このページを今ごらんになっているあなたは、きっと「履歴書の書き方・ノウハウに関する情報を探している看護師さん」ではないでしょうか。
ここでは、看護師さんが転職活動の際に必ず用意する書類のひとつである「履歴書」について、記入する際のポイントや注意点などを、わかりやすく詳細に解説します。
履歴書の印象は、あなたの第一印象になる!
人手不足が深刻な看護業界だけに、転職時に書類選考で不採用となることはそれほど多くはないでしょう。
しかし、病院や医療施設によっては年齢が高いことやブランクの長さ、小さいお子さんがいることなどがハンデになってしまうケースもあります。
これらは努力しても解決が難しいものですが、別の何かによる印象アップで克服できる可能性も。
「履歴書の印象で、他の看護師との差別化を図る」のも、その方法の1つになり得ます。
また看護師は「転職の多い職業」と言われがちですが、それでも転職回数が多すぎたり、1箇所での勤務期間が短すぎたりすればマイナス要素になります。
結婚・出産、キャリアアップなど、しっかりした退職理由があれば、その旨きちんと伝えたほうがよいでしょう。
看護師の採用には、書類選考、面接、採用手続き、就業の受け入れ準備、教育・研修など、多くのコストと手間がかかっています。
つまり、採用した看護師がすぐに辞めてしまうことや、戦力にならない看護師の採用などはそこに費やした時間とお金の無駄にもつながります。
これらの背景から、みなさんが思う以上に「細かいところまで履歴書の内容はチェックされる」と考えながら記入するとよいでしょう。
看護師さんの場合、「書類選考はあまり重要ではない」と考え、履歴書の書き方に無頓着にもなりがち。
でもそれだけに、丁寧でポイントを押さえた履歴書を作れば、ライバルと差別化できます。
採用担当者は数えきれないほど多くの履歴書に目を通していますから、しっかり考え工夫された履歴書と、何となく書かれた履歴書の差はすぐわかってしまいます。
また、履歴書の印象がよければ、その後に控える面接にも少なからず好影響になるはずです。
採用の可能性を拡げるためにも、履歴書も全力で作成するようにしましょう。
では、次の項目では具体的に履歴書作成のポイントを見ていきましょう。
履歴書を記入する前に準備するもの
1.履歴書用紙
市販の履歴書用紙を準備しておくことがおすすめですが、ご自身が記入すべき内容や記入したい項目などを確認し、合った書式のものを選定しておくとよいでしょう。
たとえば、「自己PR」を丁寧に書きたければ「自己PR欄のある履歴書用紙」を準備すればよいですし、職歴の多い方は職歴欄の行数が多く設けられた履歴書用紙を選択するなどです。
大抵の履歴書用紙は、書式サンプルを見て選べるようになっているので、文具店などでじっくり内容を確認して準備しましょう。
2.黒字のボールペン
黒のボールペンは、自筆の履歴書を作成するための必須アイテムです。
滲みにくくサラサラと書けるものを選び、筆記すること自体にストレスが生まれないよう配慮しましょう。
黒インクの万年筆でも大丈夫ですが、書きなれているもののほうがおすすめです。
3.姿勢よく書ける机や台
無理をしてことさら字を美しく書く必要はありませんが、読み取りやすく丁寧に文字が書かれていれば好印象につながります。
丁寧に字を書くには、良い姿勢で筆記できる環境が大切。机や台にきちんと座って書けるよう、書く場所の環境も整備しておきましょう。
4.履歴書用の証明写真
提出直前に写真を慌てて撮りに行くことは避け、事前に撮影して何枚か用意しておきましょう。
セルフ証明写真も今はかなりきれいに撮れますが、可能であれば写真スタジオやスタッフが撮影してくれる証明写真コーナーなどで撮ってもらうのがおすすめ。
基本は「3か月以内に撮ったもの」であればOKなので、早めに準備するとよいでしょう。
5.少し多めの白紙履歴書用紙
履歴書を手書きで作る場合、書き損じのリスクがあります。
基本的に修正液や修正テープでの書き直しは推奨されていないため、初めから書き直すための予備の用紙も必ず準備しましょう。
また書き損じも1度だけとは限りませんから、少し多めに予備を用意しておくのがおすすめ。
履歴書を記入する際の注意点
ここでは、履歴書を書く際の注意点や心がけるポイント、基本の書き方ルールについてご紹介します。
「これまでの転職で、間違えて書いていたのに採用された」という方は、大目に見てもらっていた可能性もありそうですね。
その分あなたという人材を高く評価してもらえたということでもあるでしょうが、そこは反省点として生かしましょう。
次の転職からは、以下にご紹介する正しいルールやマナーに即して履歴書を作れば、より印象がアップすること間違いなしです。
1.看護師の履歴書は、手書きが基本
ここでは、看護師さんが転職活動の際に必ず用意する書類のひとつである「履歴書」について、記入する際のポイントや注意点などを、わかりやすく詳細に解説します。転職活動にぜひご活用ください。
最近では、パソコン上でフォーマットに入力したものを印刷した形の履歴書も一般的になりました。
特にパソコンスキルを必要とする業種・職種などでは、パソコン作成の履歴書を推奨する応募先も増えています。
しかし、看護師の履歴書に関しては今も「手書きの履歴書」が基本と考えたほうが良いでしょう。
看護師は何よりも「人柄」を見られ、重要視される職業です。
そのため、書類や文字の書き方によって、看護師への適性や人柄・人間性を判断の上、それらを採用条件に加味しているケースが多いのです。
「他の業界ではパソコン出力の履歴書も認められているのに不公平」と感じる方もいるでしょうが、看護業界で働くには誠実さやマメさが肝心です。
時間と手間をしっかりかけても、あなたの誠実な人柄やよく気がつくマメな性格が文面ににじみ出るような履歴書を、ぜひがんばって仕上げてください。
2.履歴書作成で注意するポイント
■修正液・修正テープの使用や二重線・訂正印での修正はNG!
手書きの履歴書を書いていて書き損じがあった場合、二重線や訂正印で修正したり、修正液・修正テープを使用したりしてそのまま使ってはいけません。
「ここまで一生懸命書いたのにもったいない」と思う気持ちはわかります。
しかし、これらは公に出す書類という観点では間違いなくルール違反にあたりますし、「常識がない」とみなされても仕方ありません。
時間や手間はかかってしまいますが、間違えたら最初から書き直して誤字・脱字・書き間違いのない履歴書を完成させましょう。
■当然ながら、丁寧に記入すること
先にも述べましたが、看護師業界で手書き履歴書が基本とされている理由は「書き方で人柄が分かる」という考え方が基になっています。
もちろん、「美しい文字で書かなければならない」「達筆であるほど良い」ということではないので、それほど文字に自信がなくても心配ありません。
手書き履歴書はキレイに書くことよりも、「丁寧に見やすく書く」ことが大切。
急いで走り書きをしたような読みにくい履歴書では「細やかな気配りが要求される看護師には向かないな」と思われてしまいます。
■証明写真の準備について
証明写真全般に関する注意点について、くわしくは「看護師向け 履歴書に貼る証明写真の注意点」の記事をご参照ください。
証明写真は、面接より先に採用担当者が見る「あなたの顔」です。そのまま第一印象につながりますので、ただ急いで適当に撮ったものよりは応募先を意識して印象良く見える写真を新たに撮ったほうが良いでしょう。
撮影・貼付のルールを確認の上順守し、そのなかでも好印象を与えられる写真を準備してください。
3.履歴書を書くときの基本ルール
【1.応募先の敬称】
応募先が病院なら「貴院」と記載します。会社・法人の場合は「御社」または「貴社」としましょう。
【2.空欄を作らない】
「書くことがないから」と、空白の欄を設けないようにしましょう。
何も書く必要のない項目があっても「なし」「特になし」など、何らかの文言は記入するようにしてください。
【3.捺印する場合ははっきりと】
印鑑を捺す際にはかすれや捺し損じのないよう、はっきり捺印しましょう。
【4.年号の書き方】
基本的には西暦か和暦(昭和・平成・令和)のいずれかで、統一して記入しましょう。
1箇所を西暦で書いたのに、別の項目では和暦で記入されているなどでは混乱を招いてしまいます。
【5.住所や企業団体・資格名などは正式なものを】
住所は必ず都道府県から書き始め、正確な記載をしましょう。
また、企業名・学校名や資格の名称なども略称は用いず、正式名称を必ず書いてください。
項目別・履歴書記入のポイント
ここではさらに詳しく、一般的な履歴書用紙の書式に合わせ、項目ごとに記入のポイントをご紹介します。
実際に履歴書用紙を横に置きながら、項目ごとに確認すると役立つでしょう。
1.日付欄
ここには記入日ではなく、必ず面接を受ける日を記入してください。
2.氏名欄
「だれでも読める名前だから」と、ふりがなを省略するのはNG。
履歴書には可能な限り空欄を設けないようにし、氏名欄もふりがなまでしっかりと書きましょう。
3.写真
履歴書向けサイズの証明写真を必ず用意して、貼付欄にしっかり合わせて貼ります。
証明写真のマナーやルールに関しては、以下の記事もぜひご参照ください。
4.現住所欄
こちらも、省略箇所がないように記入しましょう。
特に、都道府県名や郵便番号・番地や部屋番号は略したくなりますが、身分証明書などの記載を見ながら必ず正確に書くようにしてください。
5.電話番号欄
携帯電話のほかに固定電話の番号があれば、そちらも必ず記入しましょう。
6.学歴・職歴欄
学歴は基本的に高校卒業からでOKですが、欄の行数に余裕があれば遡って記入しても大丈夫です。
職歴では、看護師として勤務した職場の項目は必ず診療科などもくわしく記入しましょう。
7.免許・資格欄
すべての資格を書いて問題ありませんが、記入欄が足りなければ看護に関連がある資格を優先して記入しましょう。
また英語関連の資格や運転免許などをお持ちなら、仕事全般に有利なため記入することがおすすめです。
8.自己PRや自身の長所・短所欄
できるだけ、業務にあたることを想定してポジティブに受け取れる内容を記入しましょう。
9.志望動機や前職の退職理由欄
虚偽のないよう正しく記入することはもちろんですが、こちらも自己PR欄と同様、業務に関して前向きに取れる内容を工夫して書きましょう。
10.その他(希望する入職時期・勤務時間など)
ここに記入することがない方も多いと思いますが、空欄のまま提出しないよう注意しましょう。
もしここに書く特記事項がなければ「特になし」または「なし」と記入することを忘れずに。
履歴書を書き終えたらすべきこと
1.内容や誤字脱字のチェック
履歴書を書いただけで安心してしまわず、誤字脱字や内容の齟齬などがないか再チェックを必ず行いましょう。
誤りがあれば書き直すことになるため、履歴書は時間に余裕を持って作成することが大原則です。
2.履歴書が完成したら、そのコピーを取っておく
複数の応募先に履歴書を出すことを想定し、次にも書きやすいよう履歴書が完成したらコピーを取っておくとよいでしょう。
もし別の応募先に挑戦する場合、コピーがあれば内容を見直して改善ポイントを見つける際にも役立つはず。
コンビニやセルフ印刷所でも安くコピーを取れますが、プリンタ複合機があればご自宅でもコピーできます。
履歴書を書くときのNG事例って?
履歴書の正しいルールやマナーはほぼご紹介しましたが、逆に「これはやってはいけない」ことも知っておくと役立ちます。
ここでは、看護師が転職する際の履歴書でNGとされるポイントをご紹介します。
NG事例1.黒のペンを使わないこと
履歴書は「黒のペン」での記載が基本。
国際的には「黒または青のインク」で書けば書類として正式なものとなりますが、日本国内では青インクが用いられることが少ないため、黒のボールペンまたは万年筆での記入が無難です。
NG事例2.空欄(何も記入しない箇所)を設けてしまう
記入例でもご紹介していますが、履歴書に「空欄」が1箇所でもあることは好ましくないでしょう。
「書くべきことがない」のではなく「書き忘れ」とみなされてしまうからです。
書き忘れはだらしない印象を与えますから、書くべきことがなければ「なし」「特になし」などと必ず記入しましょう。
NG事例3.修正・二重線削除をして提出する
手書きの履歴書は、誤記をする可能性ももちろんあります。
その際に1から書き直さず、白テープや修正液で直したくなる気持ちは分かりますが、これもNGです。
もちろん二重線削除で上に書き直すこともNGなので、大変ではありますが書き間違えたら1から書き直しましょう。
まとめ
今回は、看護師が転職活動をする際の履歴書の書き方について、転職成功に近づくコツやNG例なども交えつつご紹介しました。
履歴書は、応募先の採用担当者が真っ先に目にする可能性の高い書類です。
もし書類選考を実施する応募先であれば、その印象次第で第一関門を突破できるか否かが決まります。
誤字や脱字・空欄がないことはもちろんですが、全体の見やすさなどにも配慮しましょう。「あなたの第一印象」を少しでもマイナスにしないよう、書類作成の段階から「好感度を上げる履歴書作り」に取り組んでくださいね。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
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