょう。
また、給与や勤務時間の面で好条件の求人も少なめといえます。

2年目看護師さんの転職の注意点

2年目も新人のうちと同様、まだ求人の選択肢は少ない状況です。

3年目看護師さんの転職の注意点

3年目になると、求人の選択肢も増えてきますが、現在の職場で一人前とみなしてもらえるようになってくる時期でもあります。
現職でのお悩みがそれほど深刻でないなら、無理に転職を考える必要はないのでは? と迷うことも多いでしょう。
そういった意味でも、転職の考えどきではありますが、逆に転職に慎重になるべき時期ともいえます。

4年目看護師さんの転職の注意点

即戦力として採用を考えてもらいやすくなるのが、4年目ぐらいからです。

しかし「即戦力・一人前=なんでも任せられる」というわけではないため、転職によるキャリアアップを視野に入れたい場合なら、転職のタイミングとしては時期尚早かも。
転職の理由によっては、もう1~2年ほど現職で経験を積んでからのほうが、ご希望をかなえやすいかもしれません。

5年目看護師さんの転職の注意点

5年目ともなれば、「今後どんな看護師になりたいか」を、きちんと考えて転職先を選ぶことが必要になります。

ただ「環境を変えてみたい」「なんとなくその場の流れで」と転職に踏み切ってしまうと、転職先で将来のビジョンを真剣に考えにくくなる可能性もあるでしょう。
転職したあと「どんな看護を続けていきたいか」「今の看護を年齢に応じて長く続けられるか」と、次の職場でじっくり考えられる環境を求めての職場探しが重要になるでしょう。

6年目看護師さんの転職の注意点

同じ職場で働き続けて6年目を迎えれば、「中堅からベテラン枠」という存在になっているはずです。
キャリアアップ転職も十分に視野に入れられる経験を積んでいますが、それだけに注意したいのは転職してからです。

同僚や年下看護師さんの仕事や行動で気づいた点があると、つい口を挟んでしまいたくなるかもしれません。
しかし、経験豊富でも新しい職場で一定期間が過ぎるまではあくまで新人です。
しばらくの間、対人面では新人としてふるまいつつ、実務でベテランならではの落ち着きを見せていくことが吉でしょう。

まとめ

結論としてはやはり、転職をするのがベストな年次は「3年目ごろ」といえそうですね。
1年目~2年目の場合、体調に不安を感じるような深刻な事態でない限り転職には慎重になったほうが良いかもしれません。

また3年目以降の場合、現職で一定の評価を得られ始める時期でもあります。
この時期だからこそ、早期に転職をせずに今の職場で継続して働いた方が良い可能性もあり得ます。
何年目の看護師さんであっても、転職を考えるなら早計せず、ある程度慎重に考えることが大切といえそうです。

それから、転職を成功させるためには自力での転職活動と並行して、転職のプロの助けを借りる方法もおすすめです。
1人で転職活動をしていて「誰か相談できる相手がいれば……」と思ったことはありませんか?
そんな方は看護業界を熟知したプロの担当者に転職の相談ができる、転職エージェントの利用を考えてみてはいかがでしょうか。
無料で利用できますし、登録しておくことで好条件の非公開求人を優先的に紹介してもらえることもあります。

転職エージェントに登録したからと言って絶対に転職しなければならないということはありません。
「今転職すべきなのか、もう少し考えたほうが良いのか」というお悩みを持っていても、それに合ったアドバイスがもらえます。
最終的に今は転職しないという選択をしても、問題ありません。

この記事を書いた人は
スーパーナース編集部

スーパーナース編集部

看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。

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