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看護師夜勤の勤務時間はどれくらい?3交代制、72時間ルールなど賛否両論

病棟で働く看護師さんは、基本的に毎月シフトを組んで、日勤・夜勤の両方で勤務に入るため、その勤務時間は非常に変則的、かつ不規則です。とくに夜勤は、2交替と3交替では勤務時間が大きく異なります。このページでは、看護師さんが夜勤で働く際の勤務時間について、詳しくご紹介します。



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一般的な夜勤の勤務時間はどれくらい?

病棟や救命センターを持つ病院で働く看護師にとって、夜勤はつきものです。看護師の夜勤には勤務パターンにいくつかの種類があり、また勤務する地域によっての特徴がある場合もあります。

3交代制の場合

たとえば、3交代勤務での夜勤においては一般的に、「日勤・準夜勤・深夜勤」の3つの時間帯による交代勤務となります。一般的な勤務時間帯の例としては、日勤が8:00~16:45、準夜勤が16:00~24:45、深夜勤が24:00~8:45のように時間の割り振りをしている病院が多いでしょう。それぞれの勤務時間帯で途中に45分ほどの休憩を取りながら、実働が8時間となるわかりやすい割り振りです。

また都心部では電車での通勤を考えて、準夜勤の勤務時間を少し短くすることによって終電前に深夜勤の出勤と準夜勤の帰宅ができるように調整されている病院もあります。

2交代制の場合

もう1つの代表的な勤務パターンが2交代制です。こちらは日勤と夜勤の2つに勤務時間を分けることになりますが、その時間帯は病院によって異なります。

たとえば日勤が8:00~20:30、夜勤が20:00~8:30のように12時間ずつで交代している例が多くなります。また、最近一般化しつつあるのが、日勤は8:00~17:00、夜勤は16:00~9:00のような時間の割り振りです。こちらは日勤8時間、夜勤16時間を基準にした勤務時間となります。

改正した「72時間ルール」を解説!夜勤は減るの?増えるの?

2016年に診療報酬が改定され、同時に看護師勤務の「72時間ルール」も変更されました。これは看護師の夜勤時間について、月の平均で72時間以内にするというルールです。変更になったのは勤務時間の計算方法と、条件を満たす基準です。

そもそも72時間ルールとは

そもそも「72時間ルール」とは、夜勤をする看護師の負担を減らすために作られた制度で、「看護師全員の夜勤時間を合計し、夜勤をする看護師の人数で割った数字が72時間以内でなければならない」との根拠によって決められたものです。そして、この「夜勤をする看護師」としてカウントされる条件として、以前には「月当たりの夜勤が16時間以下の看護師は含まない」と決められていました。

しかしこの条件には懸念がありました。「子育てや介護などで月に16時間以下の夜勤しかできない看護師の採用を控える考えに繋がるのではないか」というものです。「72時間ルール」を破った場合のペナルティは、その病院の診療報酬ランクを下げるという厳正なものなので、このような心配が議論されるようになりました。

そして2016年に「72時間ルール」が改正され、「夜勤をしている看護師」とカウントされる条件についても「8時間未満の者は含まない」と変更されました。これによって、それまではカウント外となっていた8時間の夜勤を1回または2回した看護師も含まれるようになったのです。

夜勤回数が一部の看護師に偏る懸念点も

このため、実際に1人が1か月間にする夜勤の時間は減っているという調査結果が出ています。短時間や少ない回数でも夜勤をしやすい環境に少し近づいたことがわかりますね。しかしその一方で、夜勤を行う看護師の数が増えることは、全員の夜勤時間合計を割る数字が大きくなることを意味しています。つまり、夜勤に多く入っている看護師の夜勤回数をさらに多くしても、割る数字が大きくなったことで72時間を超過させなくすることも可能になるのです。

実際に日本看護協会の調査では、夜勤の回数・時間が一部の看護師にだけ偏っている現状が報告されています。このような看護師の負担が、さらに増加することも不安視されています。

夜勤に関する疑問や心配ごとについて

これから夜勤を始める看護師さんには心配になることも多くあるはずです。ここでは、そんな夜勤についての質問や、勤務パターンについての質問を集めてみました。

1.夜勤明けの日勤はあるの?

基本的に、夜勤明けでそのまま日勤に就くことはありません。2交代なら朝になれば退勤することになりますし、3交代であれば準夜勤の次の日は休み、深夜勤のあとは朝に退勤して、次にあるとすればもう一度深夜勤か、次の日の日勤です。

2.夜勤中の休憩時間はどれくらい?どんな過ごし方?

2交代の場合、夜勤中の休憩時間は睡眠を取っている、または完全に眠らなくても、横になって体を休めているという人が多いようです。休憩時間に睡眠を取っておいて、朝退勤したらそのままプライベートの時間として活動する人もいます。

日本看護協会から、「16時間夜勤などの場合、2~3時間の休憩時間が望ましい」との見解が出ていることもあり、多くの2交代制を採用している病院では、夜勤中の2時間ほどの時間を「仮眠時間」として設定しています。ただしこの時間は休憩時間ではなく労働時間扱いですので、患者さんの容態などによる緊急時にはすぐに仕事に戻る必要があります。

また、3交代制の夜勤では、ほとんどが45分~1時間の休憩時間となっています。休憩時間にはテレビを見ながら食事をしたり、少し仮眠を取ったりするなどの過ごし方をしている方が多いようです。

3.一般的な看護師の1週間のスケジュールは?

2交代制のシフトの例としては、次のようなスケジュールがあります。

月曜:日勤
火曜:夜勤入り
水曜:夜勤明け
木曜:休み
金曜:休み
土曜:日勤
日曜:日勤

この例だと、月曜の夕方に日勤を終わったあとは、火曜の夕方の夜勤入りまでプライベートの時間があります。また水曜の朝に夜勤が明けてからは、水曜に日中と木曜・金曜と自由に過ごすことができるシフトになっています。



次に3交代のシフト例を見てみましょう。

月曜:日勤
火曜:日勤
水曜:休み(この日の夜中から深夜勤)
木曜:深夜勤
金曜:深夜勤
土曜:準夜勤
日曜:休み

この例では火曜が休みとなっていますが、感覚的にはこの日の夜中から深夜勤が始まると考えても良いでしょう。そして、2連続の深夜勤が明けるのが金曜の朝となります。そこから、土曜の夕方に準夜勤が始まるまでは自由時間が取れることになります。

このように、2交代、3交代どちらの場合でも、夜勤明けと休みとをうまく使うことでたっぷりの自由な時間を確保することも可能でしょう。みなさんも求人情報を参考に、ご自分の想定するライフスタイルと照らし合わせて応募先の選定に役立ててみると良いでしょう。


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この記事を書いた人は
スーパーナース編集部

スーパーナース編集部

看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。

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