看護師の転職時の悩みの種といえば、履歴書に記入する「自己PR」欄の書き方。採用担当者の方に真っ先に見てもらうのが履歴書ですから、内容の手抜きは禁物です。履歴書で「第一印象」を可能なかぎりよいものにし、採用担当者に「一緒に働いてもらいたい」と思っていただかなければなりません。
そこで今回は、好印象につなげられる自己PR欄の「考え方」「書き方」「伝え方」についてご紹介します。書類選考時の印象アップのために、ぜひ参考にしてください。
自己PR欄記入のポイント
ここでは、自己PRを記入する上で必要なポイントについてご紹介します。どのような内容が自己アピールとして適しているのかを知り、採用担当者に最後まで読んでもらえる自己PR文を考えてみましょう。
1.ただ勤務経験を書き連ねることは避ける
どんな職場で何をしてきたかを書くだけでは、他の応募者と差別化ができずじっくり内容に目を通してもらえません。職務経歴だけでなく、ご自身の何をアピールしたいかを考えて要点を意識しながら記入しましょう。
2.何かを任された経験などは進んで書く
業務のなかで重要な仕事を任せてもらった経験や、マネジメントの経験があれば大事なアピールポイントになり得ます。些細なことと感じるものであっても進んで記入するようにし、採用担当者の目に留まるよう工夫をしましょう。
3.意欲や、仕事における自分の長所を書く
特別なスキルや特記すべき実務経験などがない場合は、意欲や長所に的を絞ってアピールする工夫をしましょう。「人と協力して仕事ができる」「患者さんとのコミュニケーションが得意」など、仕事上で自信があるところをメインに記入するのもよいでしょう。
自己PR欄を書く際の注意点
自己PR文には、できれば書かないほうがよいNGな内容もあります。すべて事実を書くことは大切なのですが、事実に即したことを書きすぎてネガティブな内容になってしまっては本末転倒。書く内容を取捨選択し、自己PR文として適切な内容を吟味することも重要です。
1.事実と異なることは書かない
看護師の仕事には、正しい知識と誠実な対応が必須。印象を良く見せたい、なんとしても採用につなげたいなどの理由で、事実と異なる「盛った内容」を書くことは絶対やめましょう。そもそも、多くの履歴書に目を通してきた採用担当者は、些少なものであっても事実でない部分はある程度わかってしまいます。「事実でないことを書く=採用されない」と考え、スキルや実務経験はご自身がしっかり経験してきたことだけを書きましょう。
2.例文どおりなど、通り一遍な内容は避ける
「やる気が取り柄です」「毎日明るくがんばりたいと思います」など、履歴書の書き方にありがちな言い回しだけを用いていては、採用担当者の目に留まりません。ご自身が具体的に経験してきたことや仕事する上で感銘を受けたことなど「あなた自身の魅力をわかってもらえる内容」であることが、自己PR欄の肝になります。
3.前職に触れる場合、否定的なことは書かない
もし転職の動機が、職場の人間関係の問題や劣悪な勤務条件などだったとしても、それをそのまま履歴書に書いてしまうことは望ましくありません。前職に対して否定的な内容は極力割愛し、あくまで応募先での採用後、どのように働きたいかについて前向きな内容を書くようにしましょう。
自己PRの例文集
1.キャリアアップ転職を目指す場合の自己PR文
「前の職場に10年ほど勤務し、新人看護師への教育にも積極的に取り組んできました。リーダー業務も経験し、長く勤めた分、培ってきたものも多いと自負しております。貴院では一転して教育を受ける立場となりますが、可能なかぎり早期に独り立ちできるよう尽力して参りたいと思います。また、将来的にはリーダー業務や管理職なども視野に入れ、日々鍛錬・研鑽に努めたく思っております。」
2.コミュニケーション能力を強調したい場合の自己PR文
「私が看護師として強く意識していることの1つには、患者様との心のこもったコミュニケーションがあります。さまざまな症状やお悩みを抱えて来院される患者様に対して親身になって相談に乗り、できる限りお悩みを和らげ、取り除けるよう力を尽くしていきたいと考えています。また、同じ看護師の皆様ともつねに笑顔でコミュニケーションを取り、職場の和を大事にしながら正確な仕事に努めていきたいと思います」
2.育児などでブランクがある場合の自己PR文
「育児をしていた都合上、看護の現場から○年ほど離職しておりました。しかし、育児の合間を見て復帰後に役立つようにと、さまざまな勉強を続けてきました。たとえば、海外出身の患者さんとの円滑なコミュニケーションを可能にするための英会話、患者さんとの交流に役立つ話し方や癒しにつながるアロマの知識などです。
また、貴院では復職後の看護師を対象にしたサポート制度が充実していると伺っております。それらを積極的に利用し、できるだけ早期に一人前の看護師として貴院に貢献したいと思っています。」
まとめ
今回は、看護師の転職で履歴書を書く際に最も悩みがちな「自己PR」欄の書き方についてご紹介しました。自己PR文を考えて書くことは大変な作業ですが、履歴書は応募先があなた自身を真っ先に知ることになるもの。第一印象を左右する重要なツールと考え、時間をかけても内容を妥協せず練ってみましょう。ご自身の言葉で好印象を与えられる、他にはないオリジナルの自己PR文をぜひ書いてみてください。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。